【ツアー報告】利根川周辺の冬の猛禽類(追加設定)2023年12月4日

(写真:チュウヒ 撮影:箕輪篤子様)

冬になるとさまざまな猛禽類が身近な環境で見られるようになってくることから、冬の定番日帰りバスツアーとして長らく催行させていただいているのがこのツアーです。千葉県から茨城県の利根川周辺、さらには霞ヶ浦南部をめぐるとさまざまな猛禽類が見られるだけでなく、人気があるタゲリや越冬しているシギチドリ類、毎年越冬しているヒシクイなどが見られます。そしてこのツアーのメインは、夕暮れ時に次々にやってきては塒に入っていくチュウヒたちを見ることで、年によっては複数のハイイロチュウヒも見られ、塒にやってくる小鳥類を狙って、コチョウゲンボウも見られます。ここ数日はぐっと冷え込んではきていたものの、ずっと晴天が続いていて、この日も前回同様に天気予報は概ね晴れ予報の中で出発することができました。

4日、この日も早朝からほぼ快晴の東京駅前にご集合いただき、予定通り08:30に出発してひとまず高速道路を走って千葉県方面に向かいました。移動中のバス車内では前回の状況を踏まえたうえで、この日に見られる可能性が高い種の解説や、今回の主役である猛禽類の探し方や識別のポイント、さらには主にチュウヒとハイイロチュウヒ、チョウゲンボウとコチョウゲンボウの違いについての解説をしながら進み、途中のサービスエリアでの休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着しました。到着後は各自観察機材準備をしていただいてから再びバスに乗って探鳥をスタートしました。まずは利根川が一望できる河川敷から探鳥することにしましたが、堤防に上がるといきなりヨシ原をハイイロチュウヒのメスが飛んでいて、飛翔能力の高さをみせつけるかのように巧みな飛翔で楽しませてくれました。またチュウヒも複数個体が飛び回り、目の前を通過したり、頭上を旋回飛翔したりとかなり楽しませてくれました。そして遠くの枯れ木にはノスリが止まり、ミサゴとチュウヒが空中で争うシーンも見られました。観察後はバスにてさらに利根川上流方向に進むと、この日も畑地にオオハクチョウとコハクチョウの群れがいたことからバスを降りて観察しました。観察していると突然、オオハクチョウが求愛行動のような鳴き交わしをはじめ、最後は激しく争う様子を見ることもできました。時間もお昼を過ぎたことから霞ヶ浦周辺まで移動して一旦、昼食の時間とし、その後は夕方のチュウヒの塒入り観察の時間まで周辺の猛禽類ポイントをめぐってみました。最初に行った干拓地ではこの周辺ではほとんど見かけないミヤマガラスの群れに出会うことができ、電線に止まっていた個体を見ることができ、次に行った場所ではたまたま電線にムクドリが群れていたことから見てみると、その中に数羽のホシムクドリが混じっていたことからバスを降りてじっくるい観察することができました。その後はタゲリを探しながら畑地を走り、途中、コチドリの小群を観察してから、また別の畑地に行ってみました。するとここではタゲリの姿が点々とあり、たまたまトラクターが畑を耕していたため、そこに100羽はいようかというタゲリの群れがいたことからバス車内から観察することができ、一緒にいたムクドリの群れの中にホシムクドリの姿もありました。その後はチュウヒの塒入り観察に向かいましたが、少々時間があったことからまた別の畑地に行ってみると、ここでは畦道の上でじっとしているコチョウゲンボウのメスに出会うことができました。そしてこの日の夕方もたまたま無風だったことから飛んできては木々に止まるチュウヒが見られ、塒付近にやってきたタヒバリの群れを狙ってコチョウゲンボウのメスが飛び回る姿も見る事ができ、高速で飛び回る巧みな飛翔も見せてくれました。ハイイロチュウヒはこの日はメスがかなり薄暗くなってから飛翔したのみで、この時間はじっくり見ることはできませんでした。ただこの日も結果的には20個体以上のさまざまな色合いのチュウヒを見ることができました。

この日も夕方の時間帯にはかなり冷え込んできましたが、基本的には晴天で無風とかなり穏やかな1日となりました。結果的にはこの日もハイイロチュウヒのオスを見ることはできませんでしたが、幸にも日中の時間帯に飛び回るハイイロチュウヒのメスを見ることができ、地上にいるコチョウゲンボウのメス、そしてミサゴ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ノスリと猛禽類を数多く見ることができました。また人気のタゲリはかなり大きな群れに出会うことができ、ホシムクドリは2カ所で見ることができ、オオハクチョウ、コハクチョウ、そして珍しくミヤマガラスにも出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ホシムクドリ 撮影:平賀甫様

 

コチョウゲンボウ 撮影:竹村章様

 

タゲリ 撮影:箕輪篤子様

 

オオハクチョウ 撮影:平賀甫様

 

ホシムクドリ 撮影:竹村章様

 

ハイイロチュウヒ 撮影:箕輪篤子様

 

タゲリ 撮影:平賀甫様

 

タゲリ 撮影:竹村章様

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