【ツアー報告】冬の道東でシマフクロウとユキホオジロに会いたい!2023年12月8日~10日
(写真:ユキホオジロ 撮影:藤塚譲二様)
季節を問わず魅力的な野鳥たちが目白押しの北海道。特に道東、知床エリアはバードウォッチャーならば毎年でも訪れたい憧れの場所でしょう。今回はその道東エリアの一部に留鳥として生息しているシマフクロウを観察することを主な目的として企画してきたツアーをリニューアルし、日中の時間のほぼすべてをユキホオジロを探す行程に変更してみました。まずシマフクロウは国の天然記念物に指定されている日本産では最大のフクロウ類で、全長70cm、翼を広げると180cmにも及びます。夜行性のためその姿を見ることは難しいのですが、道東の一部の宿泊施設ではお客様に提供するために活けられている魚を狙って夜な夜なシマフクロウがやってくるようになった場所があり、それらの場所ではシマフクロウが見られるよう工夫し、また結果として保護増殖に貢献している事例があります。この時期はシマフクロウの繁殖期前のためオス、メス共に行動が活発で、つがいで見られる可能性が高いことが特長で、日没が早いため観察時間を長めに確保できること、厳冬期に比べて混雑していないこと、そして雪景色で見られる可能性が高いことからシマフクロウ観察、撮影にはベストシーズンでしょう。一方、ユキホオジロは冬鳥として渡来するものの採食行動の特性から行動範囲が極めて広く、北海道の人気種の中でも出会うことが難しい種といえるでしょう。ただ今回はあえてチャレンジしてみることにしました。
*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトでは公開しておりません。
今回からは長らく企画、催行してきた「シマフクロウに会いたい」「シマフクロウを撮る」をリニューアルし、日中の時間のほぼすべてを使って、なかなか出会うことができないユキホオジロを徹底的に探す行程に変更してみました。正直、かなり難しいだろうと覚悟はしていましたが、ツアー当日がたまたま穏やかな快晴無風の日に当たってくれたことが幸いし、また想定外に歩いていただきましたが、みなさんの頑張りもあってユキホオジロの群れをじっくりと観察、撮影する幸運がありました。ここまでたっぷり観察したのは久しぶりだったので非常に印象的な時間でした。一方、シマフクロウは今年は幼鳥が1羽無事に巣立ったようでまずはほっとしました。なかなか出会うことができず思ったような観察状況ではなかったですが、深夜まで粘った甲斐があってオス、メス、幼鳥を観察、撮影でき、また闇夜から響く不気味なその鳴き交わしも堪能できました。ほかにも300羽はいようかというベニヒワの大群の乱舞も見られ、コクガンやコオリガモ、シノリガモ、ミミカイツブリ、アビ、ケイマフリ、オオワシ、オジロワシ、ミヤマカケス、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、ハギマシコ、一部の方のみでしたがシマエナガやヤマセミも見られました。北海道はさまざまツアー企画していますが、どこに行っても魅力的な野鳥が楽しめます。ぜひ季節や場所を変えてまたお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史