【ツアー報告】クロウミツバメに会いたい!東京~八丈島航路 2021年6月22日~23日
(写真:アカアシカツオドリ 撮影:東佐知子様)
これまで主に春のアホウドリ観察シーズンにのみ乗船していた東海汽船・橘丸ですが、集合解散場所が竹芝桟橋であること、また船のサイズが海鳥観察にはちょうど良いことから、ほかの季節にも海鳥観察ができないかと思案していました。そこでいくつか時期を変えながら乗船してみたところ、夏季は小笠原航路でよく見られるような海鳥たちに出会えることがわかりました。中でもなかなか出会うことが難しいウミツバメ類がよく観察できる時期に新たに海鳥観察ツアーを企画してみました。ほかの航路探鳥に比べると探鳥時間はおおよそ12時間と短いですが、それだけに短期集中的な海鳥観察となります。今回は梅雨ということもあってか終日天気予報が芳しくない中での出航となりました。
22日、この日は週末ではないこと、また他船の出航がないことから集合場所の竹芝桟橋は閑散としていました。我々が乗船する予定だった橘丸がドック入りということで、今回は代わってさるびあ丸に乗船することになりました。さるびあ丸はちょうど1年前に就航した新しい船で構造は基本的には橘丸とほとんど変わらず観察が可能です。予定通り21:30にご集合いただき、その後は資料の配布、トラベルイヤホン使用方法説明、そして翌日の連絡事項、緊急時の対応方法をお伝えし22:10から乗船。東海汽船さるびあ丸は予定通り22:30にまずは三宅島に向けて出港しました。
*諸般の事情から詳しい出現状況をウェブサイトでは公開しておりません。
今回は曇り、雨、晴れと航路探鳥らしい、コロコロ変わる天候の中での探鳥となりました。結果的にはクロウミツバメをはじめとしたウミツバメ類に出会うことができませんでした。海況はややあれといった感じで波も高くはなく、条件としてはかなり良かっただけに残念でした。一方ではアカアシカツオドリの褐色型成鳥が愛想よくしばらく船の周りを飛翔してくれたため、かなりじっくりと観察することができました。また小笠原航路でよく見られる、アナドリやカツオドリ、またシロハラミズナギドリにも出会うことができ、ここ1年ほど訪れることができなかった小笠原の海鳥たちを見る機会にも恵まれました。今後は7月、10月、11月に海鳥観察ツアーを企画し、7月、10月に関しては募集開始しておりますのでぜひご検討ください。今後もトラベルイヤホンを使用してご参加の皆様全員に的確に出現状況をお知らせすることで、海鳥の見逃し、指示の聞き逃しのないよう配慮した海鳥観察ツアーを企画して参ります。この度はご参加いただきましてありがとうございました。またぜひご乗船ください。
石田光史