【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング(追加設定)2022年11月17日

(写真:アオシギ 撮影:大塚敦雄様)

晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間をやや早めに設定しています。すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は朝は晴れているものの日中は曇りとの予報で日光市の最高気温は9℃とのことでした。

17日、雲が多いとの予報に反して朝から快晴の東京駅前に予定通りご集合いただいたことからから07:30に予定通り出発。ひとまず奥日光に向けて東北道を進みました。バス車内ではこの日も行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂へと進みました。いろは坂では僅かに残ったカラマツの紅葉を見ながら進み、中禅寺湖が見えると周囲は晩秋の雰囲気で、この日は風がないようで湖面は穏やかでした。さらに進み見事な景色の戦場ヶ原を過ぎ最初のポイントにいよいよ到着。到着後は各自観察機材準備をしていただきましたがこの日は前日に比べると風の冷たさは感じず探鳥日和といった感じでした。準備が終わってから歩き出すとこの日は駐車場わきのせせらぎにミソサザイの姿があり、苔むした岩に止まったりしていました。川沿いまできても再びミソサザイが倒木の上を動き回り、珍しくじっとしていることもありました。川沿いを丁寧に見ていくとカワガラスの姿があり、潜水したり岩に上がったり、そして時には川に流れるように移動しながら餌を探していました。そしてこの日は意外なことに川の中州でじっとしているアオシギに出会うことができ、しばらく観察してみることにしました。はじめはじっとしていましたが次第に餌を捕るために歩き出し、流木の陰にかくれたり、また出てきたりと意外なほど活発に動いてくれ、最後は対岸の中州に飛んでいきました。その後はさらに歩き、帰り間際にはゴジュウカラ、コガラ、ヒガラ、コゲラ、そしてキバシリの姿を見てから一旦駐車場まで戻って各自昼食の時間としました。ひとまずアオシギに出会えたことから午後からは予定をやや変更して小鳥類を探してみることにしました。湯ノ湖畔ではコガラやゴジュウカラを間近に見ることができ、コガラはこの陽気に誘われてよくさえずっていました。湖面を眺めるとヒドリガモ、ホシハジロ、キンクロハジロの姿がありました。林に入るとカラマツに群れるツグミの姿があり、よく見てみるとツルウメモドキの実をついばんでいました。またアカゲラが地面に降りて採食行動をしていて、付近からキクイタダキの声が聞こえたことから探してみると、珍しく針葉樹のてっぺんに出てきていました。また川沿いでは全く逃げる様子もなくシカが草を食べていました。その後はカラマツの松ぼっくりをつつくコガラ、ヒガラを見てから戦場ヶ原の木道に入りました。ここでは当地ではあまり見かけないアオゲラがカラマツに止まり、しばらく幹に取り付いてくれたことから望遠鏡を使ってじっくりと観察することができ、帰り道でも再び飛んできたアオゲラがカラマツに止まり、同時に黄色が鮮やかなマヒワを見ることもできました。それでもやや時間があったことから戦場ヶ原の別の場所を最後に歩き、ここではエナガの群れやコガラ、ヒガラ、シジュウカラ、そしてようやくキバシリを間近に見ることができ、周囲が薄暗くなってきた16:15に探鳥を終了しました。

前日に比べると風もなく穏やかな探鳥日和の一日でした。今回は幸いにも早々にアオシギに出会うことができたことから、それ以外の探鳥地もじっくりと巡ることができました。カワガラスは早くも繁殖行動を見せ、さえずりを聞くこともでき、川沿いの倒木を動き回るミソサザイもよく見られました。ほかにも常連のゴジュウカラ、コガラ、ヒガラ、エナガはどこに行っても見られるほどで、今回はアカゲラ、アオゲラ、コゲラといったキツツキ類もよく見られました。冬鳥類はやや寂しかったですがカラマツに群れるツグミ、そして黄色が鮮やかなマヒワにも出会え、最後にはキバシリにも出会えました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ミソサザイ 撮影:箕輪篤子様

 

アオゲラ 撮影:大塚敦雄様

 

アカゲラ 撮影:箕輪篤子様

 

キバシリ 撮影:大塚敦雄様

 

アオシギ 撮影:箕輪篤子様

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