【ツアー報告】春の渡り鳥を求めて!新潟県・粟島 2022年4月30日~5月2日
(写真:コシャクシギ 撮影:大槻繁様)
30日、粟島に到着すると、晴天の空からの日差しがまぶしく暑さを感じるような陽気。まずは港のそばにある公園でキマユホオジロを観察してから、宿泊する民宿に向かう。民宿で小休憩後に農耕地を歩き始めると、コシャクシギを観察することができた。今春は例年に無く各地で出現の話を聞く本種だが、ここ粟島でも2日前に発見されたらしいが、粟島では過去に本種が確認された時も滞在時間が短いことが多いため、観察することができるか半信半疑であったが、無事に観察することができて、幸先の良い嬉しい出会いとなった。他にもエゾムシクイ、コサメビタキ、コムクドリなどこの時期らしい渡り鳥たちの姿を観察する。
1日、目を覚ますと、雨が屋根をたたく音が聞こえる。窓を開けると、天気予報通りの雨。朝食前に畑を歩くが、昨晩のうちに旅立った鳥が多かったのか、昨日よりも鳥影が薄くなっている。降り続く雨の中、午前中も農耕地を歩くと、きれいな煉瓦色の夏羽になったムネアカタヒバリやノビタキなどを観察することができたが、厳しい観察条件に加えて、鳥の姿も減ったようで、なかなか新しい種と出会うことができないままに時間が過ぎていく。また夜明けから降り続く雨はひと時も止むことが無く、日没までずっと降り続いていた。
2日、昨日中降り続いていた雨も止んで、気持ちの良い朝。粟島の渡り鳥の玄関口から本日のバードウォッチングを開始すると、周りではアカハラ、クロツグミ、エゾムシクイ、センダイムシクイなどがにぎやかにさえずり、ヒガラ、シジュウカラ、メジロなど小鳥の群れが次々と海上に飛び出していき、それを待ち構えているハヤブサが上空を待っている。隣接する畑地に場所を移すと、こちらではノゴマがよく囀っている。宿に戻ってひと休みした後、昨日から話があったアカエリカイツブリをようやく確認する。夏羽の色鮮やかな装いで頬の銀色が美しい。その後、早朝に確認されたというアカガシラサギを探しに向かうも、残念ながらこちらは発見することができなかった。昼が近づくにつれ、鳥の活動も鈍ってきたが、神社では雄のキビタキがその美しい姿を存分に楽しませてくれた。島開きで賑やかな港を出港した後の晴天、無風の航路では、きれいな夏羽に変わったシロエリオオハムが何回も現れたほか、アカエリヒレアシシギやウミスズメも現れ、今回の旅を締めくくってくれた。
今春は各地で例年に無く多くコシャクシギが現れておりますが、粟島にも久しぶりに現れ、私たちも幸運にも観察することができました。新型コロナウィルスがいまだ収まらないなか、ご参加いただいた皆様には心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
田仲謙介