【ツアー報告】初夏の奥日光 戦場ヶ原と日光白根山 2022年5月25日

(写真:ミソサザイ 撮影:松岡哲弘様)

主に晩秋や冬季にツアー企画してきた奥日光ですが、今期からは初企画として初夏にも訪れることにしてみました。奥日光には標高約1400ⅿの戦場ヶ原があり、周辺には森林があります。またわずかな距離には標高約1700ⅿの日光白根山登山口があるため、今回はノビタキ、ホオアカなどの草原の野鳥、キビタキ、コサメビタキなどの森林の野鳥に加え、コマドリ、ルリビタキといった亜高山帯の野鳥たちも観察するといった具合に3つの環境をめぐることにしました。もちろんカワガラスやカラ類など奥日光を代表する留鳥たちも豊富なため、ちょうど賑やかな時期でしょう。この日は幸いにも天気予報は終日晴れとのことでした。

25日、終日晴れマーク一色だったため、それほど心配はしていませんでしたが早朝の東京駅前はどんよりとした曇り空でやや涼しい印象がありました。奥日光は現地までの距離があるため出発時間を通常のツアーよりも早めの07:30としていますが、今回も順調にご集合が完了したことからほぼ予定通り出発することができました。バス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂を上っていきました。この辺りからはようやく空が青空に変わってきて一安心。最初に到着した三本松では見事な青空の下、観察機材準備をしていただきましたが、早速、カッコウが飛んできてカラマツのてっぺんに止まってくれました。この日は順調に奥日光に到着できたことから、まずは日光白根山登山口に向かいました。金精峠を過ぎると周囲はすっかり亜高山帯の植生に変わり、一部に残雪も見られました。到着後は遊歩道沿いに歩きました。川沿いではミソサザイが賑やかに歌いながら動き回り、水浴びを終えた後と思われるカケスがじっと枝に止まって羽繕いをしていました。周囲からはジュウイチやヒガラ、メボソムシクイ、ルリビタキ、キクイタダキ、コマドリなどのさえずりが聞こえ、モズが枯れ木に止まっていました。ただ期待していたほどの鳥には出会えず、ようやく最後にさえずっているビンズイをじっくりと見ることができました。その後は湯滝まで移動して一旦、各自昼食の時間として、その後は木道を歩いてみました。早速、カワガラスが間近にある流木に止まり、周囲からはコガラ、ヒガラ、シジュウカラの声が聞こえていました。さらに進むと針葉樹の林でさえずるキビタキに出会うことができ、さらには梢で朗々とさえずるオオルリに出会うこともできました。戻る途中では枝先で動き回るコガラのつがいを間近に見ることもでき、ようやく賑やかにさえずっているミソサザイを望遠鏡でとらえてじっくりと観察することもできました。さらに帰り間際には流木にこびりついたコケをむしっているミソサザイのおもしろい行動を見ることもできました。その後はこの日最後の探鳥地の戦場ヶ原に向かいましたが、ここからは怪しげな雲がやってきて、遠くでは雷鳴も響いていました。駐車場ではキセキレイが忙しそうに歩き回りながら餌を探していて、森の奥からはアカゲラの声が聞こえていました。森に入ると早速、コサメビタキが忙しく動き回り、アオジ、ウグイス、キビタキなどのさえずりが聞こえてきました。木道に入ると川にはカルガモ、マガモの姿があり、戦場ヶ原が一望Dきる場所までくると、間近にホオアカが止まっていたため望遠鏡でじっくりと見ることができました。ただこの日はノビタキの姿はあったもののかなり距離があり残念でした。一方でアオジがかなりの個体数さえずっていたため、ズミに止まってさえずっている個体をいくつも見ることができました。戻る途中からは一時、雨が降ってくる場面もありましたが、さえずっているウグイスや木に止まっているニュウナイスズメ、さえずっているキビタキなどもじっくりと見ることができ16:30に探鳥を終了しました。

この日は夕方に一時的に雨が降ってきてはしまいましたが、なんとか無事に探鳥を終えることができました。亜高山帯の鳥たちの出が今一つといった感じでしたが、奥日光の林を代表するキビタキやコサメビタキ、オオルリ、ニュウナイスズメ、アオジ、ウグイスなどをじっくりと見ることができ、草原ではノビタキやホオアカ、カッコウ、川沿いではカワガラスやミソサザイなどを見ることができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。

石田光史

ビンズイ 撮影:芝田恵美様

 

カワガラス 撮影:松岡哲弘様

 

カケス 撮影:松岡哲弘様

 

ウグイス 撮影:松岡哲弘様

 

コサメビタキ 撮影:松岡哲弘様

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