【ツアー報告】東シナ海第四の秘島 春の粟国島(追加設定) 2022年4月22日~25日
(写真:コシャクシギ 撮影:小原伸一様)
22日、12:20那覇空港を出発。粟国島ツアーだが、粟国島へ行くフェリーが1日1便なので、本日は沖縄本島で鳥を見る。まずは海岸へ行く。この春はシギ・チドリ類がずっと寂しかったのだが、ここ数日でどんどん渡って来て賑やかになった。メダイチドリ、オオメダイチドリ、サルハマシギ、アオアシシギ、セイタカシギ、ウズラシギ、キョウジョシギなどなどをみなさんでじっくりと観察、撮影する。すると大型のアジサシが飛び回っているので見ると「ハシブトアジサシだ!」。思いもかけない鳥の出現にみなさんで盛り上がる。さらに真っ赤なコオバシギの夏羽も現れて盛り上がる。その後は耕作地へ行く。農道をゆっくり走るとウズラシギ23羽、セイタカシギ6羽、コアオアシシギ1羽がいてみなさんでじっくりと観察、撮影する。さらに、シマキンパラ20羽程の群れが餌を食べててみなさんで堪能する。そして、帰り際、ツアーになるとどうしても見られないリュウキュウヨシゴイ雌を発見。もちろん、みなさんでじっくりと観察、撮影したのである。
23日、早朝にホテルを出発。クロツラヘラサギ6羽をはじめ、セイタカシギ、アオアシシギ、アカアシシギ、ウズラシギ、ヒバリシギ、コチドリなどをみなさんでじっくりと観察、撮影。朝食後に周辺の岩礁でオオメダイチドリ、ソリハシシギ、ミユビシギ、キョウジョシギなどを観察、撮影して、急いで那覇の港に到着。乗船手続き等を行い出港。「ニューフェリーあぐに」は粟国村が運航している全長65m、451トン、定員270名の立派なフェリーなのだ。粟国島は那覇市の北西約60kmに位置し、面積約7.6k㎡、周囲12.8km、産業は主に農業と漁業だが、近年では製塩業も有名である。周囲に島がないことから渡り鳥が立ち寄る離島として一部のバーダーの間では昔から有名で勝手に「沖縄の舳倉島」と呼んでいる。那覇から粟国島まで約2時間。どうも南の島の海というとカツオドリやネッタイチョウがばんばん飛ぶというイメージを持っている人が多いようだが、まったくそんなことはなく、心が折れるほど鳥がいないのだ。粟国島に着岸、昼食後にサンコウチョウをみなさんで観察、撮影する。途中の貯水池でアカガシラサギのほぼ夏羽がいてみなさんで盛り上がる。今日は我々の他に知り合い2グループが鳥見に来島しているので連絡を取り合う。浜の耕作地にツバメチドリがいるとの情報で向かうと、ムナグロ約50羽の群れにツバメチドリ15羽がいて、なんとそれらにコシャクシギ7羽も混じっているではないか。慌ててみなさんでじっくりと観察、撮影する。今春は日本全国でコシャクシギの飛来が話題になっているが、やっと、沖縄もブームに乗れた感じなのだ。その後、西の耕作地の畑を1枚1枚丹念に回って亜種タイワンハクセキレイ15羽を発見。そこにツメナガセキレイのまっ黄色な夏羽2羽もいてみなさんで盛り上がる。上空ではサシバやノスリが次々と渡っていく。ミゾゴイの情報を貰ったので林内を歩くとコサメビタキ、アトリ、サンショウクイなどがいたがミゾゴイは見られない。アカガシラサギの夏羽があちこちにいる。その後はコムクドリ20羽程を見てからチェックイン。小さな離島には珍しくプチホテルがあり、全員個室でウォッシュレット完備というのが素晴らしい。
24日、早朝にホテル周辺を歩く。インドハッカ、シマキンパラなどを観察していると雨が酷くなってきたのでホテルに戻る。朝食後にミゾゴイの情報を貰った場所へ行く。ミゾゴイには会えなかったがアカショウビンを一部の人が観察。耕作地を廻るとノビタキがたくさん入って来ている。昨日のコシャクシギを見たの耕作地へ行くとコシャクシギ6羽、ツバメチドリ15羽、ムナグロ30羽が車の前を次々に横切っていくのでみなさんで盛り上がる。貯水池からアカガシラサギ夏羽が飛び立って灌木にとまったのでみなさんでじっくりと観察、撮影する。昼食後も耕作地を廻るが新たな種は入っていない。13:30 風が強くなり雨が横殴りとなってきた。この後、前線が通過し1時間で20mm以上の雨が降るという予報なので14:00にホテルに戻って待機とする。15:45 雨も上がり薄日が差してきた。再び、車で耕作地や牧場、林縁などを廻り、ムクドリ、ノジコなどの新しい種を増やす。夕方に再びミゾゴイを探すといきなり切り株の後ろから飛び立ち、一部の人しか見られないまま樹林の中へと入ってしまった。
25日、早朝にホテル周辺を歩く。ツバメが多く飛んでいる。シマキンパラが畑で餌を啄んでいるのをみなさんでじっくりと観察、撮影する。朝食後、学校、牧場、耕作地など全て廻るが鳥が抜けてしまい新たな鳥は入って来ていない。その後は海岸に行き、オオメダイチドリで盛り上がる。タイワンハクセキレイ、ムナグロ、ツバメチドリも残っていて、みなさんで観察、撮影する。昼食後、洞寺の鍾乳洞を見学してフェリー乗り場へ行き出港。海上を渡っていくサシバ4羽を見送ってに着岸。16:40に那覇空港へ到着したのである。渡り鳥の中継地・粟国島。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁