【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種たち 2015年6月18日(木)~20日(土)

18日、11:40 羽田空港、那覇空港集合のお客様と合流。平年よりも12日も早く梅雨明けして真夏の陽射しの中、調整池に行く。4羽のクロツラヘラサギやセイタカシギ、アオアシシギ、タカブシギなどが餌を採ったり休んだりしている。リュウキュウツバメが飛び回り、シロガシラがヘンテコな声で囀る。ここは鳥との距離が近いのでみなさんでじっくり観察したり写真を撮ったりする。その後、海岸の公園へ移動し、気持ちのいい海風に吹かれながら昼食。遠くの杭の上でミサゴが翼を乾かしている。
昼食後、北上。海岸でアジサシを探すが遠い。なんとかエリグロアジサシと分かる距離である。気温は32℃だが、それは日陰の風通しの良い場所の気温であり、実際は40℃近い南国の太陽光線が痛い。さらに北上して〈やんばる〉に向かう。〈やんばる〉とは漢字で「山原」と書き、沖縄本島北部一帯を示し、亜熱帯の豊かな森が広がる地域である。到着後は専用車を降りて徒歩で林道を歩く。遠くでリュウキュウアカショウビンが鳴いている。今年、ノグチゲラが繁殖し、3羽のヒナが巣立った場所へ行くが静かである。諦めて車に乗り、別の場所へ移動しようとした時、「フィッ フィッ」とノグチゲラの声がする。慌てて車から降りて探すと雄が幼鳥を連れている姿を発見。皆さんでじっくりと観察。まずは“やんばる3点セット”の一種目を確認して18:10 ホテルに到着。
19日、05:40 下見でヤンバルクイナが好調だったポイントに専用車でゆっくり向かう。途中、ヤンバルクイナが何度か道路を横切り、「あー、あそこっあそこっ!」「ほらほら、ここここっ!」と盛り上がりながら進む。陽が昇るとホントウアカヒゲ、リュウキュウアカショウビン、オキナワシジュウカラ、リュウキュウメジロなどが一斉に囀り、ヤンバルクイナも大声で鳴いている。ポイントに着くと、既に2ペア4羽がのんびりと餌をついばんでいる。ちょっと離れたところにも1ペア出てきて一視野の中に6羽という贅沢な状況となる。ヤンバルクイナは餌を採りだすと警戒心が薄くなるので、みなさんでじっくりと堪能し、写真を撮ったりする。さらに近くの今年、ノグチゲラが繁殖した場所へ移動しようとするとアカヒゲの雄がガードレールにとまって囀る。その付近で数羽が鳴いているので待っているとアカヒゲの幼鳥が道路に出てきて餌を採る。アカヒゲをみているとノグチゲラが鳴く。ノグチゲラを探しにいくとリュウキュウサンコウチョウの雄が長い尾をヒラヒラさせて飛んでいく。アカヒゲの幼鳥が次々に道路に出てきて、カラスバトが上空を飛んでいく。リュウキュウコゲラやリュウキュウサンショウクイも出現して、嬉しい忙しさとなる。この時期のノグチゲラは雄が幼鳥を連れていることが多く、オオバキの実が大好きで家族で食べに来る。すると、オオバギにノグチゲラの幼鳥2羽を至近距離で発見。無心に実を食べているので、みなさんでじっくりと観察したり写真を撮ったりする。さらに、リュウキュウマツの皮を剥いで何か食べているノグチゲラの雌雄をゆっくりと観察。
ヤンバルクイナのポイントから500m程の間で“やんばる3点セット”をコンプリートである(これは私がやんばるに住んでいて暇さえあれば下見に来ていることや地元の知人の最新情報を聞いてポイントを絞っているからであり、やんばる在住で無い人がいきなり来てもこうはいかないでしょう)。
08:20 みなさん笑顔でホテルに戻って朝食。朝食後、やんばるの林道をのんびり歩くとアカヒゲの幼鳥が次々と道路に出てきて餌を採っている。前からチェックしていたオオバギの実がたくさんなっている数ヶ所を廻ると、全てでノグチゲラが食べていた。5月の営巣期からこの時期はほぼ100%ノグチゲラに出会えるのである。そんなやんばるの鳥たちと楽しみ、遅い昼食後、那覇まで移動。17:30 お庭にプールのあるリゾートホテルに到着。
20日、05:40 ホテルを出発。耕作地でセッカ、シロガシラ、ヒヨドリ、イソヒヨドリ、リュウキュウメジロなどを観察しながらゆっくりと専用車で走る。道路を横切るミフウズラを発見するが、直ぐに草に隠れてしまう。さらに走ると、道路に1ペアが出て餌をついばむ。さらに、もう1ペア出てきた。ミフウズラは一妻多夫で雌の方が綺麗なのだ。沖縄本島では近年、見難くなった鳥だが、この辺では頻繁に見ることがある。写真撮影とまではいかなかったが、みなさんでじっくりと観察する。08:10 海岸のベンチで朝食。岩礁ではエリグロアジサシが繁殖していて数ペアがとまっている。クロサギの家族がいて親は黒色型と白色型、巣立ちビナは3羽とも黒色型である。朝食後は海岸へ行き、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、クロサギ、シロチドリ、アオアシシギ、コアジサシなどを観察。干潟ではクロツラヘラサギ6羽、ヘラサギ2羽を観察。さらに耕作地でカルガモ、アマサギ、シロハラクイナ、オオバンなどを観察しながらゆっくりと走ると、なんとこんな時期にレンカクを発見。それも綺麗なほぼ完全な夏羽である。みなさん最後のおまけに得した気分で那覇空港へと向かったのである。
“やんばる3点セット”とミフウズラにレンカク夏羽をじっくりと堪能したツアーとなりました。みなさまお疲れ様でした。
宮島 仁

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