【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2021年3月8日
(写真:ヒレンジャク 撮影:山口勝業様)
新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発出により長らくツアー催行を中止していましたが、ようやく2021年3月7日に解除予定とのことになり、それに伴って3月8日からツアーを企画し直し募集を開始いたしました。ただ残念ながら直前になって非常事態宣言が2週間程度延長されることになりました。そこで鳥の観察会としてはお申込みいただいているお客様お一人お一人にご意見を伺い、最少催行人員割れにならなかったツアーに関しては催行するという判断をしました。感染拡大がある程度抑制されていることもあり、多くのお客様から参加のお申し出があったことから予定通り3月8日からツアーリスタートとなりました。その最初のツアーは春にはおなじみとなっているレンジャク類を探すツアーです。
8日、鳥の観察会のツアーリスタート日は残念ながら雨となってしましましたが、探鳥地である群馬県は曇りとのこと。久しぶりであるにも関わらず順調にご集合が完了したことからバスは予定よりも5分ほど早く東京駅を出発、途中レンジャクをはじめとする本日出現しそうな主な鳥達について解説しながら進み、最初に目的地である群馬県の公園に到着しました。到着後観察機材を準備していただきながら周辺にあるヤドリギを見ると早くも数羽のヒレンジャクの姿がありました。しばらく観察していると比較的低い枝にもやってきてくれ、実を啄んだ後は池に水を飲みに行くといった行動を繰り返していました。その際には「リリリリ・・・・」という鈴を振ったような涼しげな声を聞くこともでき、懸命に水を飲む様子も観察することができました。池にはもうカモ類はほとんどいませんでしたが、カルガモ、ハシビロガモ、そしてコガモはディスプレイを繰り返していました。その後はさらに奥のヤドリギに行ってみましたが、こちらにも数羽のヒレンジャクの姿があり、盛んにヤドリギの実を啄んだり柳の芽を啄んだりしていました。中には粘性の高い独特の糞をする個体もいて、ヤドリギとレンジャクの共生の一場面も見られました。また地面に降りて歩き回りながら採食している個体もいました。駐車場に戻る途中では地上で採食しているシメの群れやアオゲラに出会うことができ、昼食後は標高約900ⅿの山麓中腹にある次のポイントに移動しました。まだまだ各所に雪が残る当地ではヤマガラ、コガラ、ヒガラといったカラ類が出迎えてくれ、ここでも数羽のヒレンジャクに出会うことができました。やや距離はありましたが針葉樹に群れる姿は見事な景観で、周辺からはゴジュウカラのさえずりも聞こえていてまだまだ寒いとはいえ春を連想させてくれました。そして最後はやや時間があったことから山麓の公園に行ってみることにしました。園内に入ると早速、複数のヤマガラがやってきて賑やかに出迎えてくれ、上空をオオタカの成鳥が優雅に旋回飛翔していました。里山環境まで来るとカシラダカが地面を歩きながら採食し、10羽ほどのシジュウカラもやってきてくれました。ただ、残念ながら全体的には小鳥類の姿は少なく、芝生広場にいる飛去前のツグミの姿を観察して、この日の探鳥を終えることにしました。
私にとっても約3か月ぶりのツアーでしたが、探鳥地では雨に打たれることもなく順調に進行することができました。レンジャク類は毎年毎年飛来するわけではないですから、出会えない年もあるわけですが、今回は鳥の観察会のリスタートを祝福してくれるかのように2か所でヒレンジャクに出会うことができ、特徴的な冠羽や過眼腺のある特徴的な顔つき、その声までも楽しむことができました。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史