【ツアー報告】冬の琵琶湖で1日60種観察にトライ! 2023年1月8日
(写真:タゲリ 撮影:松岡哲弘様)
ここ数年、すっかり定番になった冬の琵琶湖をめぐる日帰りバスツアー。2023年は3連休に合わせて3本企画しました。琵琶湖に来るのは毎年たった一度だけではありますが、湖北の探鳥地をめぐるだけでもかなりの数の野鳥に出会えることから、タイトルには60種観察という目標を掲げてみました。前回からは大阪、東京とそれぞれの方向からご参加いただきやすいように米原駅発着のツアーに企画変更しました。幸いご好評をいただけたようでそれぞれの方向から多くの方々にご参加いただくことができ、おかげさまで3本ともに満席となりました。冬の琵琶湖は過去、大雪など天候悪化があり心配がつきもので、今回も事前の天気予報が芳しくなく、この日は終日曇りの予報でしたが、直前の天気予報では一部に晴れマークがつく状況に好転してくれました。
8日、前日の探鳥後には小雨が降っていましたが、この日は早朝から曇り空で集合時間に合わせるように空は次第に明るくなってきていて晴れ間も見えるようになってきました。予定通りご集合いただいたことから10:00に出発して最初のポイントを目指しました。この日も米原駅からということもあって30分ほどで到着し、到着後は各自観察機材の準備をしていただきました。この日も前日同様に無風だったことからかなり暖かく感じる中で探鳥スタート。歩き出すと間近にメジロがやってきて木の実をついばんでいました。さらに歩くと草むらからアオジが飛びたち、公園内に入ると前日よりも数を増したかのようなイカルの群れが飛び回っていました。この日は50羽はいようかといった感じで湖面に降りては飛び立つといった行動を繰り返し、よく見るとその中にはシメの姿もありました。河口まで行くと魚を捕まえたミサゴが飛び回り、中洲にはカワウ、カモメ、そしてカワアイサの姿があり、湖面にはハジロカイツブリ、カンムリカイツブリが浮いていました。戻る途中ではようやくアトリの群れに出会うことかでき、この日も30羽ほどの群れが飛び回っていました。公園内まで戻るとイカルはまだかなりの数がいて、梢に止まっていたことから望遠鏡で観察しましたが、どこからともなくまた別の群れが上空を旋回して見事な風景を見せてくれました。その後は一旦、各自昼食の時間とし、昼食後は対岸の枯れ木に止まるオオワシを望遠鏡で見てから湖岸を歩きました。この日は残念ながらヒシクイの姿はなく、代わって陸に上がって休んでいるカワアイサの群れやマガモ、ヒドリガモ、キンクロハジロ、そして美しいオスのホオジロガモ、遠くのテトラポットにはカモメ、ユリカモメ、ハマシギが見られました。しばらく見ているとどこからともなく飛んできたオオタカの幼鳥が枯れ木に止まりました。ただ、ここで雨が落ちてきたことから一旦、屋根のある場所に避難して観察を続けました。オオタカはしばらくいてくれたため、じっくりとその姿を見ることができました。その後は晴れ間が戻る中、畑地に移動してケリを見てから次のポイントに移動しました。ただ、この日もオオワシがいる山の下の道を走ることから途中でバスを止め、真下からオオワシを観察してみました。前日と止まっている場所は違ったものの、この日はより低い位置にいたことから、望遠鏡ではかなりアップで見ることができました。次のポイントではまずは湖面を眺めてみました。この日も残念ながらトモエガモを見ることができませんでしたが、ヨシガモ、オカヨシガモ、ミコアイサ、ハシビロガモ、そしてオシドリ、カワセミの姿を見ることができ、林からはカケスのけたたましい声が聞こえました。最後のポイントでは前日に降雪があったようで遠くの山々が真白になっていました。前日同様に畑地にはカシラダカが群れ、2羽のノスリが木に止まっていました。さらに歩くと30羽ほどのタゲリが地上採食していて、一斉に飛び立って群れで飛翔する姿が夕陽に映えて見事でした。また4羽のムクドリに混じる1羽のホシムクドリが見られ、最後の貯水池では美しい2羽のミコアイサのオスなどを見てこの日の探鳥を終えました。
この日は一時的な雨はあったものの全体的には穏やかで暖かな1日でした。この日も冬の琵琶湖の名物となっているオオワシをはじめ、オオタカ、ヒシクイ、オシドリ、ヨシガモ、ホオジロガモ、カワアイサ、ミコアイサ、タゲリ、ケリ、アトリ、イカル、ホシムクドリなど、計62種の野鳥たちが楽しませてくれました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史