【ツアー報告】フォトツアー春の小笠原 海鳥チャータークルーズと母島のメグロ 2023年4月8日~13日
(写真:メグロ 撮影:遠藤英一様)
2011年に世界遺産に指定された小笠原を舞台に、そこに生息する野鳥を含めたさまざまな生き物にスポットを当てた春恒例のツアー。東京~小笠原父島航路ではアホウドリやオーストンウミツバメ、小笠原父島ではクルーズ船をチャーターして海鳥はもちろん、この時期限定のザトウクジラの親子との遭遇率が極めて高く、ザトウクジラのさまざまなアクションや豪快なブリーチングが楽しめます。また母島まで足を延ばせば地球上でここでしか見ることができないメグロをはじめ、オガサワラノスリ、アカガシラカラスバトが生息しています。春の小笠原は海況が不安定なためややリスクはあるものの、夏のような混雑がないため心地よく過ごすことができ、気温も20℃前後と涼しいため汗だくになって徒歩探鳥をすることなく、また太陽光がきつくないため撮影向き。今回も出発日のおがさわら丸の乗船人数も377名とのことで夏季の半分程度でした。
8日、東京都内はやや蒸し暑さはあったものの早朝から晴れていました。今回は4月の2便目ということもあって集合場所の竹芝桟橋は混雑は全くなく09:30にご集合いただいた後はツアー資料、乗船券の配布、トラベルイヤホン使用方法の説明、また今回は日程が長いことから6日間の流れを説明してから乗船しました。この日の乗船人数は377名と少なく、結果的にはシャワールームやレストランの待ち時間も全くなく心地よく過ごすことができました。快晴の中、おがさわら丸は11:00に出港し、東京湾内を出るのに3時間ほどかかることからまずは昼食や船内見学に時間を使っていただき14:00頃から観察を開始しました。
*諸般の事情によりウエブサイトでは詳しい出現状況を公開しておりません。
さて、コロナウイルス感染拡大に伴い、なかなか訪れることが叶わなかった春の小笠原。夏季に比べると海況悪化のリスクが高く、ツアー企画には難しさがありますが、やはり春でなければ体験できないさまざまな魅力があることをあらためて感じることができた6日間でした。初日はいきなりの大荒れにさらされましたが、それ以降は海況も悪くはなく傘の出番もありませんでした。東京~父島間の航路では春だからこそのアホウドリが見られ、春の伊豆諸島航路の代表種であるオーストンウミツバメは過去に見たことがない大規模な群れが何度も見られました。父島でのチャータークルーズでは時期的にはやや遅いものの春だからこそのザトウクジラのさまざまなアクションが見られ、その大迫力に圧倒されました。またオナガミズナギドリを間近に撮影し、アホウドリの姿もありました。また南島では営巣中のオナガミズナギドリ、巣作り中のカツオドリを間近に撮影することができました。真夏であれば汗だくで歩き回らなくてはならない母島も春は涼しい風が吹く中、快適に撮影することができ、代表種のメグロをはじめ、オガサワラノスリ、ハシナガウグイス、そしてアカガシラカラスバトは今回は父島で撮影することができました。ほかにも春らしくアカガシラサギ、ムナグロ、キョウジョシギ、ホシムクドリといった渡り中の鳥にも出会えました。とにかく空いていて涼しく快適に過ごせ、見どころ多い春の小笠原。今後も定番ツアーとなるよう企画し続けたいと思いました。5泊6日の長旅でした、この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史