【ツアー報告】渡り鳥の中継地 秋の粟島 2021年10月15日~17日
15日、粟島に到着後、最初に向かった島の農耕地にかなりの数のカシラダカが入っていることが、聴こえてくる声からも確認できるが、耕作放棄地の草やぶが増えていて観察しづらい。それでも丁寧に観察していくと、カシラダカのほかに、ミヤマホオジロやノジコの姿も確認することができた。
その後に別の畑地で観察を再開すると、カシラダカのほかにツグミ、シロハラが多く見られるが、例年であれば数多く観られるジョウビタキの姿が異様に少なく感じられる。一時間ほど観察したところで雨が降り始めてきて、次第に雨脚が強くなってきたので雨宿りをしていると、雨が降るなかでも上空にチゴハヤブサが現れた。雨が強まってきたからか、畑地で餌を取っていたミヤマガラスも一斉に電線に集まってきた。畑地に降りていると、なかなか全体数が把握できなかったが、その数およそ60羽。大群を作るミヤマガラスにしたら大きくない群れだが、粟島では数羽で観られることが多く、このような大きな群れを観察した記憶は無く、少し驚かされた。しかし、その後も雨が弱まる気配を見せないため、予定よりも少し早めに探鳥を切り上げ、宿に戻る。夜になって、最終日の船が欠航する見込みが高いという、聞きたくない話が舞い込んできた。波の状況を確認すると高波の予報が出ており、確かにこれでは欠航する可能性が高そうで、翌日に再度、確認することとする。
翌16日、朝食前に畑地を歩くと、昨日は観られなかった50羽ほどのマヒワ群れが飛び交い、アトリの数も増えている。昨晩のうちに変化があったようだ。宿に戻って朝食を食べていると、やはり明日の船は欠航する見通しが高いという。さらに、その翌日の見通しも立たないということで、2延泊を避けるために、本日の船で島を離れることを決定する。そうなると、この朝食後の探鳥が最後の探鳥となるのだが、ここでも不運なことに探鳥途中から雨が降り始めてきた。そのなかで、針葉樹の梢に降りたマヒワの群れやニュウナイスズメなどを観察して観察を終える。
お昼ご飯を食べた後に荷物の片づけをして、急いで港に向かう。すると、出航直前まで港周辺で鳥を探していた方がムギマキを見つけられたので、急いで確認に向かう。出航直前にその姿を確認した後にフェリーに乗り込み、後ろ髪をひかれる思いで粟島を後にした。
今回は残念ながら1日短い行程となってしまい、ご期待、ご予定いただいたご参加者の皆様と共に残念な気持ちでいっぱいですが、その分だけ来年への期待が高まります。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
田仲謙介