【ツアー報告】トウゾクカモメのピーク!晩秋の大洗~苫小牧航路 2022年11月18日~20日
(写真:アカアシミツユビカモメ 撮影:早川弘美様)
長らく企画してきたこの大洗~苫小牧航路ツアーの中でも最も長い期間に渡って催行されているのがこの11月の大洗~苫小牧航路ツアーで、早いものですでに15年を超えており、私が企画してきた定期航路での海鳥観察ツアーの原点ともいえるツアーです。金曜日夜集合、日曜日の夜解散ということで週末の時間を効率よく使える点、また明るい時間をほぼすべて海鳥観察に利用可能なことが特徴です。そして我々のツアーではトラベルイヤホンを使用して観察することから、出現した海鳥の種名や特徴、位置、向き、距離感などをデッキにいる全員で瞬時に情報共有することができるため、必ずしもガイドの近くにいる必要がなく、海鳥観察初心者の方や最近ちょっと耳に自信がなくなってきたといった方でも安心して探鳥可能です。この時期は多くのミツユビカモメが南下してくることから、それを追ってやってくるトウゾクカモメが一年で最も多く見られる時期で、ほかにもアホウドリ、コアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、海況悪化の場合にはハイイロウミツバメにも期待できます。過去にはこのツアーで初雪に出会うといったケースもありましたが、今回はおおよそ波も穏やかで11月としては比較的暖かい週末になるとの予報の中での出発となりました。
18日、予定よりも少々早めにご集合が完了したことから大洗フェリーターミナルにて検温データを回収させていただき、乗船券、ツアーの資料の配布、そして観察に使用するトラベルイヤホインのテストを行い、その後は翌日の連絡、さらには今回のツアーで見られる可能性の高い海鳥の解説をしてからご乗船いただきました。
*諸般の事情によりウエブサイトでは詳しい出現状況を公開しておりません。
小雪が舞うこともそう珍しくない時期ですが、今回の11月の大洗~苫小牧航路はこの時期としては穏やかで厳しい寒さも感じませんでした。全体的にミツユビカモメの個体数が少なく、それに伴ってかトウゾクカモメの個体数も少ない印象でした。ただ少ないながらもウミネコに襲い掛かるシーンを見ることができ、ほかにもコアホウドリ、クロアシアホウドリ、フルマカモメ、そして冬鳥として南下してくるクロガモやシロエリオオハム、ウミスズメ、ウトウなども見られました。そして今回は往路にてアカアシミツユビカモメに出会う幸運がありました。過去にこの時期に何度か記録はありますが、この時期の航路においてはかなりの希少種のため驚きました。今後もトラベルイヤホンを使用し、瞬間的であることが多い海鳥との出会いのチャンスを逃さないよう、全員で海鳥の出現状況を共有しながら探鳥可能な海鳥観察ツアーを提供いたします。また違った季節に違った航路にご乗船いただけましたら幸いです。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史