【ツアー報告】キクイタダキに会いたい！８月の富士山五合目 ２０１５年８月２６日（水）＜追加設定＞
好評をいただいております富士山五合目で高山鳥を観察する日帰りバスツアー。前日に引き続いての催行でしたが、台風はさらに接近して九州を北上し終えた辺りだったため早朝から雨が降っていました。東京駅に到着した頃はかなり強い雨が降っていましたが、天気予報は昼前から曇りとのことでした。
２６日、早朝の東京駅前はかなり激しい雨でしたが、皆様ほぼ時間通りにご集合されたため、心配していたような大きなトラブルはなく出発することができました。高速道路にあるサービスエリアに向かう途中から雨はほとんど気にならなくなり、道路もほとんど濡れていないようでした。サービスエリアに到着した頃には山にかかっていた霧が見る見る晴れて行く光景が見られ、心なしか空が明るくなってきているように感じました。最悪の状況を覚悟しての出発だったため幾分気持ちが楽になっていました。その後もルート上では雨はなく、富士スバルラインを走っている途中には晴れ間も見え始めました。１０：４０に五合目に到着し、バスを降りてみましたが昨日同様に肌寒く、台風の影響からかやや強い風が吹いていました。トイレなどを済ませてから小道を下っていきましたが、途中の林からキクイタダキの声が聞こえたため足を止めて見てみると、どうやら数羽のキクイタダキが鳴き交わしているようでした。見ていると比較的近い場所にキクイタダキの姿があり、その個体を観察しているとその近くにもう一羽、そしてコガラの姿も見ることができました。
その後は水場で観察を始めましたが、１１：３０頃からは空はすっかり青空になっていました。ただ、この日は風のせいか、小鳥たちがほとんど水場にやってくることはなく残念でした。視界は悪いながらも天候は良かったため１３：３０から遊歩道を歩くことにしました。風があったことから雲は勢いよく流れ、時より富士山の山肌を見ることができ、登山中の学生たちの姿が見えました。また、展望台からは雲が流れると同時に眼下のゴルフ場や市街地が見えていました。帰り道にはカラマツの枝先にぶら下がるようにして餌を探すヒガラの姿を見ることができました。その後は再び水場に戻って観察を続けることにしました。水場は圧倒的に午後のほうが賑やかになるため期待しましたが、この日はどういうわけかなかなか小鳥たちがやってきてくれません。ただようやく１４：１０にルリビタキがやってきて何度か水浴びをしてくれました。一見すると地味な姿でメス個体のようでしたが、よく見ると体のあちらこちらに青い羽毛があり、どうやらオスの若い個体のようでした。そして１５：４５にはここまで全く声を聞くこともできていなかったメボソムシクイがやってきて何度か水浴びをしてくれました。バス車内にてよく似ているセンダイムシクイ、エゾムシクイとの違いについての解説もしておきましたので、あらためて相違点を確認できたのではなかったでしょうか。この後は時間をやや延長して待ってみましたが残念ながら鳥の出現はなく１６：３０に現地を後にしました。
今回は台風の接近に伴い、集合時間帯にすでにかなりの雨量だったにもかかわらずご参加いただきましてありがとうございました。途中、晴れ間が出るなど幸いかと思いましたが、予想していたような鳥たちの出現がなく残念でした。とはいえ東京から日帰りでキクイタダキやホシガラスなどの高山鳥を観察することができる貴重な探鳥地です。今後も暑さが厳しい時期に企画して行きます。この度はお疲れ様でした。
石田 光史
