【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい!(追加設定)2022年3月1日
(写真:トラツグミ)
冬鳥と呼ばれる野鳥たちは毎冬必ず渡ってくるわけではないため、バードウォッチャーにとってはこの冬に見られるのか見られないのか気になるものです。その代表種ともいえるのが今回タイトルにもなっているレンジャクの仲間。日本では主に2種が知られていますが、いずれも独特の風貌と群れで右往左往する行動、さらにはヤドリギとの共生という特徴などから毎冬注目されています。毎年、11月中下旬には北海道各地から飛来情報があるのですが、今年は各地から飛来情報がなく、どうやら日本各地に飛来していない状況の中での催行となってしまいました。ただ、この日は前回に引き続いて暖かな1日になるとの予報で東京の最高気温は21℃予想、群馬県も18℃とのことでした。
1日、早朝から快晴の東京駅前にご集合いただき、予定通り08:30に出発してこの日は群馬県に向かいました。移動中はレンジャクをはじめ、この日に見られそうな鳥の解説などをしながら進み、途中休憩を挟んでも2時間ほどで現地に到着しました。この日も前回にアメリカヒドリのオスが見られた池に立ち寄ることにしました。到着するとさすがの陽気にウグイスが鳴き、芝生には間もなく渡っていくツグミの姿もありました。湖畔から見るとアメリカヒドリの姿がなく驚きましたが、ちょうど池のへりの部分にはりつくように休んでいるのを見つけることができ、この日もじっくりと観察することができました。ほかにもコガモ、ハシビロガモ、キンクロハジロ、マガモ、カルガモ、ホシハジロ、ヒドリガモなどを観察してから、予定していた最初のポイントに移動しました。ひとまず園内各所にあるヤドリギを見てみましたが、残念ながらこの日もレンジャクの姿はありませんでしたが、暖かいせいかイカルが賑やかにさえずり、しばらく見ていると地上に降りて餌を探し始めました。付近にはシメ、ツグミ、シジュウカラもかなりの数が餌を探していて、頭上にはエナガの群れがやってきました。さらに歩いてみるとモズやジョウビタキが見られ、その後は一旦、各自昼食の時間としました。昼食後はそもそもこのツアーを作るきっかけになった赤城山のポイントまで移動しました。ここもかなりの数のヤドリギが見られましたが残念ながらレンジャクの姿はなく、その後はこのツアーの最後のポイントに移動しました。園内に入ると予想以上に閑散としていましたが、とある場所ではアトリの群れが飛び回っていて桜の木に群れる様子を観察することができたほか、草地ではツグミが歩きまわり、湿地帯ではトラツグミに出会うことができ、しばらく観察していると間近に3羽のエナガがやってきて威嚇行為をしていました。さらには1羽のカシラダカが間近にやってきてその姿を楽しませてくれ、高木にはアカゲラもやってきてじっくりとその姿を見せてくれました。帰り間際にはシジュウカラ、ヤマガラの混群が見られたほか、アオゲラが頭上の木にやってきてくれツアーを締めくくってくれました。出発時は春のような陽気ではありましたが午後からは風が冷たく小雨もあり、終わってみれば肌寒い印象が残った1日でした。
この冬はレンジャクの飛来が無かったようで結果的にはレンジャクに出会うことができず残念でした。来年の冬はきっとやってきてくれると期待して待ちたいと思います。ただ、この日も前回同様に間もなく渡っていくカモたちが美しく見えアメリカヒドリのオスに出会えた他、アトリ、イカル、シメ、ジョウビタキ、カシラダカ、シロハラ、ツグミ、トラツグミといった冬の鳥たちを最後にまとめて見ることもできました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史