【ツアー報告】利根川周辺の冬の猛禽類(再追加設定)2023年12月5日

(写真:ハイイロチュウヒ 撮影:佐藤幹夫様)

冬になるとさまざまな猛禽類が身近な環境で見られるようになってくることから、冬の定番日帰りバスツアーとして長らく催行させていただいているのがこのツアーです。千葉県から茨城県の利根川周辺、さらには霞ヶ浦南部をめぐるとさまざまな猛禽類が見られるだけでなく、人気があるタゲリや越冬しているシギチドリ類、毎年越冬しているヒシクイなどが見られます。そしてこのツアーのメインは、夕暮れ時に次々にやってきては塒に入っていくチュウヒたちを見ることで、年によっては複数のハイイロチュウヒも見られ、塒にやってくる小鳥類を狙って、コチョウゲンボウも見られます。ここ数日はぐっと冷え込んではきていたもののずっと晴天が続いていました。ただこの日は事前の天気予報では久しぶりに雨マークがついたため心配していましたが、前日の天気予報では雨は夜になってからとのことで一安心して出発できることになりました。

5日、この日の東京都内は朝からどんよりとした空模様で12月らしい肌寒さがありました。この日はやや遅れて東京駅前を出発してひとまず高速道路を走って千葉県方面に向かいました。移動中のバス車内では前回の状況を踏まえたうえで、この日に見られる可能性が高い種の解説や、今回の主役である猛禽類の探し方や識別のポイント、さらには主にチュウヒとハイイロチュウヒ、チョウゲンボウとコチョウゲンボウの違いについての解説をしながら進み、途中のサービスエリアでの休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着しました。到着後は各自観察機材準備をしていただいてから再びバスに乗って探鳥をスタートしました。まずは利根川が一望できる河川敷から探鳥することにしましたが、この日は残念ながらチュウヒの乱舞はなく、数個体が飛び回る程度でした。ただ電柱にはノスリが止まっていて、ミサゴの飛翔も見られました。その後はさらに利根川上流方向にバスでむと、この日も畑地にオオハクチョウとコハクチョウの群れがいたことからバスを降りて観察しました。この日は道路からはやや離れた畑地に降りていて、コハクチョウの個体数が増えたような印象でかなり数が多く感じました。また反対側のグランドにはかなりの数のタゲリが降りていました。かなり時間が押してしまったことから、この後は霞ヶ浦周辺まで移動して一旦、昼食の時間とし、その後は夕方のチュウヒの塒入り観察の時間まで周辺の猛禽類ポイントをめぐってみました。ただこの日はなかなか猛禽類の姿がないまま、各ポイントをめぐっていましたが、移動中に畑地に降りて小鳥を食べているコチョウゲンボウに出会うことができ、食べることに夢中だったため、バスを降りて観察することができました。その後は別の畑地でタゲリがたまたま1羽でいたことからバス車内から観察していると、付近にかなり大きなムクドリの群れがやってきました。よく見てみるとその中にホシムクドリが混じってはいましたが、草丈が高い畑地にいたことからじっくり観察することはできませんでした。そしてその後は塒入り探鳥をするためにポイントに向かいましたが、途中にあるハス田に群れるハマシギがいたことからバスを降りて観察してみました。付近にはタシギもいたのですが残念ながら飛び去ってしまい、残っていた7羽のハマシギを観察しました。よく見てみると2羽のタカブシギの姿もあり、比較しながら観察することもできました。また付近では20羽ほどのムクドリの小群がいたことから見てみると、その中に1羽のホシムクドリが混じっていました。通常であれば数百羽程度の群れがいないと混じっていない印象がありましたが、今年は渡来数が多いのか幸運な出会いとなりました。そしてこの日はかなりどんよりとした曇り空で周囲が早くも薄暗くなってきてしまっていたことから15:30には塒入り探鳥を始めました。この日の夕方は空模様のせいか、かなり薄暗くまたまた無風というコンディション。チュウヒは次々に飛んできては枯れ木に止まってくれ、さまざまな色合いの個体を観察することができました。ハイイロチュウヒはメスが比較的早い時間にやってきましたが一旦、どこかへ去ってしまいました。ただ再び戻ってきてからはかなり長時間に渡って飛翔してくれたことから翼下面の鮮やかな模様をしっかり見ることができ、時を同じくしてやってきたコチョウゲンボウのメスが飛び回る姿も見る事ができました。

この日は終日ほぼどんよりとした空模様で風はなかったものの肌寒い1日でした。結果的にはこの日もハイイロチュウヒのオスを見ることはできませんでしたが、夕方には間近を飛翔するハイイロチュウヒのメスをじっくりと観察することができ、地上で鳥を食べているコチョウゲンボウのメスやミサゴ、チュウヒ、オオタカ、ノスリ、チョウゲンボウなど猛禽類を数多く見ることができました。また人気のタゲリやホシムクドリ、そしてオオハクチョウ、コハクチョウ、セイタカシギ、タシギ、タカブシギ、ハマシギにも出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

オオハクチョウ 撮影:吉田むつみ様

 

コチョウゲンボウ 撮影:岩尾信治様

 

ホシムクドリ 撮影:佐藤幹夫様

 

ハマシギ 撮影:吉田むつみ様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:岩尾信治様

 

チュウヒ 撮影:佐藤幹夫様

 

タゲリ 撮影:吉田むつみ様

 

ホオジロ 撮影:岩尾信治様

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