【ツアー報告】道東2大クルーズとギンザンマシコ シマフクロウ 2015年6月14日(日)~16日(火)

本州は梅雨入りし森ではセミの声が煩くなっています。そんな時期だからこそ、梅雨が無く、さまざまな鳥たちがまだまだ楽しめる北海道に出かけましょう。今回は昨年夏、私が約4ヶ月間を過ごした道東地域をご案内いたします。コースは昨年下見をバッチリ済ませた厳選コース。まさに決定版と言って良いツアーです。
14日、予定通りに中標津空港に到着しましたが残念ながら小雨模様。羅臼に向かう道はどんどん霧が深くなってきました。ちょっと気持ちが落ち込んでしまいましたが、目的地が近づくにつれ霧は晴れ、青空も見えてきました。道の駅で準備を整え、乗船する頃には条件は良くなっていました。海況も良く、ベタ凪の海に出ると早速シャチの群れがいくつも目に飛び込んできました。特にオスシャチの背ビレは巨大で感動的です。この日はシャチたちが間近でさまざまなアクションを披露してくれたため大盛り上がりで、最高の時間を過ごすことができました。海鳥は少なめでしたが、船に接近して飛翔するフルマカモメ、この時期としては珍しいミツユビカモメ、夕方には着水しているハシボソミズナギドリ、ハイイロミズナギドリの姿が羅臼の海に幻想的な光景を作り出していました。一時は深い霧でどうなることかと心配しましたが、記憶に残るクルーズを体験することができました。一旦ホテルで夕食をとり、その後はシマフクロウ観察に出かけました。到着後すぐにシマフクロウは現れ、その後も数回観察する機会に恵まれ、闇に不気味に響き渡る声もたっぷりと聞くことができました。
15日、昨夜がやや遅くなったことから早朝のプログラムはなしにし、朝食後にギンザンマシコ観察に出かけました。亜高山帯も霧のリスクがあるのですが、この日は幸い霧は海側だけで山側はスッキリとした青空でした。現地ではビンズイ、アオジ、そして意外にもクロジの姿があり、アマツバメが飛び交っていました。お目当てはなかなか現れず、代わって雪渓を歩くヒグマの親子に盛りあがりました。約1時間後、ようやくお目当てのギンザンマシコが現れ、一時は同時に2個体を見ることができましたが、どういうわけかメス個体でした。その後は原生花園の鳥たちを観察しました。エゾカンゾウ、ハマナス、センダイハギ、ヒオウギアヤメが咲く中、ノゴマ、オオジュリン、シマセンニュウ、ベニマシコが歌い、オオジシギはディスプレイフライトを繰り返していました。またこの日はカッコウが主役で我々の周囲を飛び交ってくれました。最後はタンチョウを観察しましたが、意外にもマキノセンニュウのさえずりが聞こえたため探してみると、低木の上にいたためじっくりと見ることができました。
16日、早朝に落石クルーズに乗船するため05:15にホテルを出発しました。到着後はライフジャケットをつけるなどの準備をして06:00に出航しました。霧はありましたが時より陽が射し、視界はある程度確保されていました。港を出るとケイマフリが飛び、あちらこちらにウトウの群れが浮いていました。沖に出るに従いフルマカモメが数を増し、着水している白色型フルマカモメを見ることができました。その後は3羽で行動するシロエリオオハム、同じく3羽で行動するウミスズメを観察、そしてようやくウトウの群れと一緒に行動している2羽のエトピリカを発見しましたが残念ながら飛び去ってしまいました。ただ、その後、再び2羽のエトピリカを見つけることができ今度はしっかりと間近に観察することができました。またケイマフリも何度となくその姿を間近に見ることができ、求愛行動を見たり、その声も聞くことができました。クルーズ後は一旦ホテルに戻って朝食をとり、最後は市内の公園に向かいました。イタドリが茂る斜面からはエゾセンニュウの声が響き、ナナカマドの木ではセンダイムシクイがさえずっていました。またここでも真っ赤なベニマシコが数回見られたほか、相変わらずオオジシギがディスプレイフライトを繰り返していました。
6月は北海道のどこへ出かけてもほぼベストシーズンですが、今回は道東の海の生き物を軸に原生花園の小鳥、シマフクロウ、そして新たにギンザンマシコの探鳥を加えました。鳥たちはほぼ期待通りにその姿を見せてくれ、シャチやヒグマの姿を観察できたことも幸いでした。北海道は冬も最高ですので、また季節を変えてぜひお出かけください。この度はお疲れ様でした。
石田 光史

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