【ツアー報告】渡良瀬遊水池と城沼・多々良沼(追加設定)2023年12月3日

(写真:メジロガモ 撮影:竹村章様)
今回は毎冬恒例となっている渡良瀬遊水地を中心に、周辺の湖沼をめぐる日帰りバスツアーです。ここ数年は狙いの種を絞って探鳥する「会いたいシリーズ」が増えましたが、このツアーのように特に狙いの種を決めていない場合は、各探鳥地をまんべんなくめぐるため観察種が多く、いろいろな野鳥が見たいと考えている初心者の方には特におすすめです。またこのツアーは東京から比較的近い場所に探鳥地あること、また探鳥地間がわずかな距離であることから集合時間を08:30とやや遅めにしても十分いお楽しみいただけます。多々良沼、城沼はハクチョウ類の越冬地として知られカモ類が多いこともあってそれらを狙う猛禽類が多く、渡良瀬遊水地ではチュウヒの塒入り風景が見られるほか、冬の小鳥類もさまざま見られます。ただ、冬の渡良瀬遊水地周辺は大変に風が強い探鳥地としても知られていて、特に夕方は寒さが厳しくなる傾向があります。ただこの日は前回同様に12月としては穏やかな予報で、最高気温は11℃、天気は概ね晴れで風も弱いことから比較的暖かな1日になるとの予報でした。

3日、早朝からほぼ快晴の東京駅前に予定通りご集合いたいたことから、ひとまず出発して東北自動車道を走りました。バス車内では前回の状況を踏まえて、この日に期待できる種の解説を行いながら進み、途中、サービスエリアでの休憩を含めても2時間ほどで最初の探鳥地に到着することができ、まずは観察機材の準備を行っていただきました。駐車場から湖畔に向かうと間近な距離にカワセミがじっと止まっていて警戒心のなさに驚かされました。さらに歩くとカモ類やオオバンが騒いでいることから見てみると、オオタカの成鳥が湖畔に降りていてどうやら狩りには失敗したようでした。湖畔まで行くと遠くに数羽のコハクチョウの姿があり、川沿いにはシロチドリとヒバリ、そしてカモ類は相変わらず少なくカルガモ、ヒドリガモ、コガモが見られた程度で、一方でカンムリカイツブリはかなりの数が見られました。オオハクチョウがいなかったことから隣の池を覗くと、ちょうどオオハクチョウが飛んで行く場面が見られ、周辺のヨシ原ではベニマシコ、オオジュリンが見られました。次の探鳥地ではハスに隠れるように浮いているミコアイサのオスが見られ、その後はお昼を過ぎたことから、公園で昼食の時間としました。その後は周辺の畑地をめぐってミヤマガラスを探してみました。期待薄な感じでしたがこの日は20羽ほどの小群に出会うことができ、幸い電線に止まっていた数羽を見ることができ、その後は渡良瀬遊水地に移動しました。この日もまずは行けに向かい、ヨシガモの群れやホシハジロ、そしてこの日もそれらに混じるメジロガモのオスが見られました。またカイツブリやミコアイサのメスも見られやや風があったせいかノスリがホバリングを繰り返していました。しばらく見ているとハイイロチュウヒのメスが珍しく旋回するように飛び、チュウヒの姿もありました。その後は谷中湖まで移動し、この日も湖面が一望できる場所から観察してみました。残念ながらこの日はカモ類がさらに少なくトモエガモは見られませんでした。ただ相変わらずカンムリカイツブリが間近にやってきてくれ、ミコアイサやチュウヒが見られ、最後は飛んできたシメが間近に止まってくれました。そしてこの日は少々時間が残ったことからさきほど行った池の付近で再度探鳥を行い、ここでは枯れ木に止まるノスリが見られ、その後はこの日もチュウヒの塒入りを観察しました。この日は前回にもまして風がなく、冷え込んではきたものの渡良瀬遊水地としてはかなり穏やかな夕暮れでした。チュウヒは数羽がゆらゆらと飛びながら現れ、中には枯れたヨシに止まる個体もいて、かなり薄暗くなってからはハイイロチュウヒのメスも見られ、夕景に映える筑波山や富士山を見ながらこの日の探鳥を終えました。

12月恒例となっている渡良瀬遊水地周辺をめぐる日帰りバスツアー。強風が吹き荒れることが多く、寒い探鳥地として知られていますが、この日は夕方は冷え込んではきたものの、前回同様に快晴無風の1日で幸いでした。カモ類が少ない印象ながら今年もメジロガモとの出会いがあり、水辺ではオオハクチョウ、コハクチョウ、ヨシガモ、ミコアイサ、ホシハジロ、オナガガモ、カンムリカイツブリなどが見られ、ミサゴ、チュウヒ、ハイイロチュウヒ、ノスリ、オオタカなどの猛禽類も見られました。またミヤマガラス、ベニマシコ、シメなどの冬鳥も楽しめた1日でした。結局この日は1日で計53種の野鳥たちに出会うことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

カワセミ 撮影:小林浩様

 

ミヤマガラス 撮影:坂東俊輝様

 

チュウヒ 撮影:竹村章様

 

メジロガモ 撮影:小林浩様

 

ノスリ 撮影:坂東俊輝様

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