【ツアー報告】3月限定 やんばるの森とザトウクジラ 2021年3月13日~15日
(写真:ザトウクジラ 撮影:大塚あつお様)
13日、10:40 那覇空港でお客様と合流。先週は夏日だったのに寒い。毎年、ツアーとなると気温が下がるような気がする。那覇空港から一気に北上して、12:20 ホエールウォッチングの事務所で手続き。海が荒れているがホエールウォッチング船は出るという。公園で昼食後、13:30出航。港から出ると大荒れで、船の二階にいても波を被る中を船はクジラを探しながらぐいぐい進む。毎年、12月~3月頃に沖縄本島近海には200頭以上のザトウクジラがやって来て出産・子育てや求婚をするのである。本部は比較的に陸から近いところがクジラのポイントなので簡単に見付かることが多い。しかし、この日は1時間走ってもクジラが見付からない。14:45仲間の船からの連絡で荒れる海をバウンドしながら直行するとブローを発見。2頭のブローが見える。雌クジラにちょっかいを出すエスコートと呼ばれる雄クジラが追いまわしているようだ。大急ぎで逃げる雌クジラ、それを追う雄クジラ、さらにそれを猛スピードで追うホエールウォッチング船。波を被って全身ずぶ濡れとなる。でも、最後に至近距離でみられて、みなさん大歓声なのだ。16:30帰港し、やんばるを目指して北上する。17:55ヤンバルクイナのポイントへ行くと、ヤンバルクイナが4個体で鳴き交わしをしている。その中の1羽は、我々の直ぐ足元で鳴いているが姿が見えない。しかし、こんなに間近でヤンバルクイナの声を聞くことがないのでみなさんでじっくりと堪能する。18:15 やんばるの森のホテルに到着。夕食はザトウクジラの話しで盛り上がったのである。
14日、夜明け前、ホテルの前でリュウキュウコノハズクが鳴く。06:45 やんばるの森をゆっくり走る。気温14℃、 沖縄にしては気温に急に下がったため鳥たちの囀りどころか動きがまったくない。それでも、陽が昇って暖かくなるとホントウアカヒゲが囀り、遠くからノグチゲラのドラミングも聞こえる。ヤンバルクイナが道路脇の草地で餌を啄むが道路には出て来ない。内地の亜種より色の濃いリュウキュウキジバト、リュウキュウヒヨドリ、リュウキュウサンショウクイなどの沖縄の亜種も次々に出現する。ホテルへ戻る途中、草地で1羽のヤンバルクイナを発見。餌を啄んでいると、もう1羽が出てきて、なんといきなり交尾をする。ところがフェンス越しで撮影が出来ないので、皆さんでじっくりと観察する。ホテルに戻り朝食。その後、再出発。奥からやんばるの森の中の林道をゆっくり走る。北へ渡るサシバが集まっていてあちこちにいる。この時期、イタジイなどの照葉樹が一斉に芽吹き、山はブロッコリーの森のようなのだ。道の脇でホントウアカヒゲの声がするが姿は見えない。さらに、ノグチゲラの鳴き声がしたので探すが、ちらっちらっと影が動く程度でいらいらする。幻のパープル・シャンデリアといわれているイルカンダが南国的エキゾチックな花をつけている。再び、ノグチゲラが道路の直ぐ脇で鳴き、お1人が飛んでいく姿をチラッと見る。12:30昼食とお買い物。午後はシロガシラやリュウキュウツバメを観察、撮影する。この辺も渡りたくて集まってきたサシバが溜まっていてあちこちにいる。再び、やんばるの森の中の林道をゆっくり走る。16:25ホントウアカヒゲを確認。藪の中で動きが早くてなかなか撮影には難しいがみなさんでじっくりと観察する。17:20ホントウアカヒゲを確認するが、こちらも藪の中で動きが早くて撮影まではいかない。18:20 ホテルに到着。夕食はホントウアカヒゲの手強さで盛り上がったのである。夜、リュウキュウアオバズクがホテルの屋根にとまって鳴く。
15日、一晩中、ホテルの前でリュウキュウコノハズク、リュウキュウアオバズク、ヤンバルクイナがホテルが鳴く。06:30 やんばるの森をゆっくり走る。昨日より気温が上がり、鳥たちが一斉に囀る。ホントウアカヒゲがソングポストに現れるが、動きが素早くて写真にならない。遠くからノグチゲラのドラミングが聞こえてくる。ヤンバルクイナも道路脇で餌を啄む。ホテルの近くのポイントへ行くとホントウアカヒゲが出てきて、やっとみなさんでじっくりと観察、撮影する。ホテルに戻り朝食。その後、再出発。直ぐに道路脇でノグチゲラが盛んに鳴くが枝葉の陰で姿が見えない。その後、何回かホントウアカヒゲを観察、撮影してから南下し、11:50に耕作地へ行く。コチドリ、アオアシシギ、セイタカシギなどのシギ・チドリ類やサギ類、シロガシラ、シマキンパラなどをじっくりと観察、撮影。普段は普通に見るのにツアーになると出て来ないマングースが珍しくあちこちに現れる。ツメナガセキレイ、ホオジロハクセキレイがいてみなさんで盛り上がる。その後は昼食。町の外れにお客様をお連れしたい東南アジアの屋台のようなお弁当屋さんがある。とにかく安いので、みなさんついつい買い過ぎるから「お弁当はおかずとかの内容で選ぶのではなく、持って食べられる量のお弁当を購入してください」と変な注意をする。
昼食後も耕作地を見てから、さらに南下して14:40に通称「三角池」に行く。コガモ、ハシビロガモのカモ類やサギ類、セイタカシギなどを観察、撮影する。クロツラヘラサギ7羽がいて、1羽は首の周りが黄色くなってきて冠羽もふさふさになり繁殖羽になってきている。これらの水鳥を観察、撮影し、15:20那覇空港へと向かったのである。この時期限定の、ザトウクジラとやんばるの森のツアーでした。みなさま、お疲れ様でした。
宮島 仁