【ツアー報告】トウゾクカモメのピーク!晩秋の大洗~苫小牧航路 2023年11月24日~26日

(写真:コクガン 撮影:藤塚譲二様)

長らく企画してきたこの大洗~苫小牧航路ツアーの中でも最も長い期間に渡って催行されているのがこの11月の大洗~苫小牧航路ツアーで、早いものですでに15年を超えており、私が企画してきた定期航路での海鳥観察ツアーの原点ともいえるツアーです。 金曜日夜集合、日曜日の夜解散ということで週末の時間を効率よく使える点、また「さんふらわあ深夜便」に乗船することで、明るい時間をほぼすべて海鳥観察に利用可能なことが特徴です。そして我々のツアーではトラベルイヤホンを使用して観察することから、出現した海鳥の種名や特徴、位置、向き、距離感などをデッキにいる全員で瞬時に情報共有することができるため、必ずしもガイドの近くにいる必要がなく、海鳥観察初心者の方や最近ちょっと耳に自信がなくなってきたといった方でも安心して探鳥可能です。この時期は多くのミツユビカモメが南下してくることから、それを追ってやってくるトウゾクカモメが一年で最も多く見られる時期で、ほかにもアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、海況悪化の場合にはハイイロウミツバメにも期待できます。 過去にはこのツアーで初雪に出会うといったケースもありましたが、今回はたまたま最強寒気がやってくるタイミングに当たってしまい、海況がかなり悪いこと、さらには11月としてはかなり寒い航路探鳥が予想される中での出発となってしまいました。

24日、ここ数日はこの時期としてはずっと暖かい日が続いていましたが、どういうわけかこの週末だけは最強寒気がやってくるとのことで、この日も夕方からはかなり冷え込んできていました。この日は予定よりも少々早めにご集合が完了したことから大洗フェリーターミナルにて乗船券、ツアーの資料の配布、そして観察に使用するトラベルイヤホインのテストを行い、その後は翌日の連絡をお伝えしてからご乗船いただきました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回はたまたま最強寒気がやってくるタイミングでの出発となってしまい、特に土曜日は海況悪化、強風、吹雪、そして海水がしぶきとなってデッキに飛んでくるという最悪のコンディションでの探鳥となってしまいました。ただこういった経験ができるのも航路探鳥だからこそです。この時期の大洗~苫小牧航路は南下してくるミツユビカモメを追ってやってくるトウゾクカモメが数多く見られる貴重な時期なのですが、今回はそもそもミツユビカモメの数が少なく、それに伴ってかトウゾクカモメの個体数も少なく残念でした。ただウミネコに襲い掛かるシーンを見ることができ、ほかにもアホウドリのダイナミックな飛翔が見られ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、ハジロミズナギドリ、フルマカモメ、シロエリオオハム、ウミスズメ、ウトウ、そして荒波の中を飛翔するコクガンの群れや、オオハクチョウの飛翔は印象的でした。今後もトラベルイヤホンを使用し、瞬間的であることが多い海鳥との出会いのチャンスを逃さないよう、全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥可能な海鳥観察ツアーを提供いたします。また違った季節に違った航路にご乗船いただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

コアホウドリ 撮影:島田真司様

 

オオハクチョウ 撮影:IH様

 

トウゾクカモメ 撮影:藤塚譲二様

 

ミツユビカモメ(左)とウミネコ 撮影:島田真司様

 

漁船に群れるウミネコ 撮影:IH様

 

フルマカモメ 撮影:藤塚譲二様

 

 

トウゾクカモメ 撮影:藤塚譲二様

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