【ツアー報告】8月の東京~小笠原父島航路と南島クルーズ 2023年8月18日~20日

(写真:シロガシラカツオドリ 撮影:佐久間昭宏様)

今年は早くも5月から暑い日が続き、この時期になると外出も危険なレベルになってしまいました。こうなるとバードウォッチングに出かけるにもどこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、ちょうどこの時期に3日間で往復できる着発航路が設定されます。6日間だとなかなか足が向かない小笠原ですが、3日間という日程であればお忙しい方にもご参加いただけるだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほどしか滞在できませんが、これといって目立った種がいるわけではないことから南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察する短時間のチャータークルーズを企画しています。今回は直前に発生した台風7号がほぼ父島を直撃するというニュースが連日放送されていて心配になっていましたが、その後、台風は西日本を縦断して熱帯低気圧に変わり、我々が出発する日には小笠原近海は穏やかになっていました。

18日、とにかく毎日毎日「暑い」という言葉しか出てこないほど、連日の猛暑、そして次々に台風が発生する中、出発当日を迎えることになりました。ただ幸いなことに台風は去り、海況が穏やかになる中でこの日を迎えることができました。私は集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00にはご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの識別ポイントや重要な海域について解説をしてから乗船しました。コロナ感染拡大が終息に向かったことから、ここまでご参加の皆様にお願いしていたPCR検査もなくなりよりご参加いただきやすくなりました。10:30に無事乗船後、定期船おがさわら丸は定刻の11:00に父島に向けて出港しました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は直前に発生した台風7号がたまたま小笠原を直撃するコースをとったことからニュースで流れて心配していましたが、ツアーの出発はちょうど台風が去った後のタイミングだったため、ほぼ海況が穏やかな中で3日間を過ごすことができました。ややシロハラミズナギドリの姿が少ない印象ではありましたが、まず覚えたいアナドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種を見ることができ、カツオドリに関しては航路上では豪快なダイビングを堪能することができ、南島では可愛らしい親子の姿を間近に見ることができました。ミズナギドリ類に関しては結果的には珍しい種に出会うことはできませんでしたが、この海域で見ることを全く想定していなかった亜種シロガシラカツオドリのオス個体を長時間に渡って間近に堪能するという奇跡的な出会いを体感することができ、私的にも大変記憶に残るツアーになりました。海鳥観察は経験を積むことが重要です。また季節を変えてぜひ小笠原にお出かけください。この度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

アカアシカツオドリ 撮影:遠藤英一様

 

クロアジサシ 撮影:佐久間昭宏様

 

マッコウクジラ 撮影:遠藤英一様

 

オナガミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

アカアシカツオドリ 撮影:遠藤英一様

 

アカアシカツオドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

シロハラミズナギドリ 撮影:遠藤英一様

 

アカアシカツオドリ 撮影:佐久間昭宏様

 

シロガシラカツオドリ 撮影:遠藤英一様

 

シロハラミズナギドリ 撮影:佐久間昭宏様

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