【ツアー報告】大洗航路の海鳥と北海道の小鳥たち 2023年3月23日~26日
(写真:ヤマゲラ 撮影:村瀬隆司様)
観察できるウミスズメ類が最大数を迎える3月の大洗~苫小牧航路ツアーは長らく企画してきましたが、ここ数年、エトロフウミスズメ、コウミスズメといった小型ウミスズメ類が全く観察できなくなってしまったことから航路のみのツアーは残念ながら終了としました。ただ3月の大洗~苫小牧航路はアホウドリ類3種やトウゾクカモメ、ハシブトウミガラス、ウトウ、ミツユビカモメなどそれなりに海鳥が観察できることから、見られなくなってしまった小型ウミスズメ類の分を補う形で道内探鳥と組み合わせて再編成したのがこのツアーです。道内では北海道らしい小鳥類がまだまだ見られる時期で、ほかにも海ガモ類やカモメ類、そして渡り期のため意外な出会いにも期待できる時期です。今回はたまたま本州の天候不良が続く中、天気が良い北海道に逃げるような形の天気予報となりました。
23日、関東は桜も開花してすっかり春めいてきていて、週末には東京で最高気温が25℃の予報が出るほどでした。ただこの日の関東地方は朝から曇りで午後からは小雨模様。ご集合いただいた大洗フェリーターミナルも雨模様でした。22:30にご集合いただいた後は健康チェックシートの回収、資料の配布、海鳥観察で使用するトラベルイヤホンの配布及び使用方法説明、そして翌日の連絡事項をお伝えしてから乗船し、翌日の観察に備えてお休みいただきました。
*諸般の事情により詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
3月の大洗~苫小牧航路での海鳥観察と苫小牧周辺での探鳥を組み合わせたツアーでしたが、今回は往復の航路探鳥がある程度の荒れ模様だったせいか、かなりの数のコアホウドリを観察したほか、10個体ほどのアホウドリ、また50個体を超えるクロアシアホウドリも見られ大きな成果となりました。ウミスズメ類は小型種は全く見られませんでしたが、ウミスズメ、ウトウ、ハシブトウミガラスは安定的に見られ、トウゾクカモメの個体数も多い印象でした。またミツユビカモメも想定外に多く見られ、時折見られた群れの飛翔は見事でした。道内ではすっきりした青空の下で探鳥することができ、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、シマエナガ、カササギ、オジロワシ、シロカモメ、ワシカモメ、クロガモ、ホオジロガモ、シノリガモ、さらにはヤマゲラにも出会え、渡って行くオオハクチョウとマガンも見事でした。今後は8月に週末利用の3日間で小笠原の海鳥が楽しめる東京竹芝桟橋~小笠原父島航路が催行決定となり、10月に大洗~苫小牧~八戸航路、11月には大洗~苫小牧航路ツアーを企画予定ですのでまたぜひご乗船ください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史