【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2022年10月11日
(写真:ツルシギ 撮影:pterosaur様)
秋の定番となったシギチドリ類を集中的に観察する日帰りバスツアーは一日で海水域と淡水域の両方をめぐります。淡水域での探鳥では、道が狭い場所ばかりのため車幅の狭いマイクロバス利用の16名様限定としアクセスを良くして歩く距離を軽減しています。秋のシギチドリ類の渡りは比較的長い期間見ることができる反面、ピークを当てることが難しいためツアーでは過去のデータを基にして種類数が安定している時期、また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。秋はなかなか天候が安定せず、前回のような大雨に当たることもありますが、今回はおかげさまで前日までの雨も上がり晴れ予報。東京都の最高気温も27℃ということで汗ばむような陽気になるとのことでした。
11日、この日は潮位の関係から集合時間は08:30。朝から青空が広がる東京駅前に予定通りご集合が完了したことからまずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながらこの日海水域で見られる可能性が高いシギチドリ類の解説、また全体的なシギチドリ類の見方についてのコツについて話しながら進めました。到着後は長靴に履き替えるなど準備をしていただいてから干潟に向かいました。この日は前回よりも潮位が高かったため、シギたちは手前にいるだろうと想定していましたが意外にも干潟に降りている個体が少ない状況でした。そのため順光で見られるように左岸方面から歩いてみました。ひとまず15羽ほどのミヤコドリの群れを間近に見ることができ、付近にはミユビシギ、ハマシギの姿もありました。少々歩くとオオソリハシシギの小群が歩いていて観察していると、そこからともなく2羽のメダイチドリが飛んできて干潟に降りました。その後は大群で海面から飛び立つ不気味なカワウの大群が見られ、最後はいつの間にか増えていたダイゼンを見て探鳥を終えました。その後は再びバスに乗っていただき茨城県に向かいました。この日は少々早めに出発できたことから一気に現地まで移動してまずは各自昼食の時間としました。昼食後はこの秋に多くのシギ類が見られている場所に行き、ここではいきなりセイタカシギ、オグロシギ、コアオアシシギ、ツルシギ、オオハシシギ、ウズラシギ、イソシギ、コチドリを見ることができ、それぞれの特徴を比べながら見ることができました。その後は少々歩いて探鳥しなくてはならない場所に移動して農道を歩きながら探鳥しました。ここでは水深の浅い場所にいる小型シギを探し、狙い通りにトウネン、オジロトウネンの混群に出会うことができ、羽の模様や足の色といった識別ポイントを見ることができました。さらに進むと、ここでは珍しく逃げないでいる1羽のコアオアシシギを間近に見ることができたほか、ツルシギが5羽でせっせと餌を探しながら歩き回り、さらには5羽のコアオアシシギに出会うことができ、時間をかけてじっくり観察することができました。その後は一旦トイレに立ち寄った後、別の区画に行ってみると、ここでも10羽ほどのコアオアシシギ、さらにはそこに混じる1羽のタカブシギを見ることができましたが、前回見られたツメナガセキレイの姿はありませんでした。その後は最初に立ち寄った場所に再度行ってみると、新たにエリマキシギ、アオアシシギが加わりにぎやかになっていましたが、ここで突然オオタカがシギを狙って飛び回り、最後は杭に止まった姿を見ることができました。その後はまた別のハス田を歩き、ここでは2羽のセイタカシギが間近に見られ、7羽のアオアシシギも見られ、最後に再び小型シギを探しに行ってみましたが、顔触れはそれほど変わらずトウネン、オジロトウネン、コチドリ、最後はショウドウツバメが飛び交う中、11羽のコアオアシシギの群れを見て探鳥を終えました。
この日はようやくの晴天の中で探鳥することができ、海水域ではミヤコドリ、オオソリハシシギ、ダイゼン、メダイチドリ、ミユビシギ、ハマシギ、淡水域ではタカブシギ、エリマキシギ、ツルシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、オオハシシギ、オジロトウネン、ウズラシギ、そしてショウドウツバメも見られ、シギチドリ類だけでも19種を観察できました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史