【ツアー報告】フォトツアー八東ふる里の森でアカショウビンを撮る!2023年5月28日~29日

(写真:アカショウビン 撮影:IH様)

今回訪れる八東ふる里の森は深いブナ林のためアカショウビンやコノハズク、オオコノハズクといった魅力的な野鳥たちが生息しており、以前からツアー企画を考えてはいましたが、設備面での問題がありなかなか進まない状況にありました。ただ管理会社が変わったことから設備面で大きな変化があり、食事の提供も可能になったことから旅行会社目線で考えた時になんとかお客様をご案内できる状況になったと判断しました。ここまでコノハズクを狙ってのツアーは企画してきましたが、今回はさらに難しいアカショウビンを撮影するためのツアーを企画しました。そのため早い段階から情報収集していましたが、今期はアカショウビンがやや遅れて渡来したものの、さえずりが聞こえ、この時期限定の2羽並びも順調に見られているとのことで期待しての出発となりました。ただ季節外れの台風の影響もあってか残念ながら2日目の天気予報が一気に悪くなってしまいました。

28日、前日に姫路まできていましたが思った以上に蒸し暑く、少々持ち物を間違えたかなといった感じがしました。当日は曇りがちながらも空は明るく、ひとまず雨の心配はなさそうでした。集合時間30分前の10:40頃には姫路駅前の集合場所に向かい、ほぼ予定通りにご集合いただいたことから早速、八東ふる里の森に向けて出発しました。予定では途中にある道の駅で昼食の時間をとることになってはいましたが、翌日の天候が悪いとのことで、この日の昼食はバス移動中に済ませていただくことにして先を急ぐことにしました。この後は道の駅で休憩をとるころにはいつの間にか蒸し暑さはなくなり気温は19℃を差していました。ここから山道を20分ほど走るといよいよ目的の八東ふる里の森に到着。到着後は荷物を持って管理棟まで移動し、まずはここで部屋の鍵を預かるとともに現在のアカショウビンの状況をうかがいました。この日は日曜日ともあって早朝からかなりのバードウォッチャーが各地から訪れていたそうですが、なぜかアカショウビンのさえずりが少なかったとのことで皆さん、午前中で帰られたそうで、我々が到着した時にはほとんど人の姿はありませんでした。撮影機材準備の後は管理棟を背にして2本ある沢から探してみました。管理棟前では元気のいいオオルリがさえずり、ブナ林に入るとキビタキも歌っていました。アカショウビンは日中は沢沿いの木にじっと止まっていることが多いため、そういった場所にある木の枝を一本一本見ていくしか探し出す方法はありません。ただこの沢沿いではアカショウビンの姿はなく、その後、今度は別の沢を探してみました。これはという場所を何回か見てまわりましたがなかなか気配をなく残念でしたが、ちょうど15:30頃に再度行ってみると林の中を高速で飛び回るそれらしき影を見つけ、しばらく見ているとアカショウビンがブナの横枝に止まっていたため皆さんを呼んで観察を続けることにしました。薄暗い沢沿いで動き回るアカショウビンは沢で魚のようなものを捕って食べたりしていましたが、しばらくするといつの間にか2羽になっていて、仲良く横枝に止まっては交互に飛び立っては巣穴を掘る行動をとっていました。結局そのまま18:00まで撮影してこの日を終えました。

29日、昨日は夕食の時間あたりから雨が降り出してしまいましたが、それでもコノハズク、アオバズクの声が森の中に響いていました。そしてこの日は早朝に雨音で目が覚め、まだ04:30と真っ暗な時間から早くもアカショウビンのさえずりが聞こえていました。外に出て声を頼りにアカショウビンの動きをみてみましたが、さすがにまだ真っ暗でその姿を見ることはできませんでした。その後、06:00くらいにはアカショウビンのさえずりはかなり激しくなり、時にはつがいと思われる2羽がかなり近くにやってきて鳴き交わしていましたが、この時点でもまだ森は薄暗く、その姿を見るには至りませんでした。ただこの頃には雨の中だというのにオオルリ、キビタキに加えて、アオバト、ツツドリ、クロツグミのさえずりも加わってにぎやかになっていました。07:30からは管理棟で朝食をいただき、その後はまだまだ雨は降り続いてはいたものの光量もかなり増えたことから昨日、アカショウビンに出会った場所で待機してみることにしました。アカショウビンのさえずりは全くありませんでしたが、周囲ではキセキレイの姿があり、巣箱ではシジュウカラが営巣していました。また待っている間には間近にヤマガラがやってきたり、けたたましく鳴きながらカケスがやってきたりしていました。そして森の中を動く鳥が現れたことから見てみるとオシドリのつがいが木に止まっていました。主に樹洞や巣箱を利用して繁殖するオシドリはこの環境にいても決して不思議ではなく、おそらくどこかで繁殖しているようでした。その後は雨が時折激しくなってはきましたが11:00近くになってようやくアカショウビンがやってきました。この日も2羽で並んで木に止まり、交互に飛び立っては巣穴掘りと思われる行動をしていました。ただ残念ながら雨が激しくなってきたこと、また周囲がかなり薄暗くなってきてしまったことから撮影は思ったようには進まず、みなさんにはかなりがんばっていただいたものの、思ったような結果にはなりませんでした。

数年前からようやくツアー企画できることになった八東ふる里の森。過去、コノハズクやアオバズクといった野鳥を楽しむことができましたが、今回はアカショウビンに絞ってのフォトツアーでした。時期的には狙い通りになり、鳴き交わしを聞くことができたり、つがいでの2羽並びを見ることはできましたが天候が悪いなど、条件的にうまくタイミングが合わず、思ったような撮影ができず残念でした。ただそもそも一回のチャレンジで何もかもがうまくいくわけではありません。今後もまたチャレンジする予定ですので何度となく足を運んでいただければと思います。この度はご参加いただきましてありがとうございました。また現地でお世話になった皆様にも合わせて感謝申し上げます。

石田光史

アカショウビン 撮影:IH様

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