【ツアー報告】出水・諫早・有明海 冬の九州縦断(追加設定) 2022年2月1日~3日
(写真:ソデグロヅル 撮影:香西宏明様)
1日、鹿児島空港に8名のお客様にお集まりいただいた。 新型コロナウィルス感染に留意しながらツアースタート。 天候は曇りで風も無く絶好の探鳥日和。 今回は小型バスを利用。 早速、第一目的地に向かって出発する。現地到着直後から次第に風が強くなり気温も下がり、小雨まで降り始めた。クロツラヘラサギ、アボセット、タシギ、バン等を観察するも懸案のツリスガラは今回も達成できず。 居るのになぁ!先を急ぐ。 次のポイントに到着したが雨が本降りになり寒い。 唯一の収穫はイカルチドリだった。 気を取り直して第一日目の目的地である出水に出発し約1時間強で到着。 平日のためか車が少なく移動がスムースで途中から雨も小降りになってきた。ツル観察舎のある西干拓に到着する頃には雨も止んだ。 飛来数総数16,840羽。 早速、ソデグロヅルを探す。本命は難なく見つかった。農道に近いところで採餌している。 バスを横付けし車窓から撮影開始。 何度か翼を広げ黒い初列風切り(ソデグロ)を披露してくれた。小さなカナダヅルはソデグロヅルの直ぐ側で採餌中。ツルカウントボードには4羽とあったが最終的には7羽を確認した。 ただ残念なことに暗い曇天下ではあの美しいブルーグレイは濃い灰色にしか見えなかった。 明日午前中の再チャレンジに賭けよう。 他にもクロヅル、ナベクロも観察できた。 夕方になりかなり冷え込んできたため本日の探鳥を終了しホテルに向かった。
2日、天候は曇り。 早朝冷え込む。 朝食を早々に済ませ夜明け前の暗い中ホテルを出発する。 朝の餌やりが丁度終了する頃に到着。 けたたましい声を上げながらツルの大群が夜明け前の空を乱舞している。 圧巻の風景に全員しばし感動する。 いくつかの移動を繰り返し、群れ全体の動きが安定してきた。 期待のソデグロヅルは群れの最も遠い端にいて餌取りに夢中。 顔もあげず撒かれた飼料を貪っている。 少し時間を空けて再度チャレンジすることにして、一旦移動する。 途中、ミヤマガラスの群れに遭遇する。よく見ると数十羽のコクマルガラスが混じっている。 白黒パンダの成鳥も数羽いる。その後観察センターに移動し、ホシムクドリ、タシギなどを確認した。 暫く観察した後に戻るとソデグロヅルは道路に近いところでマナヅル家族と採餌していた。 今日はサービスも良好で時間をおかずに羽ばたいてくれリベンジ終了。 出水を出発した。フェリーが定刻に出港。 対岸の島原港までちょうど一時間の船旅だ。 不知火海は今日も穏やか。 荒れることが滅多にない。 カツオドリは出発直後から散発的に出現。 航路上、数個ある沖のブイにも数羽ずつ止まっている。島原港が迫ってきた時、遠く海上の複数漁船周辺に採餌ダイビングを繰り返す群れが見えた。接近遭遇には運も必要。島原港から次の目的地諫早干拓までは約一時間の行程。現地はいつも強風で寒いことが多いが、12月に続き今回も大丈夫だった。広大なヨシ原を眺める。360°見渡すと遠くを複数羽のチュウヒやハイイロチュウヒが飛翔している。撮影は短時間の勝負だ!約1時間の観察時間中、ハイイロチュウヒ雌が数度我々の直ぐ近くを飛翔してくれた。ここで二日目はタイムアップ。 全員満足し本日の宿泊地に向かった。
3日、今回のツアーもいよいよ最終日。 目的地は国内最大級の東与賀干潟だ。 数千羽のシギ・チドリ、ツクシガモ、ズグロカモメなどが迎えてくれる。 トモエガモ、ツリスガラが目的だが近年観察がなかなか難しい。 対岸の工事も数年続いている。 声もしないため早々に切り上げ、東与賀干潟に向かう。 春秋のシギ・チドリピーク時には鳥見客も観光客も多くたいそうな賑わいになるが、今はシーズンオフ。 比較的静かに鳥に集中できる。じっくり観察・撮影を楽しめる。ここが初めての方々はまずその数に圧倒される。ツクシガモ、ズグロカモメは数千羽。 その他のチドリ類も数百羽。それらがハヤブサに追われ一斉に乱舞する景色は圧巻‼︎クロツラヘラサギ、ヘラサギも30羽以上、アボセットは15羽まで増えた。 一方、シギ・チドリ類を丁寧に見ていくとホウロクシギ、コアオアシシギ、オオソリハシシギ、オオハシシギなども観察できた。三日間で九州の三大越冬地を巡るこのツアー。 今回もソデグロヅルをはじめ様々な野鳥に会うことができた。 最後になりますがご参加いただいた皆様に心より御礼申し上げます。 ありがとうございました。
波多野邦彦