【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング 2022年11月16日
(写真:アオシギ 撮影:ikotama様)
晩秋恒例になっている奥日光を訪れる日帰りバスツアー。数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間がかかることから集合時間をやや早めに設定しています。すでに紅葉の季節が過ぎていることから混雑はなくなり、そのせいで林は静まり返っていて鳥の声もよく聞こえてバードウォッチングには良い季節です。このツアーでは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、オオアカゲラといった種、さらには渡ってきたばかりのアトリやマヒワ、ツグミといった冬鳥たちを観察することも主な目的とし、その中から特にアオシギを探すことを目的にしているため、アオシギが生息している可能性が高い場所を中心にめぐります。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、この日は前日の雨は上がって天気予報は晴れ、ただし日光市の最高気温は10℃とのことでした。
16日、東京駅前からのバスツアーとしては現地までの距離があるため出発時間を通常のツアーよりも早めの07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではこの日も行動予定、そして今日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂へと進みました。いろは坂では僅かに残ったカラマツの紅葉を見ながら進み、中禅寺湖が見えると湖面には少々白波が立っていて風があることがわかりました。その後は見事な景色の戦場ヶ原を過ぎ最初のポイントに到着しました。到着後は各自観察機材準備をしていただきましたがやや風があるせいか肌寒く、駐車場の気温は5℃でした。上空を飛び回るトビを見ながら歩きはじめると、早速、全く警戒する様子がないカワガラスが間近に現れて潜水して餌を捕っていました。また付近ではミソサザイがせわしなく動きまわっていました。しばらく見ていると、いつの間にか周囲にはコガラ、ゴジュウカラもやってきていて、我々の頭上で賑やかに鳴きながら餌を探しているようでした。さらに進むとどこからともなくエナガの群れがやってきて目線ほどの高さでせわしなく動きながら餌を探していたため見ていると、林の中からウソの声が聞こえてきました。足を止めて待っていると頭上にある木の実にまずはウソのメス、さらにはオスが2羽やってきて木の実を食べ始めました。ウソは可愛らしい風貌の小鳥のため、しばらく時間をとって観察、撮影しました。その後も川沿いを歩きながらアオシギを探してみましたが、残念ながら午前中に出会うことはできず、一旦駐車場まで戻って各自昼食の時間としました。午後からはまた別の川沿いをアオシギを探しながら歩くことにし出発、到着後はバスを降りて再びアオシギがいそうな環境をめぐりました。川沿いということもあってここでも早速カワガラスが現れて、潜水したり岩に止まったり飛びまわったりとじっくりとその姿を見せてくれ、さらに進むとカラマツの松ぼっくりに群れるマヒワに出会うことができました。しばらく見ているとツグミの群れがやってきてカラマツに止まり、さらにはアトリの群れ、カシラダカ、アカゲラ、そしてツグミの群れの中には数羽のマミチャジナイの姿もありました。ただ、ここで一番盛り上げてくれたのはカケスで、普段はなかなか良い場所にやってこないものの、この日は間近の枯れ木に止まるなど、珍しくその姿をしっかりと見せてくれました。また帰り間際にはヒガラの群れが現れ、なぜか建物の屋根で餌を探すゴジュウカラも見られました。ただここでも残念ながらアオシギに出会うことはなく、そのため以前何度かアオシギを見ている湿地帯にも行ってみましたがここでも出会えず、ただまだ30分ほど時間があったことから、最後の最後に再び最初に行った場所まで戻って、過去にアオシギを見たことがない場所に行って探してみることにすると、なんとここのポツンとアオシギが1羽で佇んでいました。これといって警戒する様子はなかったため少しずつポジションを変えながら観察、撮影して周囲が薄暗くなってきた16:15に探鳥を終了しました。
風が冷たく肌寒く感じる一日でしたが幸い天気もよくハイキング日和の探鳥でした。苦労しましたが皆様の熱意のおかげで主な目的だったアオシギにも最後の最後で出会うことができ、アトリ、マヒワ、カシラダカ、ツグミといった冬鳥、さらには常連のカワガラス、ゴジュウカラ、キバシリ、コガラ、アカゲラ、そしてカケス、マミチャジナイ、ウソなども見られた一日でした。肌寒い中でしたがご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史