【ツアー報告】アホウドリ類3種に会いたい!東京~八丈島航路(追加設定)2023年3月20日~21日

(写真:アホウドリ 撮影:上田恵様)

過去、4月上旬に企画してきた東京~八丈島航路ツアーですが、昨年からはアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリのアホウドリ類3種をまとめて観察する企画に変えたため時期を3月上旬に変更しました。そもそも海況が良くないことが多い伊豆諸島航路において、この3月ももちろん海況が悪いことが多く心配ではありましたが、アホウドリ類3種をこの航路で見るにはこの時期が最も良いと判断し、リスクを承知の上で企画しました。主役のアホウドリ3種はいずれも翼開長200cm、あるいはそれ以上の長い翼をもち、その飛翔形の美しさはほかの海鳥を寄せ付けないほどの強烈な印象を残してくれます。今回は航路上の気温は高めの平均19℃とのことで風向きによっては暖かく感じることが予想され、風速は最大値で4mとかなり弱い南風が吹き、波高は最大で1.2ⅿとのことでかなり穏やかでベタ凪。天候は早朝まで雨が残るが、その後は概ね曇りとの予報でした。春は荒れていることが多いこの航路としては、かなり珍しいくらいの穏やかな条件で三宅島、御蔵島、八丈島ともに条件付き運行ではありませんでした。

20日、今回は平日出発ながら翌日が祝日ということもあって竹芝桟橋はなかなかの混雑。21:30発、神津島行のさるびあ丸が出航するまでは賑やかな状況が続いていました。竹芝桟橋に20:00前に到着。その後はチケットの準備を進めて予定通り21:30にご集合いただき、健康チェックシートの回収、資料の配布、トラベルイヤホン使用方法説明、そして翌日の連絡事項、また念のため緊急時の対応方法をお伝えし、その後は海鳥観察の基礎知識、アホウドリ類の識別方法、またこの航路の特徴などをお伝えしてから22:10に乗船開始し、東海汽船橘丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。

*諸般の事情によりウェブサイトでは詳しい出現状況を公開しておりません。

私が海鳥観察をはじめた頃は定期航路でアホウドリが高確率で見られる日がくるとは夢にも思っていませんでした。ただあれから20年以上が経ち、保護活動の成果もあってかつては幻の海鳥だったアホウドリが身近な海鳥になりつつあることを今回も実感することができました。今回は前回とは真逆な条件となり、春の伊豆諸島航路としては珍しく風もなく波もないベタ凪という海鳥観察には最悪の条件になってしまいましたが、アホウドリ、クロアシアホウドリともにほぼ前回同様にそれぞれ20~30個体ほどが見られました。ただ風がなかったことからダイナミックソアリングは全く見られず、コアホウドリは2個体、またオーストンウミツバメは見ることができませんでした。一方、海上が穏やかだったことからカンムリウミスズメを頻繁に見ることができ、ザトウクジラのブローは何回も確認することができ、潜水時には体の一部や尾びれも見ることができました。今後は8月に週末利用の3日間で小笠原の海鳥やカツオドリの親子を堪能できる海鳥観察ツアーを募集中です。今後もトラベルイヤホンを使用してご参加の皆様全員に的確に出現状況をお知らせすることで、海鳥の見逃し、指示の聞き逃しのないよう配慮した初心者の方にも楽しめる海鳥観察ツアーを企画して参ります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。

石田光史

アホウドリ 撮影:大木邦夫様

 

アホウドリ 撮影:上田恵様

 

アホウドリ 撮影:大木邦夫様

 

コアホウドリ 撮影:上田恵様

 

アホウドリ 撮影:大木邦夫様

 

カツオドリ 撮影:上田恵様

 

アホウドリ 撮影:大木邦夫様

 

カンムリウミスズメ 撮影:上田恵様

 

アホウドリ 撮影:大木邦夫様

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