【ツアー報告】秋の対馬 大群で渡るアカハラダカと渡りの小鳥たち 2021年9月14日~16日
(写真:ツメナガセキレイ 撮影:芝田恵美様)
14日朝、羽田集合でご集合の皆様がお集まりいただいたのちに羽田空港でチェックインをすると、福岡から対馬の便の運航が天候調査の対象となり、離陸するかどうかは福岡空港に着いてからでないと分からないと告げられ、なんとも落ち着かない気持ちでの旅の始まりとなりました。予定通りに飛行機が飛ぶと分かるまでは落ち着ない気持ちのまま過ごすこととなりましたが、福岡を予定通りに離陸した飛行機は対馬に到着することができました。しかし、空港から最初の探鳥地である水田地帯に向かう間も、雨が強くなったり、弱くなったりを繰り返しながら、車窓をたたきます。到着するとタイミングが悪いことに雨が本降りでしたので、最初はバスの車窓からのバードウォッチングとなりました。水田ではツメナガセキレイの小群が稲の間を動きまわっていますが、降雨の影響もあり、しっかりと観察することがなかなかできませんでしたが、その姿を追っていると水田内でじっと佇むチュウジシギを観察することができました。雨が少し弱まったタイミングで少し歩きますが、なかなか新たな鳥の発見につながりません。次いで訪れた水田も雨が降るなかでの探鳥となりましたが、ここでは渡り途中のシマアカモズの姿を見つけることができました。
翌16日は昨日までの雨も止んでくれ、曇り空のもとでの出発となりました。まずはアカハラダカの渡りが見られる展望台に向かいます。展望台に到着すると、強い北風が吹きつけており、肌寒さも感じるなかでの観察となりました。すでに観察をしている対馬野鳥の会の方に状況をうかがうと、アカハラダカも飛んではいるが距離が遠く、数も少ないとのこと。その後、展望台で待っていると遠方を飛ぶ姿が認められますが、いかんせん遠く、なかなか観察したという気になりません。このような風の強い日には島内に降りて休んでいる可能性がある、とのことで峠を後に休んでいそうな場所へと向かい、その姿を探しますが、残念ながら見つかったのはチョウゲンボウだけでした。午後からは昨日も雨のなか訪れた水田地帯に向かいますが、ここでも依然、強風が吹く厳しい条件下となってしまいましたが、水田には渡ってきたばかりと思われるムネアカタヒバリの姿が見つかりました。その後も観察をしますが、とにかく風が強く、残念ながらここでも渡り途中の小鳥類の姿はなかなか見つからずに終わりました。
最終日17日、本日も雨は降っておらずに曇り空。昨日と同じく、まずは展望台に向かいます。到着すると、やはり昨日同様に北風が強く吹いています、アカハラダカ、チゴハヤブサ、ハヤブサが時々飛び、アカハラダカも昨日より近い距離で現れますが、吹きつける強風にあおられ、渡ることができずに谷筋の森林へと降りてしまいます。予定よりも少し早めに展望台での観察を終えて、水田を訪れると、昨日発見したムネアカタヒバリはまだ観られた一方で、昨日まで観られていたツメナガセキレイの姿は見られなくなっていました。また新たにカラアカモズの姿が見つかり、この強風の厳しいコンディションの中でも秋の渡りが確実に進行していることを感じることができました。水田での観察を終えた後は昼食を食べて、予定通りに空港へと向かいました。
今回は残念ながら天候に恵まれず、この時期の対馬ならではの壮大なアカハラダカの渡りを観察することができませんでしたが、来期こそはと期待しておりますので、また機会を改めて対馬を訪れていただければと思います。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
田仲 謙介