【ツアー報告】カンムリワシの島 石垣島と西表島 2023年3月31日~4月3日

(写真:カンムリワシ 撮影:福渡毅様)

3月31日、石垣空港を出発。石垣島では地元で鳥を見ている方からリアルタイムの最新情報を頂けるので感謝です。早速、カタグロトビのポイントへ行く。繁殖初期でペアでイチャイチャしているというがどこにもいないので待つことにした。日本で一番体の小さな亜種オサハシブトガラスや色の濃いリュウキュウキジバトが飛び回る。シロハラクイナが奇妙な声で鳴き、放されて増えてしまったコウライキジも鳴く。するとカタグロトビ1羽が飛んできてモクマオウにとまる。直ぐに飛去するが、再び、飛来して小さなモクマオウ林の周りを行き来する。この林に執着しているようで、数回、出入りを繰り返す。ちょっと距離はあるがみなさんでじっくりと観察、撮影する。夕方、ズグロミゾゴイ若鳥が採餌している姿を発見し、みなさんで観察する。全員が観察したので、少し近づくと林の中へ入ってしまった。ズグロミゾゴイは餌を食べだすと警戒心が殆ど無いのだが珍しく警戒心が強い。暫く待つが、出て来ないので諦めて移動する。次のポイントへ向かっているとお客様が「フーポー、フーポー」と叫ぶ。見ると、お弁当屋さんの駐車場で砂浴びをするヤツガシラがいるではないか。慌ててバスを安全なところに停めて降りると、のんびり砂浴びを続けている。思いがけない場所での出会いにヤツガシラをたっぷりと堪能する。別のズグロミゾゴイのポイントへも行ったが見当たらない。海岸へ行きムナグロ、メダイチドリ、キョウジョシギなどを観察、撮影してからホテルにチェックイン。いつの間にか、ムラサキサギ、スグロゾゴイ、カンムリワシ、カタグロトビを八重山4点セットと呼んでいるが、初日に距離はあったがカタグロトビとズグロミゾゴイをゲットしたのである。

4月1日、ホテルで朝食後周辺を歩く。シロガシラ、キセキレイ、亜種タイワンハクセキレイなどを見ていると、ガジュマルの実を食べているカラムクドリ、コムクドリ、ムクドリの群れを発見し、みなさんで観察、撮影する。シマアカモズの綺麗な雄を見てホテルへ戻り専用バスで出発。クロサギの白色型、シロチドリ、ダイサギ、コサギなどを見て移動すると電線にコムクドリ、カラムクドリ、ギンムクドリの群れがとまっていてみなさんでじっくりと観察、撮影する。その後は水田を歩く。ヘラサギやアオアシシギが採餌をしてて、アカガシラサギがとまっている。沖縄では珍しいケリがいるがみなさんの反応はイマイチである。すると婚姻色の綺麗なムラサキサギを発見。嘴の付け根や脚がピンク色で美しい。またソリハシセイタカシギが6羽も採餌をしている。6羽は石垣島では同時最多個体数だという。バスを広い場所に停めてソリハシセイタカシギの観察に行こうとすると、直ぐ近くの電柱にカンムリワシの幼鳥がとまっていて、どちらもたっぷりと堪能する。水田地帯を歩くと直ぐ真横からリュウキュウヨシゴイの雄が飛び立って草地に飛び込む。リュウキュウヨシゴイは何故かツアーになると出て来ない鳥なので私も驚いてしまった。タカグロトビが飛来して、昨日よりも近いモクマオウにとまったので観察、撮影する11:45に八重山そばの昼食。その後、再び水田を歩くとアカガシラサギとジャワアカガシラサギが次々に出てきて木にとまるのをみなさんでじっくりと観察、撮影する。再びズグロミゾゴイを探すと若鳥が芝地でミミズを食べている。さらに、その奥では成鳥も採餌をしているので、みなさんでたっぷりと堪能する。これで八重山4点セットコンプなのだ。さて、急いで離島桟橋へと向かう。のんびりと八重山を楽しむはずが、このツアーは忙しいのだ。午後のフェリーに乗る。この時期は北風が強くて波が高いので欠航することが多いのだが西表島に到着。送迎バスでホテルに到着。夕方、ホテルの周りを歩いたお客様が虹彩の黒いカンムリワシの写真を撮ってきた。この個体は8年前からホテルの周りの水田をなわばりとしている個体で、この2年間は会うことがなかったので気になっていたが、まだ、元気で安心した。夕食後にホテルを出発。耕作地で数羽のシロハラクイナが大騒ぎをしている。山道を歩き、ホタルのポイントで待つ。陽が落ちる頃にあちこちでリュウキュウコノハズクが鳴き始め、暗くなるとポツポツとヤエヤマヒメボタルが光り出し、やがて何千・何万頭のホタルたちがイルミネーションのように素早い明滅をする。無数のホタルたちに囲まれていると、まるで小宇宙に旅立つような錯覚に陥るのだ。ホタルのイルミネーションのなかでリュウキュウコノハズクが“コホッ コホッ”と鳴く、幻想的な世界。これをみなさんに経験してもらいたかったのである。日没から約1時間でホタルの明滅が収束する。みなさん感動のまま山を下りると電線にとまっているリュウキュウアオバズクを発見して観察・撮影する。さらに鳴き声を頼りにリュウキュウコノハズクを探す。しかし、この日はなかなか姿が見られない。そして、最後に電柱にとまっているリュウキュウコノハズクを発見してみなさんでじっくりと観察、撮影。夜の西表島をたっぷりと楽しんで終了。

4月2日、実は、過去2年連続で西表島は土砂降りだったので心配で目が覚めて外を見ると、満天の星空が広がっている。朝食後に専用バスで出発。青空が広がり暑くなりそうだ。西表島は島の東側~北~西側の半周しか道路が無く、南側は道路が無い原生林に覆われている。ムネアカタヒバリ、コホオアカ、タヒバリ、亜種ホオジロハクセキレイなどを観察、撮影する。リュウキュウサンショウクイの小群があちこちで飛び回る。水田を歩くとムラサキサギが飛び立ち、電柱にサシバとカンムリワシの成鳥がとまっている。カンムリワシが見やすい場所へ移動すると、リュウキュウキビタキ雌がとまっていて数人が観察。みなさんでカンムリワシ成鳥をたっぷり堪能して移動。9集落内を歩くと公園でトラツグミ2羽が採餌する。リュウキュウキビタキが囀り、クロウタドリが素早く逃げ込む。渡り途中の亜種サンショウクイの群れがいくつも入って来ている。またジョウビタキ雄がたくさん渡って来たようで島のあちこちで見られる。展望台へ行くと、ここにもジョウビタキ雄がたくさんいる。海上を飛んでるカツオドリを発見して皆さんで盛り上がる。昼食後、海を渡る水牛の写真を撮って移動。時々、街路樹や電柱にカンムリワシがとまっているが、近すぎたりバスを停められなかったりで観察、撮影が出来なかったが、向かい合って電柱にとまるカンムリワシ2羽を発見してじっくりと観察、撮影する。水田を歩くとクロツラヘラサギ、オグロシギ、タカブシギ、オジロトウネン、ムラサキサギなどをたっぷりと堪能して、バスに乗ろうとしているとツバメチドリを確認したお客様がいて、再び、耕作地へ行くとツバメチド3羽が休んでいるのでこちらもじっくりと観察、撮影する。港の売店でお土産や黒糖ソフトクリームを食べて移動。水田へ行くとサギ類やクロツラヘラサギ2羽が採餌し、タシギが足元から飛び立つ。ホテルへ向かう途中、街路樹にとまっているカンムリワシの幼鳥を発見。激近でじっくりと観察、撮影。ホテルに戻り西表島の食材を使った美味しい夕食で盛り上がりました。

4月3日、朝食後、ホテルを徒歩で出発して周辺を歩く。昨日と同じ公園でトラツグミ2羽が採餌し、クロウタドリが素早く逃げ込む。亜種サンショウクイの群れやジョウビタキの雄もあちこちにいる。とまっているカンムリワシを見ていると、もう一羽が近くの木にとまった。そして、最後まで諦めないで観察していたお客様が「交尾の写真が撮れた!」と興奮して帰ってきたのである。バスで上原港へ行きフェリーで石垣島離島桟橋。ANAのシステムエラーでいろいろあったけど、石垣空港から直行便で羽田空港へと向かったのである。本当はゆったりと時間が流れる八重山ですが、ツアーとなると大慌てで走り回ってカンムリワシ、ムラサキサギ、ズグロミゾゴイ、カタグロトビの“八重山4点セット”を探し廻りました。しかし、ヤエヤマヒメボタルのイルミネーションの中でリュウキュウコノハズクが鳴く幻想的な世界は、時を忘れさせてくれました。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

ムラサキサギ 撮影:松田修様

 

カンムリワシ 撮影:芝田恵美様

 

リュウキュウコノハズク 撮影:西川恵美子様

 

ヤツガシラ 撮影:福渡毅様

 

カラムクドリ 撮影:芝田恵美様

 

ズアカアオバト 撮影:西川恵美子様

 

ソリハシセイタカシギ 撮影:福渡毅様

 

クロサギ 撮影:芝田恵美様

 

ツバメチドリ 撮影:西川恵美子様

 

カタグロトビ 撮影:福渡毅様

 

ズグロミゾゴイ 撮影:芝田恵美様

 

ヤツガシラ 撮影:西川恵美子様

 

クロツラヘラサギ 撮影:福渡毅様

 

ムラサキサギ 撮影:芝田恵美様

 

ズグロミゾゴイ 撮影:西川恵美子様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:福渡毅様

 

オグロシギ 撮影:西川恵美子様

関連記事

ページ上部へ戻る