【ツアー報告】フォトツアー シマフクロウとシマエナガを撮る! 2021年3月15日~17日
(写真:シマエナガ 撮影:米持千里様)
緊急事態宣言が発出したことから、毎年大好評の冬の道東をめぐるツアーが全て中止になってしまいました。それでもなんとか冬の道東を楽しめるツアーを企画できないかと考え、急遽新企画したのがこのツアーです。3月というと本州では春のイメージがありますが、道東はまだまだ真冬で時期的には決して悪い時期ではありません。それでもあまり欲張らず、人気のある2種を撮影するという目的を持った企画としました。今回は急な企画ではありましたが多くのお客様からお申込みをいただくことができ、急な行程変更などもありましたが無事出発することができました。
15日、久しぶりにやってきた羽田空港はやはりガランとしていて活気がなく、少々残念な印象がありました。早く以前の活気が戻ってほしいものです。我々は集合時間に遅れることなくご集合が完了したため、連絡事項をお伝えしてから航空券を配布して搭乗口に進みました。ひとまず飛行機は快晴の羽田空港を出発して女満別空港に向い、一気に冬景色に変わった空港に予定通り到着することができました。ここからは日没までに羅臼町まで移動しなくてはならないことから急いでバスに乗り込みました。バスは雪景色の中をまずは斜里町に向かい、一旦道の駅でトイレ休憩した後は標津町方向へ。途中、峠のピークでは霧氷が見事でまだまだ道東は真冬であることを感じました。正面に海が広がると霞んではいるものの国後島を見ることができ、まだまだ真冬の羅臼町到着後は、まずはこの日宿泊する宿に入っていただき、撮影機材、防寒服をお持ちいただいてから移動しました。日没まではまだ30分ほどあったことから時間をとってゆっくりと撮影の準備を進めることができ、なんとか日没までに準備完了することができました。準備中にはカワガラスがやってきてくれ、見る見るうちに暗くなる中、この日は順調にシマフクロウがやってきてくれ、複数回撮影チャンスに恵まれました。風がややあり雲が流れていく夜でしたが、帰る頃には見事な星空が広がっていました。
16日、この日は朝食後に出発してひとまず野付半島を目指しました。早朝から快晴のため真っ白い知床連山が見事に映えていました。途中、とりあえず港に立ち寄り、クロガモ、ウミアイサを撮影し、野付半島では小鳥類の気配を探しましたが残念ながら発見には至らず、代わって大きな角が見事なエゾシカを撮影しました。その後はさらに南下して別の港まで行き、毎年見られているコオリガモを探しました。この冬はどこの港もカモ類が極端に少なく心配ではありましたが、幸いにもオス、メスのつがいがいたことから歩いて接近して撮影することができ、最後は飛び立って行く様子も撮影することができました。その後は各自昼食をご購入いただき、シマエナガの撮影地である弟子屈町に向かいました。弟子屈町では早速、準備を進めて撮影開始となりました。すでに複数のハシブトガラをはじめ、シジュウカラ、ヒガラ、シロハラゴジュウカラ、アカゲラといった顔ぶれが姿を見せて楽しませてくれました。またこの冬はウソがやってきていて3個体が入れ代わり立ち代わりやってきてくれました。さらにはどこからともなくキレンジャクがやってきましたが、餌を食べる気配はなく高木に止まった後はどこかに飛んでいってしまいました。しばらく待ってみましたがこの日は目的のシマエナガがやってくることがなかったため、この日の宿泊地に向かう途中、公園に立ち寄ってみました。ただここでも残念ながらシマエナガに出会うことはできず、池にいたキンクロハジロ、ヒドリガモ、コガモ、ホオジロガモを撮影し、さらにその後は別の場所に立ち寄ってみました。ここでは夕暮れに映えるオオハクチョウ、そして周辺に群れる渡り途中と思われるツグミの群れを見るに留まり、この日の撮影を終えました。
17日、この日は撮影時間を確保するため日の出時間に合わせて05:30に宿を出発してシマエナガを探すことにしました。まずは昨日訪れた場所で周辺を探してみると、シマエナガの声がしたことから待っていると2羽がやってきて枝先で遊ぶように動き回り、最後は樹液を吸うために低い場所にやってきてくれました。またミヤマカケスが横枝でじっとしていたことから撮影することができ、どこからともなくやってきたキレンジャクも撮影することができました。また高木でじっとしているヤマゲラの姿もあったため撮影していると、キレンジャクの群やシメの群れ、さらにはベニヒワの群れが上空を飛んで行きました。なんとかシマエナガの撮影ができたことから弟子屈町まで移動して、時間いっぱいシマエナガの撮影を行うことにしました。この日もハシブトガラやヒガラ、シロハラゴジュウカラ、アカゲラといった顔ぶれのほか、ウソ、シメ、ヒヨドリ、ミヤマカケスが見られ、オオアカゲラを撮影された方もいらっしゃいました。ただシマエナガはこの日もなかなかやってこなかったことから周辺の雑木林の樹液の出ている場所で待って撮影することにしました。幸い何度かやってきてくれたことから、苦労はしたもののなんとか撮影することができツアーを終えることができました。
緊急事態宣言発出に伴い、毎冬恒例になっている道東のツアーが全て中止になってしまったことから急遽企画したツアーでしたが、3日間を通して概ね穏やかな天候に恵まれ幸いでした。主な目的であったシマフクロウとシマエナガの撮影はなんとか叶い、ほかにも北海道らしい、ハシブトガラ、シロハラゴジュウカラ、ミヤマカケス、ヤマゲラ、コオリガモといった種を撮影することができ、キレンジャク、アカゲラ、ウソ、シメ、マヒワも撮影することができました。行程の変更などもあり、ご苦労をおかけしましたが順調に進み幸いでした。北海道は見どころ満載でさまざまな季節にツアー企画しています。また季節や目的を変えて北海道にお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史