【ツアー報告】無人島のアジサシと宮古島のアカショウビン 2015年6月30日(火)~7月3日(金)
6月30日、11:45 那覇空港でお客様をピックアップ。真夏の陽射し中を海岸の公園へ移動し、慶良間諸島を眺めながら昼食。クロサギの黒色型と白色型が岩礁で餌を採っている。
昼食後に島に渡る予定だったのですが、波が高かったため予定便は欠航。そのため別の無人島に渡る。ここではコアジサシが数ペア繁殖していて、岩礁ではエリグロアジサシとベニアジサシが休憩していたので、まずはみなさんでじっくりと観察する。島を一通り見た後はやや時間が余ったので、急遽、別のポイントに行く。沖縄に住んでいるので、いくつもの探鳥地を臨機応変に組み合わせられる。ここでは、リュウキュウツバメ、シロハラクイナ、シロガシラなどの沖縄モノや越夏しているサギ類などを見て盛り上がる。18:15お庭にプールのあるリゾートホテルに到着。
7月1日、05:40 ホテルを出発してミフウズラを探す。耕作地や農道を横切る姿を発見するが、直ぐに隠れてしまい満足とはいかない。そこで、車が入れない農道を歩くと、雄が道路に出てきて餌をついばむ。ミフウズラというとこれから行く宮古島が有名だが、沖縄本島でもこの辺では頻繁に見られ、みなさんでじっくりと観察、写真撮影する。07:30 海岸のベンチで朝食。眼下の岩礁ではエリグロアジサシが数ペア抱卵しているのでこちらも観察、撮影。朝食後は海岸へ行き、サギ類やシロチドリ、チュウシャクシギ、アオアシシギ、トウネン、コアジサシなどを観察し最後にヘラサギ2羽を観察。その後は急いで那覇空港へ行き、宮古島空港へ飛ぶ。12:25 宮古島空港から専用車に乗り、アジサシ類を観察に行く。ここには港内に生簀がありエリグロアジサシとベニアジサシが数十羽ダイブしたり休んだりしているので、みなさんで観察、撮影する。さらに、伊良部島で最も有名(?)なサシバ展望台へ行き記念撮影。その後は鳥たちがやってくる水場に行く。直ぐにリュウキュウアカショウビンが水浴びに来る。観察していると何度もリュウキュウアカショウビンが水浴びに来ては、近くの枝や杭にとまって羽づくろいをする。すると、リュウキュウサンコウチョウも水浴びに来る。何度もリュウキュウサンコウチョウが水浴びに来るがポチャッと入るだけのカラスの行水なのだ。キンバトが池の周りを歩く。普通、キンバトは樹林で鳴いているのを探すのでなかなか見つからないが、ここでは簡単に見ることができる。その間にもリュウキュウヒヨドリやリュウキュウメジロが次々に水浴びにくる。ここは待っているだけでみなさんの憧れの鳥たちが次々に向こうからやって来てくれる夢のような場所なのだ。18:20 ホテルに到着。この夜はみなさんで地元の居酒屋へ行き、沖縄料理や宮古島の食材にオリオンビールや泡盛で盛り上がりました。こういうことも旅の楽しみの一つなのである。
7月2日、06:15 再び水場に向かう。リュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウが何度も何度も水浴びに来て、キンバトも何度も何度も来ては、池の周りを歩いては水を飲む。そんな鳥たちをみなさんでじっくりと堪能し、写真を撮ったりする。誰からともなく「これが“宮古島3点セット”だ」の声が出る。
07:15 待ちに待ったオオクイナが登場。若鳥だが水浴びをした後、丁寧に羽づくろいをする。さらに、暫くするとズグロミゾゴイが林内から歩いて出てきた。ズグロミゾゴイは石垣島が北限だったが、近年、ここ宮古島でも頻繁に見かけるようになった。池の周りでカエルを採って、また、歩いて林内へ帰って行った。その後も、リュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウ、キンバトが何度も何度も水浴びや水飲みに来る。リュウキュウアカショウビンだけでも朝から延べ30回以上は来ているので、いったい何個体いるのだろうか? 11:00 鳥たちの出がひと段落したのでポイントを変えて湿地帯に行く。ここではシロハラクイナがヘンテコな声で求愛している。そして沖縄で唯一、ヨシゴイが留鳥として生息している。また、石垣島が北限だったムラサキサギもここに定住するようになった。この2種をみなさんで観察した後はツバメチドリを探す。宮古島は沖縄では珍しく、あちこちでツバメチドリが繁殖する。しかも、この時期で抱卵中の個体もいれば飛べるくらいに育った巣立ちビナもいる。ところが成鳥がいるがヒナや幼鳥が見られない。仕切り直しで昼食にする。昼食は離島マニアの間で有名な「皆愛屋」の“ゆし豆腐そば”と“島豆腐おにぎり”。そば出汁が優しくて美味しい。
昼食後、ようやくツバメチドリの成鳥6羽、巣立ちビナ8羽を見つけてみなさんでじっくりと観察、撮影する。再び水場に行くが、鳥がいない時間帯なので南の島の蝶を観察する。カラスバトやキンバトの声を聞きながら、スジグロカバマダラ、リュウキュウアサギマダラ、ベニモンアゲハ、ツマムラサキマダラなどを観察、撮影していると真っ白なナガサキアゲハの雌が飛んできて盛り上がる。一旦、ホテルに戻り休憩。夕食を済ませてから夜間観察に行く。宮古島は沖縄本島から八重山地方の中で最もフクロウ類が見易く、特にリュウキュウコノハズクが危険な山道に入らなくても舗装道路で簡単に見られるのが嬉しい。
薄暮になると翼長1mもあるヤエヤマオオコウモリが飛び、みなさんで観察する。暗くなると一斉にフクロウ2種が鳴き出す。まずは、リュウキュウアオバズクを見つけて観察、撮影。樹上では迷惑そうな顔をしたリュウキュウコノハズクがこっちを向いているので、「ごめんね」と言いながら観察、撮影する。信じられないほどの数のフクロウたちの声に囲まれて、みなさん笑顔でホテルに戻る。
7月3日、昨夜、宮古島にいる友人や在住の知人からコグンカンドリを見たという情報を頂いたので、06:00にホテルを出発し、でも、せっかくだからミフウズラのポイントも廻っていこうと、耕作地のポイントへ行くとミフウズラの雌がいたので、じっくりと観察、撮影してからポイントに向かう。到着すると既にコグンカンドリが悠々と飛んでいた。暫くコグンカンドリを見ているとオオアジサシ2羽も飛び回り、エリグロアジサシやベニアジサシ数十羽も飛び回り、夢のような光景となる。さらに港の奥の岩礁に行くと、エリグロアジサシのコロニーがあり、求愛給餌をしているペアや抱卵している個体がいる。親鳥の脇からヒナが顔を出しているのでみなさんで観察、撮影する。離島で鳥類を見るには地元の方からの最新情報により、さらに楽しむことができるので、地元のみなさんに感謝の気持ちで一杯だ。
最後にもう一度、水場に行くとリュウキュウアカショウビン、リュウキュウサンコウチョウが水浴びに来て、キンバトも水を飲みに来て、カラスバトやリュウキュウキビタキも登場するという豪華メンバーとなったのである。そして、朝から30℃で汗だくとなったので、ホテルに戻ってシャワーを浴びてから、それでも未練がましく耕作地をぐるぐると廻りながら宮古島空港へと向かったのである。“宮古島3点セット”観察・撮影し放題、リュウキュウコノハズク見放題、そして、コグンカンドリをじっくりと堪能したツアーとなりました。皆様お疲れ様でした。
宮島 仁