【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2023年11月16日
(写真:ベニヒワ 撮影:坂東俊輝様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間をやや早めに設定しています。すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日の天気予報はズバリ晴れとのことで穏やかな1日になるとのことでした。
16日、この日は早朝から穏やかな快晴になった東京駅前に予定通りご集合いただき、ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日も行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、澄み切った青空を見ながらまだまだわずかに残る紅葉を見ながらいろは坂を登りました。その後、左手に中禅寺湖が見えると湖面は鏡のようで全く風がないことがわかりました。その後はさらに進み見事な景色の戦場ヶ原を過ぎ最初のポイントにいよいよ到着。到着後は各自観察機材準備をしていただいてから歩き始めました。ここからはアオシギがいそうな場所、過去に見たことがある場所を丹念に探していきます。小川のせせらぎではミソサザイが忙しく動き回っていて、コガラが水を飲みにやってきていました。その後、木道を歩くとここでも苔むした倒木に止まるミソサザイが見られ、とある場所では小鳥の声が賑やかになり、まずは間近にゴジュウカラがやってきてくれ、川にはカワガラスの姿もありました。またキバシリが倒木に何度もやってきてくれ、アオゲラの姿もありました。そして最後はかなりの数のエナガの群れがやってきて枝先にぶら下がるようにして餌を探していました。戻る途中でも再びキバシリの姿があり、針葉樹の林ではヒガラも見られました。ただ残念ながらアオシギの姿はなく、一旦、昼食の時間としました。昼食後は戦場ヶ原に向かいましたが、ここ数日、ベニヒワが見られているとのことで立ち寄ってみましたが、気配がないため移動しました。戦場ヶ原ではここでも川沿いを歩きながらアオシギを探してみました。ここではカワガラスの姿が目立ち、流木に止まって羽繕いする姿が見られたほか、繁殖行動なのか早くもさえずりが聞こえ、追いかけっこをする姿も見られ、戻る途中では水を飲みにきているコガラ、そしてカラマツに止まるマヒワが見られました。ただ、ここでもアオシギが見られなかったことから再び最初の場所で探してみることにし、途中、再度、ベニヒワを探してみました。すると今度はカラマツの樹間を飛び回る15羽ほどのベニヒワの小群に出会うことができ、ここでしばらくベニヒワを観察しました。群れを見てみると胸まで赤いオスは1個体のようでしたが、たまたま高い場所に止まってくれたことから見ることができました。観察後は再びアオシギを探して川沿いを探してみましたが、この日は結果的にはアオシギに出会うことはできず、周囲が薄暗くなってきた16:30に探鳥を終了し現地を出発しました。
毎年、この時期恒例になっている奥日光ハイキングですが、今回は残念ながら主な目的だったアオシギに出会うことはできませんでした。ただ川沿いではカワガラスを間近に何回も見ることができ、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、ヒガラ、エナガ、ミソサザイ、アオゲラ、マヒワといった小鳥たちがかなり楽しませてくれ、この時期の奥日光の野鳥たちを満喫することができました。またこの冬は冬鳥が数多く渡来しているとのことで、今回は幸いにもベニヒワの小群を存分に楽しむことができました。私も久しぶりに堪能することができ印象に残る出会いとなりました。奥日光はまた季節を変えてツアー企画予定ですのでまたぜひお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史