【ツアー報告】秋のシギチドリ巡り 東京湾と霞ケ浦 2022年10月6日
(写真:コアオアシシギ 撮影:須崎明男様)
秋の定番となったシギチドリ類を集中的に観察する日帰りバスツアーは一日で海水域と淡水域の両方をめぐります。淡水域での探鳥では、道が狭い場所ばかりのため車幅の狭いマイクロバス利用の16名様限定としアクセスを良くして歩く距離を軽減しています。秋のシギチドリ類の渡りは比較的長い期間見ることができる反面、ピークを当てることが難しいためツアーでは過去のデータを基にして種類数が安定している時期、また海水域に関しては潮位を見て日程を決めています。秋はなかなか天候が安定しないことが多いのですが、結局この日は雨予報。東京都の最高気温も16℃までしか上がらないとのことでした。
6日、この日は潮位の関係から集合時間は08:30。朝から小雨が降り続く東京駅前に予定通りご集合が完了したことからまずは海水域での探鳥のため千葉県に向かいました。移動中のバス車内ではわずかな時間ながらこの日海水域で見られる可能性が高いシギチドリ類の解説、また全体的なシギチドリ類の見方についてのコツについて話しながら進めました。到着後は幸いにも雨が止んでいる中、長靴に履き替えるなど準備をしていただいてから干潟に向かいました。この日はシギたちは干潟の中央部に集まっていたことから、まずは干潟の中央部を突っ切るように歩いていき、まずは干潟内で餌を採っているハマシギ、ミユビシギを観察し、中には夏羽が残るハマシギや幼鳥のミユビシギの姿もありました。やや遠くを見ると群れで行動しているオオソリハシシギが見られ、どこからともなく飛んできたミサゴが杭に止まりました。そして当地の代表種になりつつあるミヤコドリの姿も堪能することができ、美しい飛翔形も見ることができました。その後はハヤブサの登場で一斉に飛び立ったウミネコの群れを見ながら歩き、干潟からやや離れた浜に群れているシロチドリ、さらにはカニを捕食しているダイゼンを見て探鳥を終えました。気が付くと雨は全く降らず、ただし風が冷たく感じました。その後は茨城県に向かうため高速道路を走り、途中、サービスエリアで休憩をとって各自昼食の時間としていただきました。その後は再び小雨が落ちてくる中、午後の観察場所まで移動しましたが、雨は次第に降り方が強くなってきてしまい到着時には激しい降り方になってしまいました。現地では歩いて探鳥しなくてはならない場所がありましたが、雨が降っていたため、まずは車内からでも観察可能な場所をめぐることにしました。最初の場所では小さなハス田にタカブシギ、コアオアシシギ、コチドリの姿があり、さらによく見るとタシギ、そしてツメナガセキレイも見ることができました。まだまだ雨が激しいことから車内から観察できる別の場所に移動し、ここではセイタカシギ、オグロシギ、エリマキシギ、ウズラシギなどを見ることができ、しばらくするとどこからともなく飛んできた3羽のアオアシシギが降り立ちました。時間が過ぎてもなかなか雨が止まないことから、その後は徒歩で探鳥する場所まで行き、ここではヒバリシギ、コアオアシシギ、アオアシシギ、タカブシギ、次に向かった場所ではトウネン、ハマシギ、オジロトウネン、さらには5羽で行動しているウズラシギ、最後はツルシギの姿もあり、かなりの種類を見ることができました。一旦、トイレに立ち寄りましたがまだ1時間ほどあったためもう一度めぐってみると、飛び交うコガモ、ヒドリガモの数が増したように感じられ、夕方になってからはショウドウツバメの姿も目立ってきました。そして最後にはいつの間にかやってきていた3羽のオオハシシギの姿を見てこの日の探鳥を終えました。翌日の天気予報も雨でしたが夕方には一時的に夕陽が見られました。
この日はとにかく雨が止んでくれず残念な探鳥になってしまいました。海水域ではミヤコドリ、オオソリハシシギ、ダイゼン、シロチドリ、ミユビシギ、淡水域ではタカブシギ、クサシギ、タシギ、トウネン、コチドリ、ツルシギ、アオアシシギ、コアオアシシギ、オオハシシギ、オジロトウネン、ウズラシギ、ヒバリシギ、そしてショウドウツバメやツメナガセキレイも見られ、シギチドリ類だけでも21種を観察できました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史