【ツアー報告】固有種と渡りの鳥たち 春の奄美大島 2021年4月2日~4日

(写真:アカヒゲ 撮影:上田恵様)

2日、奄美地方に大雨警報が発令。鹿児島発奄美大島行き飛行機が視界不良で福岡空港or鹿児島空港に引き返す可能性あり。羽田空港からのお客様もほぼ同時刻到着予定。それでも全員何とか奄美空港に到着。コロナ禍による2年ぶりの奄美ツアーは波乱の幕開けとなった。まずは暴風雨に近い中を海岸に向かう。時間は既に3時近く。車外に一旦出たものの横殴りの雨で観察どころではない。早々にバスに避難。天候を伺うも回復の兆しは見られない。急遽別の場所に行くが芝生の上には何も見られない。現地ガイドの勧めもあり、空港裏へ。農耕地が広がり雨さえなければ、かなり良さそうな場所。たった一羽の夏羽のアマサギに全員心癒される。その後峠道なども走ったが、ルリカケスやズアカアオバトなど瞬間的に飛ぶも全員が確認するまでには至らない。奄美の初日は終日雨だった。今晩はゆっくり休んで明日からの探鳥に英気を養おう。ホテルは毎回利用しているが今回初めて3年前にできた新館を利用した。

3日、早朝にロビー集合。早朝探鳥はこのツアー最大の目的であるルリカケス、アカヒゲ、オーストンオオアカゲラを狙う。天気予報は曇りだが冷たい小雨が続き雨具が手放せない。ちょうど明るくなる頃に現地到着。バスを降りると数羽のアカヒゲの囀りが周囲の薮から聞こえてきて気分を高揚させる。ただ、今回は観察舎が駐車上脇に移転新築されており、元の旧観察舎跡は更地になっていた。森内も所々で改修工事中である。最大のアカヒゲポイント廃屋前の踊り場には2tトラックが置かれている。園内の野鳥生息状況にも変化があった。アカヒゲの観察ポイントが悉く無くなっている。ルリカケス、カラスバト、ズアカアオバト等は居るものの姿をゆっくり観察できない。一旦ホテルに戻り朝食。二日目の予定は南部まで足を伸ばして各所の渡り鳥を観察すること。最初の目的地に到着。ここではゆっくり散策しながら鳥を探す。今朝は横殴りの雨が車窓を叩いている。しばらく車内で待機してみるも状況に変化なし。雨雲レーダーでも午前中一杯雨雲が覆う模様。検討した結果、比較的雨雲の抜けが早いと予想される最も遠い場所から探鳥を始めることにした。11時過ぎ現地到着した頃には雨も止み、陽射しが漏れるほどに天候が回復した。直ぐにバスを降り探鳥を開始。昨日から久々のバードウォッチングだ!ここではコムクドリの小群、コチドリ、イカルチドリ、リュウキュウツバメ、ハクセキレイなどを観察したが、雨上がり直後のためか渡りの野鳥もやや少なかった。時間節約のため、車中で昼のお弁当を取りながら北上する。2時半過ぎに戻って来た。北部に来ると風雨がまだ止んでいない。雨は小降りだが横殴りの風はまだ吹いている。雨の中を出発。相変わらず鳥影は少ないものの川の中洲で現在ではたいへんな希少種になったリュウキュウヨシゴイを数名の方が観察した。他にサシバ、チュウジシギ、リュウキュウツバメなども見られたが、全員でゆっくり観察・撮影しながらといった状況にはならなかった。

4日、いよいよ最終日。今朝も朝から細かい雨が降っている中、森に向かう。途中の林道でアマミヤマシギ2羽が地面から飛び上がる。森内では現地ガイドと二人、2チームに別れてアカヒゲを狙う。この方法が功を奏し、双方数名がアカヒゲの観察、撮影に成功した。一旦ホテルに戻り朝食、再出発後、水田地帯へ向かった。ここではムネアカタヒバリ、シマアジを観察。短時間で切り上げ、バスに戻ろうと歩き始めた時に急激な雨。次に向かったのは初日、暴風雨だった海岸。到着直後はメダイチドリくらいしか居なかったが、オオメダイチドリ、キョウジョシギ、トウネン、ハマシギなどが次々飛来し、最後に探鳥を楽しむことができた。12:35昼食、本場の鶏飯に舌鼓を打った。昼食後空港に向かう。13:45奄美空港に到着し解散した。今回は雨の多い春の奄美大島になりました。みなさま、たいへんお疲れさまでした。

波多野邦彦

シロハラ 撮影:宅間保隆様

 

サシバ 撮影:上田恵様

 

クロサギとアオサギ 撮影:宅間保隆様

 

セッカ 撮影:上田恵様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:宅間保隆様

 

メダイチドリ 撮影:上田恵様

 

アカヒゲ 撮影:宅間保隆様

 

ムネアカタヒバリ 撮影:上田恵様

 

コムクドリ 撮影:宅間保隆様

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