【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい!(再追加設定)2023年3月14日
(写真:キレンジャク 撮影:宅間保隆様)
冬鳥と呼ばれる野鳥たちは毎冬必ず渡ってくるわけではないため、バードウォッチャーにとってはこの冬に見られるのか見られないのか気になるものです。その代表種ともいえるのが今回タイトルにもなっているレンジャクの仲間。日本では主に2種が知られていますが、いずれも独特の風貌と群れで右往左往する行動、さらにはヤドリギとの共生という特徴などから毎冬注目されています。毎年、11月中下旬には北海道各地から飛来情報をいただいており、昨冬はどこからも情報がなかったものの、この冬は早い段階から飛来情報があったため期待していました。この日は前日の冷たい雨は上がり、天候が良いことはもちろん、とうとう東京では桜の開花宣言が出るのではないかとのことでした。
14日、早朝はやや空気が冷たく感じましたが空模様は見事な晴れでした。この日も東京駅前に予定通り08:30にご集合いただいたことから出発して群馬県に向かいました。移動中は前回見られた鳥やレンジャク類の生態の話をはじめ、この日に見られそうな鳥の解説などをしながら進み、途中休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着しました。現地到着後は各自、観察機材の準備をしていただいてから観察を開始しましたが、すでに周辺のヤドリギにはヒレンジャクの姿があり、とりあえず見てみるとラッキーなことに間近のヤドリギにキレンジャクが止まっていました。しばらく観察していましたが愛想が良く、間近にある枝にとまってくれるなどしっかりと見ることができ、一旦飛び去ってしまいましたがそこでも再びキレンジャクの姿を堪能することができました。その後は園内を歩いて別のヤドリギを見に行きました。途中ではシジュウカラが飛び回り、ムクドリ、ツグミ、シメが地上で採食していました。別のヤドリギにもかなりの数のレンジャクが見られましたが、ここではキレンジャクの姿はなく、またここまで見られていたハチジョウツグミも見られませんでした。ただここでイカルの群れが飛んできて早くもさえずりを聞くこともできました。その後は一旦、各自昼食の時間とし、その間に再度ハチジョウツグミを探してみましたが、この日は出会うことができませんでした。昼食後は赤城山に移動し、一部に残雪がある中、駐車場付近、そして遊歩道付近を見てみましたが、相変わらずヤドリギは多いもののレンジャク類は見られず、最後に澄み切った青空を飛翔するノスリを見てから、この日の最後は山を下って公園に向かいました。まずは池をのぞいてみるとカルガモ、コガモ、カイツブリに混じって、この日もかなりの数のオシドリの姿があり、群れで右往左往する様子は見応えがありました。またこの日はどこからやってきたのかトモエガモの姿もあり、オス1羽、メス2羽が見られました。園内を歩くと小川が流れている場所に小鳥類が集まっているようで、アオジ、ジョウビタキ、シロハラが見られ、周辺ではカケスの声が聞こえていました。しばらく見ているとヤマガラがやってきて、まるでキツツキ類のように木の幹に縦に止まってしばらく木をつついていました。時間が押してしまったことから園内全体に歩くことができませんでしたが、最後に再び池に立ち寄るとオシドリの群れはさらに大きくなっているように見え、ディスプレイしながら泳ぎ回るなど活発になっている印象でした。
この冬は早い段階からレンジャク類の飛来情報があったことから期待していましたが、その期待通りにレンジャク類が渡ってきてくれたようで、この日はかなりの数のヒレンジャクがヤドリギに群れるシーンが見られたほか、キレンジャクにも出会うことができました。ほかにもイカル、シメ、アオジ、ジョウビタキ、ヤマガラ、シロハラ、ノスリの飛翔、そしてオシドリ、トモエガモといった色鮮やかなカモ類も見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史