【ツアー報告】夏休みに行く!7月の東京~小笠原父島航路 2023年7月28日~30日

(写真:オオシロハラミズナギドリ 撮影:上野達雄様)

今年は早くも5月から暑い日が続き、この時期になると外出も危険なレベルになってしまいました。こうなるとバードウォッチングに出かけるにもどこに行って良いか悩んでしまうわけですが、比較的涼しい海上での探鳥はこの時期の逃げ道のようになっています。中でも小笠原父島へ向かう航路は通常であれば5泊6日の日程で運行しているものの、ちょうどこの時期に3日間で往復できる着発航路が設定されます。6日間だとなかなか足が向かない小笠原ですが、3日間という日程であればお忙しい方にもご参加いただけるだろうとのコンセプトで企画しているのがこのツアーです。この時期の小笠原航路は小笠原海鳥基本5種がほぼ間違いなく見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的な時期です。父島には4時間ほどしか滞在できませんが、これといって目立った種がいるわけではないことから、ご希望のお客様を募って南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子や岩礁に群れるクロアジサシを観察する短時間のチャータークルーズを企画しています。今回は直前に発生した台風5号の進路が心配でしたが小笠原からは逸れてくれ、ひとまず安心して出発することができました。

28日、ここ数日、異常な暑さの関東圏はこの日も早朝から厳しい暑さでした。この日は集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進め、おかげさまで集合時間の10:00には全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなったトラベルイヤホンの配布および使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの識別ポイントや重要な海域について解説をしてから乗船しました。

*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。

今回は直前に発生した台風5号の進路が小笠原からは逸れてくれ、ちょうど海況が穏やかになるタイミングで出発することができ、続けて発生した台風6号の影響もなく3日間ともに良い海況の中で探鳥することができました。まず覚えたいアナドリ、カツオドリ、オナガミズナギドリ、シロハラミズナギドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種をしっかり見ることができ、カツオドリに関しては29日午後に見られた15羽ほどの大乱舞とダイビングは見事な光景でした。またなかなか苦労したシロハラミズナギドリは結果的には最終日に良い条件に恵まれ、その特徴である翼下面の模様を見ることができました。そして今回はアカオネッタイチョウ、オガサワラミズナギドリが見られたほか、オオシロハラミズナギドリを3回観察する幸運があり、いずれもかなり良い距離感で観察できたことは印象的でした。またアカアシカツオドリはさまざまな色合いの個体を見ることができ3個体が同時に乱舞する様子は見応えがありました。また父島滞在中はアカガシラカラスバト、オガサワラノスリ、ハシナガウグイス、そして南島クルーズでは可愛らしいカツオドリの親子やクロアジサシを間近に見ることができたほか、繁殖行動中のオナガミズナギドリ、アナドリも見られました。海鳥観察は経験を積むことが重要です。また季節を変えてぜひ小笠原にお出かけください。この度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

アカアシカツオドリ 撮影:IH様

 

アカガシラカラスバト 撮影:上田恵様

 

シロハラミズナギドリ 撮影:上野達雄様

 

アカアシカツオドリ 撮影:IH様

 

オガサワラノスリ 撮影:上田恵様

 

オオシロハラミズナギドリ 撮影:上野達雄様

 

アナドリ 撮影:上田恵様

 

オナガミズナギドリ 撮影:上田恵様

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