【ツアー報告】フォトツアー秋の佐渡島 朱鷺色のトキを撮る! 2022年10月15日~16日
(写真:トキ 撮影:森久美子様)
学名、ニッポニア・ニッポン。トキは日本を象徴する鳥とも呼ばれ、バードウォッチャーなら誰でも一度は見てみたい鳥でしょう。日本では20世紀初頭までに個体群が急速に減少し、環境省レッドリストでは野性絶滅の状態にまでなってしまいました。ただその後の保護活動により、2000年代以降は個体数が回復し、2022年8月現在、野生下で生息するトキは推定569羽、うち放鳥個体は151羽、野生生まれは418羽と発表がありました。この貴重な鳥を観察するツアーは絶対に不可欠と思ってはいましたがなかなか前に進まず、その後もさまざま思いを巡らせつつ現地の状況を見極めてきましたが、結果としてやはり現地のトキ観察のルールを熟知した現地在住の方の同行がツアーにはどうしても欠かせないと判断しました。そしてこの度、とあることから現地案内を引き受けてくださる方と知り合うことができ、長らく思いを巡らせていた佐渡島ツアーが4月に初催行され、この秋、2回目の催行となりました。ただ、バス車内からの観察、撮影であることを考慮し、小型バス利用、お一人様2席利用で10名様限定という極めて小さなツアーとしました。
15日、春のツアーでは佐渡島全体をめぐることから2泊3日でしたが、トキが生息する地域の近くに宿があることもあって、現地ガイドさんがいてくれさえずれば、かなり効率よくトキに出会えることから今回は思い切って週末利用の2日間として朱鷺色のトキを撮影することに集中する形に組み替えてみました。そのため天気が気になっていたのですが、幸にも佐渡島は両日ともに晴れということで安心しました。出発日の東京駅前は曇っていましたが、新潟が近づいてくるとどんどん空は青くなってきてくれ到着した新潟駅は人ごみのせいもあって蒸し暑くすら感じました。新潟駅からは佐渡汽船ターミナルに移動するのですが、この日は近隣の朱鷺メッセでイベントがあるらしく大変な混雑ぶりでした。
*諸般の事情により詳しい内容はウェブサイトでは公開を控えさせていただきます。
私の中で長年の懸案だった佐渡島へのツアーがようやくこの春から催行できることになり、秋としては今回が初催行でした。ツアーを作る立場で考えるとどうしてもツアー造成したい場所でしたが、結果的にはなかなか前に進むことがなく時間が過ぎてしまうばかりだった中、ようやく現地に実際に住んでいて現地でのトキ観察のルールに精通した方に巡り会えたことは本当に幸いな出来事でした。また宿のご主人ということもありツアー中は何から何までお世話になりました。春はひとまず島全体をめぐってみようかということで3日間で企画しましたが、トキが意外なほど宿近くに生息していること、個体数が増えていることから出会いの頻度が上がっていること、そしてトキの撮影に集中した形にしたことから週末利用の2日間にしてみました。もちろん現地ガイドさん、そしてトキの生息場所に精通したドライバーさんの最強コンビだったこと、そして天気に恵まれたこともあって短時間ながら朱鷺色のトキの撮影を十分に楽しむことができました。春の繁殖期に見られたトキも独特の風貌で見ごたえがありましたが、秋に見られる朱鷺色のトキは全く違った魅力ある姿だなと改めて実感した2日間でした。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史