【ツアー報告】富士山五合目で高山鳥に会いたい!(再追加設定)2023年8月29日

(写真:ルリビタキ 撮影:坂東俊輝様)

今年は5月から暑い日が続き、その後もほぼ毎日厳しい暑さが続いています。さすがにこうなると国内ではバードウォッチングは熱中症の危険もありなかなか行く場所が見つからないものです。当然のことながらツアーも一休みといった状況にはなるのですが、それでも僅かに野鳥たちが楽しめるのが高山帯です。今回は標高約2500ⅿにある富士山五合目で涼みながら、これといって歩くことなくじっくり高山の野鳥たちを観察したり撮影したしてみようというコンセプトのツアーです。水場に小鳥たちが集まるにはここ数日の現地の天気が重要なのですが、最近は基本的には晴天が続いているようで、この日も天気予報は概ね晴れとのことでした。

29日、相変わらず猛暑が続いている東京ですが、この日も朝から晴天でさらに暑さが厳しいように感じられ、早朝だというのに集合場所に立っているだけでも汗が流れてくるほどでした。ご集合がほぼ時間内に完了したことから予定通り08:30に出発して富士山五合目に向かいました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説を行いながら進み、途中休憩を挟んでも2時間半ほどで現地に到着しました。スバルライン入口付近からは曇り空に変わってしまいましたが、登っていくにつれて青空が広がってきて、到着した富士山五合目ではかずかに山頂を見ることもできました。探鳥地に向かう途中ではメボソムシクイがさえずり、針葉樹の枝先にはキクイタダキの姿もありました。到着後に観察準備をしていると、早くもルリビタキの姿があり、11:10にはヒガラがひょっこり現れて水浴びをしていました。その後、何度かヒガラが現れ、11:40にはこの時期限定のルリビタキ幼鳥が見られました。一見、メスのように見えますが、上面に黒い模様があって独特の姿でした。そして12:10にはこの水場の主役であるウソがつがいでやってきて仲良く水浴びをしていました。その後、12:15、12:17にも同じつがいと思われるウソが姿をみせてくれ、同時に部分的に青い羽毛がある、過去には見たことがないタイプのルリビタキのオスもやってきてしばらく姿を見せてくれました。13:10にはまずウソのオスがやってきたかと思うとヒガラもやってきて、さらにはウソのメスもやってきて水場がにぎやかになっていました。そして13:20にはウソのつがいが再びやってきたかと思うと、そこにウソのメスも加わって、同時に3個体のウソを観察することができました。その後はしばらくウソの姿が連続して見られ、13:35には今度はウソのオスが同時に2個体見られました。13:40頃からは周辺の針葉樹からヒガラの声が聞こえるようになり、いきなり水場には来ず、しばらく木々を渡り歩いてから水場にやってくるといった行動が見られ、13:55、14:15、14:50にも同様の行動が見られました。そして15:10には久ぶりにルリビタキの幼鳥がやってきて水浴びをしていました。そして15:15にも再びルリビタキの幼鳥を観察して、16:00から各自パッキングをしていただいてからバスに戻って出発しました。帰りはスバルラインから見事な雲海を見ることもできました。

今回も下界の酷暑から逃れ、好天の中、非常に涼しい場所で一日を過ごすことができ幸いでした。水場にやってきた鳥はそれほど多くはありませんでしたが、ウソのつがいやヒガラ、そしてルリビタキは幼鳥、さらには特徴的な亜成鳥のオス個体が見られました。富士山は狭い範囲の中にさまざまな環境があることから毎年6月にも3つの環境をめぐるツアー企画していますのでまた季節を変えて富士山にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ヒガラ 撮影:須崎明男様

 

ホシガラス 撮影:東海林治様

 

ウソ 撮影:坂東俊輝様

 

ルリビタキ 撮影:須崎明男様

 

ホシガラス 撮影:東海林治様

 

ウソ 撮影:坂東俊輝様

 

ウソのつがい 撮影:須崎明男様

 

ルリビタキ 撮影:東海林治様

関連記事

ページ上部へ戻る