【ツアー報告】富士山五合目で高山鳥に会いたい!(追加設定)2023年8月24日

(写真:ウソ 撮影:山口勝業様)

今年は5月から暑い日が続き、その後もほぼ毎日厳しい暑さが続いています。さすがにこうなると国内ではバードウォッチングは熱中症の危険もありなかなか行く場所が見つからないものです。当然のことながらツアーも一休みといった状況にはなるのですが、それでも僅かに野鳥たちが楽しめるのが高山帯です。今回は標高約2500ⅿにある富士山五合目で涼みながら、これといって歩くことなくじっくり高山の野鳥たちを観察したり撮影したしてみようというコンセプトのツアーです。水場に小鳥たちが集まるにはここ数日の現地の天気が重要なのですが、最近は基本的には晴天のようでしたが、ゲリラ豪雨に代表されるような急激な天候の悪化が時折あるようで、前日にも少々雨が降ったようでした。

24日、連日、猛暑が続く東京はこの日も早朝からやや雲が出ていたもののほぼ快晴でした。ご集合もほぼ時間内に完了したことから予定通り08:30に出発して富士山五合目に向かいました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説を行いながら進み、やや渋滞があったことから途中休憩を挟んで3時間弱で現地に到着しました。スバルライン入口付近からは曇り空に変わり、途中、一合目二合目では一時的に激しい雨、その後は霧も出ていましたが五合目が近づくと空は青空に変わってはきたものの、到着時には再び小雨、そして直前に雨が降ったようで道はかなり濡れていました。11:30には現地にて準備にとりかかりましたが、とにかくこの日は天気の変化がめまぐるしく、からっとした晴れ間が出たかと思うとどんよりと曇り、霧から雨といった具合でした。ただ気温は15℃ほどで下界とは20℃近い差があって涼しいというか、風が吹くと肌寒いといった感じでした。雨上がりのせいか残念ながら水場は閑散としていました。ただ12:35にはようやくウソのオスがやってきてしばらく水浴びをしてくれ、一旦、飛び去ってはしまいましたが再びやってきてその姿を楽しませてくれました。ただその後は小雨が降り出し、13:00頃にはかなり激しい雨になってしまったものの、10分ほどで雨は上がって一気に晴れてきたかと思うと、13:40には真っ青なルリビタキのオスがやってきてしばらくの間、その姿を楽しませてくれました。14:15には再びウソのオスがやってきて水浴びをしてくれ、14:30頃からはさらに晴れ間が増えてきました。そして14:55には他ではなかなか見る機会がないルリビタキの幼鳥がやってきて周期の木々に止まったり、岩に止まったりして比較的ゆっくりとその独特の模様を見せてくれました。そしてこの日も最後は15:20にルリビタキのメスがやってきて水浴びをしてくれました。その後は周囲の針葉樹林からメボソムシクイのさえずりが連続して聞こえてはいましたが、残念ながらその姿を見る機会はなく16:00過ぎに観察を終了し、各自パッキングをしていただいてからバスに戻って出発しました。帰りもスバルラインは進むにつれて天気がコロコロ変わる状況でした。

今回は下界の酷暑から逃れ、涼しいというより肌寒いといった環境の中で1日を過ごすことができ幸いでした。ただ天気のタイミングが悪く、本来であれば周辺には水場がない状況になるはずが、雨が降ってしまったため鳥たちにとってはそれほど水が必要なかったようで残念ながら思ったような成果がありませんでした。ただそれでもウソのオスやルリビタキのオス、そしてメスや幼鳥などをしっかりと見ることができました。富士山は狭い範囲の中にさまざまな環境があることから毎年6月にも3つの環境をめぐるツアー企画していますのでまた季節を変えて富士山にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ルリビタキ 撮影:春日清子様

 

ルリビタキ 撮影:山口勝業様

 

ルリビタキ 撮影:春日清子様

 

ウソ 撮影:春日清子様

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