【ツアー報告】初夏の奥日光 戦場ヶ原と日光白根山(再追加設定)2022年6月9日

(写真:ニュウナイスズメ 撮影:向井幸雄様)

主に晩秋や冬季にツアー企画してきた奥日光ですが、今期からは初企画として初夏にも訪れることにしてみました。奥日光には標高約1400ⅿの戦場ヶ原があり、周辺には森林があります。またわずかな距離には標高約1700ⅿの日光白根山登山口があるため、今回はノビタキ、ホオアカなどの草原の野鳥、キビタキ、コサメビタキなどの森林の野鳥に加え、コマドリ、ルリビタキといった亜高山帯の野鳥たちも観察するといった具合に3つの環境をめぐることにしました。もちろんカワガラスやカラ類など奥日光を代表する留鳥たちも豊富なため、ちょうど賑やかな時期でしょう。ただこの日は天気予報がはっきりせず、大気の状態が不安定との予報が出ていました。

9日、早朝の東京駅前はどんよりとした空模様でいつ雨が落ちてきても不思議ではない空模様でした。奥日光は現地までの距離があるため出発時間を通常のツアーよりも早めの07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を走りましたが、この辺りからは小雨模様になり、おなじみのいろは坂では深い濃霧で視界不良となってしまいました。ただ、左手に中禅寺湖が見えた頃からは空は見る見る青空に変わり、最初に到着した場所ではさっきまでの空模様がウソであるかのような見事な青空が広がる中、まずは観察機材準備をしていただきました。この日は順調に奥日光に到着できたことから、まずは日光白根山登山口に向かいました。金精峠を過ぎると周囲はすっかり亜高山帯の植生に変わり、到着後は遊歩道沿いに歩きました。この日は全体的に閑散としていましたが近くの木には夏羽のモズが止まり、遠くからはビンズイのさえずりが聞こえたため、少々歩いて行くと梢でさえずるビンズイの姿を見ることができました。周辺からはヒガラ、メボソムシクイ、ルリビタキのさえずりが聞こえ、針葉樹のてっぺんではコガラがさえずっていました。その後はようやく枯れ木に止まってさえずっているミソサザイをじっくりと観察することができました。また駐車場まで戻るとコゲラが幹を登り、付近にはエナガのつがい、ヒガラの姿も見ることができました。その後は一旦、湯滝まで移動して各自昼食の時間として、その後は木道を歩いてみました。早速、眼下の切り株に止まってさえずっているミソサザイを見ることができ、さらに進むと盛んにさえずっているキビタキにも出会うことができました。また付近ではゴジュウカラが幹を登ったり降りたりしながら餌を探し、来た道を戻ると針葉樹のてっぺんでさえずっているオオルリがいたため望遠鏡を使って観察することができました。その後はこの日最後の探鳥地の戦場ヶ原に向かいました。駐車場内ではキセキレイが餌探しに夢中で飛び回り、林に入ると珍しくホトトギスが頭上に止まったため、なんとか望遠鏡でその姿を捉えることができました。そしてさらに進むと再びカラマツに止まって鳴いているホトトギスを見ることができました。木道をさらに進むとズミに止まって鳴くアオジや水浴びをしに来ているニュウナイスズメを見ることができ、草原内ではおなじみのノビタキ、ホオアカ、モズ、そしてビンズイの姿も見ることができ、戻る途中ではカラマツに止まっているカッコウも見ることができました。そしておそらくは当地では初めてと思われるオオヨシキリのさえずりを聞きながら最後にオシドリのつがいを見てこの日の探鳥を終えました。

出発時はどうなることかと心配でしたが、現地到着と同時に快晴になるという幸運があり、結果的には傘の出番がない一日でした。日光の草原を代表するノビタキやホオアカ、カッコウ、ビンズイ、ニュウナイスズメ、そしてこの日はホトトギスの姿を見る機会もあり、林ではキビタキやオオルリ、コサメビタキ、ミソサザイ、アオジ、またオシドリのつがいにも出会い、短時間ながらも内容濃い探鳥ができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ホオアカ 撮影:向井幸雄様

 

ノビタキ 撮影:向井幸雄様

 

ニュウナイスズメ 撮影:向井幸雄様

 

ノビタキ 撮影:向井幸雄様

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