【ツアー報告】春の利尻島 最北の航路と渡りの鳥たち 2023年5月6日~9日

(写真:ヤマゲラ 撮影:鶴田美津子様)

本州に住んでいる我々にとってはもうこの時期は春の渡りはすでに終わっている印象がありますが、北海道北部の島々ではこの時期はちょうど春の渡りの最盛期を迎えています。このツアーでは時期を5月の初中旬に合わせることで渡り途中の小鳥類に期待できるようにしているほか、海上を渡る海鳥たち、そして利尻島内ではクマゲラやコマドリ、また道内では原生花園の小鳥やヤマゲラを探すなど、さまざまな楽しみを組み合わせています。北海道はさまざまな時期にツアーを企画し、いずれも大好評を得ていますが、この時期は厳冬期や花々が咲き乱れる初夏に負けない魅力があります。ただ、この時期の道北はまだまだ真冬のような気温になることも普通で、さらに利尻島に渡る船上は冷たい風が吹きつけます。今回は本州の天気予報がかなり悪い中、それから逃げるように晴天の北海道にやってくる形になり、このツアーとしてはかなり珍しく4日間ともに晴れマークが並ぶ予報の中、出発できることになりました。

6日、この日の東京都内は早朝から快晴ながら強風が吹き荒れ、羽田空港のターミナルから外を眺めると海上にはかなりの白波が立っていました。予定通り日はご集合が完了したため資料の配布、この日の連絡事項をお伝えしてから搭乗し稚内空港に向けて出発しました。到着した稚内空港は晴れてはいるものの外に出てみると風が冷たく、さすがは最北の空港だといった感じでした。

*諸般の事情により詳しい内容をウェブサイトでは公開しておりません。

今回の利尻島ツアーは本州の大雨から逃れるかのように出発し、結果的には4日間ともにほぼ晴天の中で探鳥をすることができ、日中に森を歩くとやや汗ばむような陽気となりました。過去には強風や雨、時には小雪が舞うこともありかなり寒かった記憶があるので意外でした。道北の原生花園はまだまだ冬景色でしたが、たまたまタイミング良くマガンの渡り風景を見ることができ、夏羽のアカエリカイツブリも印象的でした。利尻島内ではクマゲラに出会うことができたものの、その姿をじっくりと見ることはできず残念でした。ただいつも以上にコマドリを堪能することができ、渡り途中のカラアカハラ、タイワンハクセキレイ、シマアジ、さらにはシマエナガ、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、ミソサザイ、ベニマシコ、アオジ、オシドリ、ルリビタキ、ノゴマといった小鳥類も楽しむことができました。また往復の航路では群れの規模は小さかったものの夏羽のアカエリヒレアシシギ、渡り途中のハシボソミズナギドリ、さらには夏羽のケイマフリ、シロエリオオハム、ウトウ、そして夏羽のエトピリカの登場には驚かされました。また、道内の森ではヤマゲラ、ニュウナイスズメ、ベニマシコ、ノゴマ、オオジシギ、アカハラなどにも出会えました。北海道はいつどこに行っても見どころ満載です。今後もさまざまな季節にさまざまな場所でツアー企画していきますので、またぜひ北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

エトピリカ

 

アカエリカイツブリ 撮影:中澤均様

 

コマドリ 撮影:鶴田美津子様

 

ウトウ 撮影:中澤均様

 

ノゴマ 撮影:鶴田美津子様

 

マガン 撮影:中澤均様

 

ノビタキ 撮影:鶴田美津子様

 

コマドリ 撮影:中澤均様

 

アビ 撮影:鶴田美津子様

 

マミチャジナイ 撮影:中澤均様

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