【ツアー報告】夏休みに行く!東京~小笠原父島航路 2021年8月20日~22日
(写真:アカアシカツオドリ 撮影:遠藤英一様)
いよいよ猛暑の季節かと思いきや、今年の夏はまるで梅雨末期のような雨が多い日が続いてしまいどうなることかと心配でしたが、ようやくツアー出発前の木曜日からは夏らしい青空が戻ってきてくれました。ただ一方では相変わらずコロナウイルス感染拡大が終息には向かわず、そのため我々は参加者全員がPCR検査を必須としての出発となりました。この時期の小笠原航路はさまざまな海鳥たちが見られることはもちろん、時には大変珍しい海鳥に出会うこともでき魅力的ですが、言うまでもなく暑さが厳しく、島内での徒歩探鳥は注意が必要なうえ、小鳥類の動きも悪く、海上に出ても暑さで体力の消耗が激しく長時間のクルーズには不向きです。そのため通常、5泊6日の旅になるものの年に何度か実施される3日間往復期間を利用してツアー企画し、父島に4時間ほど滞在できることから南島へのクルーズを実施し、この時期可愛らしい姿を見せてくれるカツオドリの親子も観察することにしました。3日間の週末利用でツアー企画したことから普段なかなか小笠原に出かけられない方でも比較的容易に出かけることができます。近年、7月でも台風発生があるため必ずしも安心できる時期ではありませんが、今回は幸いなことに台風の発生はなく、天気予報も良かったことから大きな問題なくツアーが運行できる状況での出発となりました。
20日、早朝から快晴、まさに真夏の青空が広がる中、集合時間の1時間ほど前に東京竹芝桟橋に到着して準備を進めました。おかげさまで集合時間の10:00には全員のご集合が完了したことから、資料配布、行きのチケットの配布、そして海鳥観察ツアーには欠かすことができなくなったトラベルイヤホンの使用説明を行い、ツアー全体の重要事項の説明、さらには小笠原航路で見られる海鳥たちの識別ポイントなどの解説をしてから乗船しました。
*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
最近では真夏でも台風が発生することが多く、何かと心配することが多いのですが、今年はこれぞ真夏の小笠原といった感じの夏空の下、穏やかな3日間のツアーとなりました。シロハラミズナギドリが少なかったものの、アナドリ、オナガミズナギドリ、カツオドリ、クロアジサシの小笠原海鳥基本5種を見ることができたほか、カワリシロハラミズナギドリ、ハジロミズナギドリ、オーストンウミツバメ、オオアジサシ、そしてさまざまな羽衣のアカアシカツオドリを存分に楽しむことができました。また、航路ではマダライルカの大ジャンプに迎えられ、南島クルーズでは可愛らしいカツオドリのヒナ、そして今回は岩礁に群れるクロアジサシを間近に見ることができたほか、ゆっくりと泳ぐアオウミガメの姿も見られラッキーでした。ここ数年はコロナウイルス感染防止の観点から小笠原に関してはツアー企画の難しさに直面しています。ただ来期は終息していることを祈りつつ、春にはザトウクジラ観察とアホウドリの繁殖地である聟島をセットにした企画、そして夏には3日間で往復可能な航路+南島をセットにした企画も継続していく予定です。別世界のような小笠原の自然を今後もお楽しみいただけましたら幸いです。この度はご参加くださいましてありがとうございました。またご一緒できましたら幸いです。
石田光史