【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング(再追加設定)2023年11月21日
(写真:アオシギ 撮影:緑川裕子様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間をやや早めに設定しています。すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は高気圧が日本列島に覆いかぶさるような形になたことから天気予報はズバリ晴れ一色。風も弱く探鳥日和になることが予想されました。
21日、早朝から都内は澄み切った青空で今日に関しては天気の不安はなさそうで、ほぼ予定通りご集合いただいたことからひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日も行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由していろは坂を登りました。その後、左手に中禅寺湖が見えると、まだわずかに残る紅葉と鏡のような湖面、そして見事な青空が美しいコントラストを描いていました。さらにこの日は道路状況が良かったこともあって、予定よりも30分ほど早く到着したことから、まずはここ数日、ベニヒワが見られている場所で観察機材準備を行うことにしました。準備をしながら見てみましたが残念ながらベニヒワの気配がなかったことから移動することにしました。ここでもベニヒワの気配はなかったものの、ツルウメモドキの実にツグミの姿があり、周辺の雑木林ではヒガラ、コガラ、ゴジュウカラ、キバシリ、アカゲラが見られました。その後はいよいよアオシギ探しに向かいました。駐車場ではマツ種子にやってきているヤマガラ、ヒガラが見られ、木道を歩くとじこの日も愛想が良いカワガラスが間近に現れ、倒木にはミソサザイが止まって尾を上げてポーズをとっていました。さらに進むとここでも潜水して餌を探すカワガラスが見られましたが残念ながらアオシギの姿はなく、ルートを変えてみることにしました。途中、なぜかこの日はヒガラが多く、手が届くような距離感で多くの個体が見られ、同時にコガラ、ヒガラ、エナガの姿もありました。木道を歩くとこの日は幸いにもアオシギの姿があり、一旦、飛び立ってしまったものの再度発見することができ、その後は体を上下に動かす独特の採食行動も見ることができました。探鳥後はやや遅めの昼食の時間となりましたが、せっかくなのでベニヒワが見られている場所で昼食にすることにしました。ただ到着と同時にベニヒワの姿があったことから昼食を取りつつ、ベニヒワの観察をしました。群れは15羽ほどでカラマツの松ぼっくりをつついていました。またよく見ると胸に赤みがあるオス個体も見ることができ、たっぷりと観察した後は湯ノ湖畔に向かいました。ここではカラマツに群れるマヒワ、さらにはアトリの群れに出会うことができ、湖面にはマガモ、キンクロハジロ、ホシハジロ、オオバンの姿があり、駐車場に戻るとサルがキハダの実を食べていました。そして最後は戦場ヶ原に向かいました。ここでもカラマツに群れるマヒワの姿があり、よく見るとその中に1羽のベニヒワの姿がありました。そして最後はカラマツに止まるアカゲラを見てこの日の探鳥を終えました。
毎年、この時期恒例になっている奥日光ハイキング。今期はなかなかアオシギに出会うことができませんでしたが3回目にしてようやくその姿を見ることができました。個体数の少なさが気になりますが、なんとか出会えて幸いでした。また、カワガラス、ゴジュウカラ、キバシリ、コガラ、ヒガラ、エナガ、ミソサザイ、アカゲラといった常連の鳥たち、さらにはマヒワ、アトリ、ツグミといった冬鳥たち、そして今回もベニヒワの小群を存分に楽しむことができました。奥日光はまた季節を変えてツアー企画予定ですのでまたぜひお出かけ下さい。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史