【ツアー報告】東シナ海第二の秘島 甑島 2021年4月22日~25日
(写真:キマユホオジロ 撮影:小林浩様)
22日、羽田空港発の便が定刻通り到着。9名のお客様をお出迎え。鹿児島空港集合の2名のお客様を加え、11名全員が揃った。さあいよいよ東シナ海第二の秘島甑島ツアーの始まりだ。昨年は新型コロナの影響で中止となり二年ぶり。離島の春の渡りを満喫するぞ。1時間半程のバス移動後、港に到着。高速船に乗込む。遠く離れた台風2号の影響か風が強く海上も波とうねりがあり、探鳥にはやや不向き。それでもお客様がカンムリウミスズメを見つける。約70分で到着。甑島では宿のお出迎え。夕食までの時間、早速周囲を探鳥する。たくさんのウグイスの囀りが聞こえてくる。しばらくするとカラスバトのウーッ、ウーッという唸るような声が響いてきた。早速お客様が姿を捉え、全員で撮影、観察する。ここはおそらくカラスバトとの距離が国内で一番近い島だと思う。それ程たくさんのカラスバトが身近で見られる。やや遠目だが山側上空にノスリの帆翔する姿を捉えた。翼が長く初列風切りの大きなフラッシュが透けて見えた。オオノスリだ!ただすぐに稜線向こうに見えなくなった。短時間の探鳥後、宿に戻り豪華な食事に舌鼓をうった。明日からの探鳥が楽しみだ!
23日、昨晩はアオバズクの声が聞こえてきた。早朝探鳥では複数個体のカラスバトの声と姿、また30羽程のサンショウクイを観察することができた。朝食後、地元ガイドと合流する。元気な会話で場が急に明るくなる。早速島随一の探鳥地を目指す。事前にクロウタドリ、カラアカハラ、キマユホオジロ、ヒメコウテンシ、ヤツガシラ、タイワンハクセキレイ、シマアカモズなどの情報を入手済み、胸が躍る。最初にヒメコウテンシのポイントに行くと先客がいる。ここは車内からの観察が必須条件だが、見つからないのだろうか?農道を歩いている。この場を諦め、別の場所に向かう。クロウタドリとキマユホオジロのポイントだ。到着すると今度は宅急便の車がポイントに停車中。直ぐに移動しカラアカハラを狙って移動。慎重に歩を進めるとまたまた前から地元の人が歩いてくる。仕方の無いことだが今日はツイテいない。水田地帯も回るがホオジロ類、セキレイ類もほとんど居らず、次第に気持ちが焦ってくる。気を取り直してもう一度最初から同じ順序でポイントを回る。2回目でキマユホオジロ3羽をゲット。側溝で採餌する雄2、雌1を全員がゆっくりと楽しむことができた。何とか一安心。その後、美しいカラアカハラ雌も辛抱強く粘ったお客様が発見し全員で観察・撮影できた。昼食後も丁寧に周り、タシギ、エゾムシクイ、ホオアカ、オオジュリン、ササゴイなどを確認した。宿に戻り夕食までの自主的探鳥でマミジロ雄をお客様が確認した。昼過ぎから風向きが北から南風に変わり、明日に期待しながら二日目を終了した。
24日、ずっと晴天が続いている。朝方、現地ガイドから「今日も島内鳥の動きなく静か」との情報が入る。気分転換も兼ねて昨年完成したばかりの甑大橋見学に切り替え。中甑島と上甑島を尋ねることにした。途中、甑島のグランドキャニオンと呼ばれる絶景やウミネコの集団繁殖地(国内の南限)、ミサゴの営巣、ヒヨドリの渡りとそれを狙うハヤブサなどを観察した。その後、アマツバメを狙って、ナポレオン岩に向かう。展望台から広範囲に探すも2年前の群舞は無い。漸くお客様が2羽で絡むように飛ぶ姿を確認した。午後は戻り探鳥するも鳥影は相変わらず薄い。昨日のポイントを全て回ってみるが、やはり抜けた感じが否めない。午後はこれといった収穫なく、三日目を終了した。
25日、早朝探鳥で昨日お客様が確認していたマミジロ雄を再確認。朝食後、現地ガイドから情報聞くも島内の鳥層変わらず。最終日は午前中のみ。海岸線道路で近くを飛ぶカツオドリを見つける。左右に往復しながらときどき豪快なダイブを披露してくれた。灌木に止まるシマアカモズの美しいオスを見つけ、全員で観察・撮影。フライングキャッチを繰り返している。飛んでいるハエを捕食しているようだ。周辺を丁寧に観察して歩いたが、これといった種類も発見できず。複数のポイントも変化なし。キャンプ場で昼のお弁当を頬張る。再度、シベリアアオジポイントへ向かう。やはり出てこない。帰りのフェリー出港時間が迫り、ここでタイムアップとなった。復路は串木野へ向かうフェリー。白波が少し立っていたが、追い風で探鳥には適した天候。往路では全く見られなかったオオミズナギドリが帆翔している。また海上を飛ぶハリオアマツバメを確認した。カンムリウミスズメは見られなかったが、アカエリヒレアシシギを数羽確認した。ご参加の皆さまお疲れさまでした。
波多野邦彦