【ツアー報告】冬の琵琶湖で1日60種観察にトライ! 2016年1月24日
(写真:ミヤマガラス 撮影:高木信様)
今年初企画となる冬の琵琶湖。普段、私が探鳥しているエリアではないためリアルタイムの現地情報が得られないことから現地案内人同行ツアーの第1弾として企画しました。琵琶湖には「湖北野鳥センター」という施設があり、ここに勤務し、以前から親交のあった池田昇平氏に現地案内人をお願いすることにしてツアーを進行することにしました。その甲斐あって各地からたくさんのお客様に集まっていただくことができました。しかし前日から低気圧が接近し、関西各地で雪予報が出て心配される中での出発となってしまいました。出発当日は積雪はなかったものの強風が吹荒れ非常に寒い朝でした。
心配されたトラブルなどはなく、ほぼ予定通り08:30に大阪駅前をバスにて出発して琵琶湖を目差しました。現地案内人の池田氏とは湖畔に駐車場で合流し、早速探鳥を開始しましたが驚いたことに積雪などはなく、やや風が強かったものの快晴でした。まずは湖畔にある小さな公園で探鳥しましたが、川にはコガモとミコアイサ、園内では地上採食する50羽ほどのイカルの群れが見られました。観察していると時より樹上に上り、また地上に降りるという行動を繰り返し、必死に種子を食べていました。付近にはシジュウカラ、モズ、シメの姿もあり、突然現われたアカゲラの姿に盛り上がりました。河口まで行くと湖面は波立っていましたが、カワアイサ、ハジロカイツブリ、カモメなどの姿があり、中洲に休んでいたアオサギの中に1羽のヘラサギの姿を見ることもできました。戻って行く道すがらではアトリの群れも現れ、樹上にいたことから望遠鏡を使ってじっくりと観察することができました。その後は湖北水鳥センター付近で観察し、アシ原ではチュウヒ、水辺には再びヘラサギの別個体を見ることができ、嘴を左右に振りながら歩く独特の採食行動を観察しました。センターからはかなり遠くにオオワシの姿があり、休憩中のヒシクイの群れの中に少数のマガンの姿もありました。その後は近くの漁港を訪れ、ヒドリガモ、オカヨシガモ、カンムリカイツブリ、ハジロカイツブリ、そしてホオジロガモを観察することができ、ここからは長浜方面に戻りながら探鳥することにしました。まずはコハクチョウが群れる水田で観察し、その中から僅かながらオオハクチョウを見ることができ、付近にはチョウゲンボウの姿もありました。池では距離はあったもののヨシガモ、オシドリが見られ、移動中には電線に止まるミヤマガラスの群れに遭遇しました。遠くからではわかりにくいためバスを降りて望遠鏡で観察し、嘴の形、色、額の形といった違いを見ることができましたが、コクマルガラスの姿はありませんでした。次に訪れた池では最近目撃例のあったアカハジロを探しましたが出会うことはできず、縄張り争いをするカワセミが飛び交っていました。そして最後は湖畔の公園を訪れて散策を行い、湖面で休むコガモ、そして林内ではビンズイを観察して終了しました。風は強く冷たかったですが、結果的には雪に阻まれることはなく、終日快晴の中での探鳥ができたことは幸運でした。
1日で60種観察を目的にしての日帰りバスツアーでしたが、おかげさまで観察種は63種。オオワシはかなり遠くで見た感じはしませんでしたが、ヘラサギが2個体、イカルの群れ、アトリ、アカゲラ、ビンズイ、チュウヒ、低気圧の接近に伴って湖面が大きく波立っていましたが、ミコアイサ、ホオジロガモ、ハジロカイツブリ、カンムリカイツブリなどの水鳥も見ることができました。当日、現地案内人としてがんばって下さった池田昇平さん、ありがとうございました。
石田光史