【ツアー報告】アオシギに会いたい!奥日光ハイキング(再追加設定) 2021年12月1日
(写真:キバシリ 撮影:松岡哲弘様)
数ある日帰りバスツアーの中でも移動時間が長い奥日光へ向かうツアー。おかげさまで今期3度目となりました。このツアーは平地では越冬しないアオシギ、カワガラス、キバシリ、ゴジュウカラ、コガラといった種を観察することを目的として企画し、中でも観察が難しいアオシギとの出会いに期待したツアーです。紅葉の時期に合わせれば紅葉も楽しめるわけではありますが、大変に混雑することから時期を若干遅らせ、渡ってきたばかりの冬鳥たちにも期待できる時期設定にしています。過去には積雪があったり、小雪が舞ったりすることもあった奥日光ですが、今回は前夜から台風並みの嵐となってしまい、その影響で早朝まで風雨が残るものの昼前からは晴れてくるとの予報でした。
1日、早朝の東京駅前はまさに滝のようという言葉がぴったりな激しい雨。トラブルがないよう06:30には東京駅についていましたが、ひさしのある場所にいてもスボンが濡れてしまうほどの勢いで、屋根を叩く雨音も過去に経験したことがないほどでした。ただ、皆様早め早めのご集合を徹底していただけたことからこれといったトラブルはなく、ほぼ予定通り東京駅前を出発することができました。幸いなことに出発に合わせるように雨は上がり、空には一部で青空も見えてきていました。移動中のバス車内ではいつものようにこの日見られる可能性がある野鳥たちの解説を行い、途中にあるサービスエリアで休憩をとった後は日光有料道路を経由して、おなじみのいろは坂を上り、やや風があるものの中禅寺湖を眺めながらまずは戦場ヶ原にある駐車場で観察機材準備をしていただき、最初のポイントに向かいました。先月は遠足の小学生たちであふれかえっていました、月が変わって人の姿はまばらで鳥を見るには良い条件と言えるでしょう。少々冷たく感じる空気を感じながら川沿いを歩くと、ここでは最も元気があるカワガラスが流木に止まってくれたため望遠鏡でじっくりと観察することができました。またまだまだ肌寒いにもかかわらずミソサザイがさえずり、川辺で餌を探す様子も見ることができました。ただこの日はかなり時間をかけてアオシギを探しましたが午前中にその姿を見ることはできませんでした。ただ戻る途中ではかなり大きなカラ類の混群に出会うことができました。ヒガラはかなりの数で針葉樹に群れ、コガラも枯れ木の枝先に出てきてその姿をじっくりと見せてくれました。またキバシリが目線ほどの高さの場所でしばらく餌を採ってくれたことから珍しくゆっくりと観察することはでき、その後はゴジュウカラやコゲラ、そしてエナガに至っては15羽ほどの大きな群れで間近にやってきて楽しませてくれました。そして驚いたことに上空をオジロワシが舞うというラッキーもありました。やや時間が押してしまいましたがその後は一旦、昼食の時間としましたが、その最中にもアカゲラが現れて枯れ木をつつく様子を見ることができました。ある程度、小鳥類が見られたことから午後は再びアオシギを探してこれまで行っていないポイントを見てみましたがここでもアオシギの姿はなく、最後に再び最初に行った場所の特に過去によくアオシギの姿が見られている場所を重点的に探してみましたが、この日は結局、残念ながらアオシギに出会うことはできませんでした。
前夜から当日早朝の大嵐でどうなることかと思いましたが無事出発することができ、また現地では傘の出番はなく探鳥ができまずは幸いでした。主な目的であったアオシギに出会うことができず残念でしたが、ぜひまたチャレンジしていただければと思います。一方、天気の回復のせいか小鳥たちの動きは好調でカワガラスやキバシリ、ゴジュウカラ、コガラ、エナガ、ヒガラ、アカゲラなどに出会うことができ、オジロワシの登場はラッキーでした。この度はご参加いただきありがとうございました。またの機会、ご一緒できましたら幸いです。
石田光史