【ツアー報告】ヤドリギに群れるレンジャクに会いたい! 2016年2月27日
(写真:イカル)
昨年から企画しているヒレンジャク、キレンジャクとの出会いを目的にしたツアー。冬鳥として日本に渡ってくるこの2種は年によって渡来数に大きな誤差がでることで知られていますが、今回訪れるポイントは2月中下旬になると比較的安定してヒレンジャクが渡来することで知られています。今回はお天気も良く絶好の探鳥日和との予報ですが直前の現地情報では残念ながらレンジャク類の姿は見られていないとのことでした。
27日、ほぼ予定通りに快晴の東京駅前を出発することができましたが、予定していた関越道の渋滞がひどくなってきたことから東北道回りでバスを走らせることにしました。ただ、途中事故があったため結局予定よりも40分ほど遅れて最初の探鳥地に到着しました。この場所は駐車場からでもレンジャク類の大好物であるヤドリギが、しかもかなりの規模で見られ雰囲気は十分です。よく見ると地元のバードウォッチャーたちがカメラを持って歩き回りながらレンジャク類の姿を探していましたが、やはりその姿は見つかっていないようでした。ただ、いつ飛来するかはわからないわけですからひとまず一カ所一カ所探すことにしました。ただ、結果的にはヤドリギにはカワラヒワとヒヨドリの姿のみで残念でした。芝生広場まで来ると数十羽のイカルが地上採食していました。少しずつ近づいて観察すると特徴的な黄色い嘴を観察することができ、時より樹上に止った際には早くもさえずりが聞かれ春のような雰囲気が広がっていました。また付近にはシメの姿もあり、よく似た雰囲気がある中、表情の違いや嘴の色の違いなど観察することができました。池ではカモ類の個体数はかなり減っていましたが、マガモ、カルガモ、コガモ、そして鮮やかになったハシビロガモが群れて回転するように独特の水面採食していました。その後はバス車内や付近にあるベンチなどで各自昼食をとっていただきましたが、突然、オオタカが現れて低く飛び、威嚇するかのように現れたチョウゲンボウと2羽で飛翔する姿を観察することができました。その後は1時間ほど走って標高の高い場所まで移動しました。ここも周囲にはヤドリギが見られレンジャク類の姿に期待しましたが残念ながら見つからず、代わってアカゲラ、ジョウビタキ、アトリ、そして杉林では50羽ほどのマヒワの群れが地上採食する様子が見られ、特にオスは濃い黄色が美しく印象的でした。また、賑やかなエナガのつがいも飛び回り、餌台のある場所まで来るとシジュウカラ、ヤマガラ、コガラが賑やかに動きまわっていました。そして最後は再び山麓に戻って広大な公園内で探鳥です。園内に入ると早速アトリの群れが飛び、樹上に群れて止っている姿を望遠鏡を使って観察することができました。その後は2羽で行動するアオゲラを観察し、アカゲラ、シロハラ、カシラダカも観察して最後は真っ青な美しいルリビタキのオスを観察して終了することができました。
昨年はレンジャク類の渡来数が多かったことから幸運にも出会うことができましたが、今年は冬鳥の渡来状況が全体的に悪く、目的のレンジャク類に出会うことができず残念でした。ヤドリギの実もごっそり残っていることから今のところ飛来していないようです。ただ、代わってアトリ、マヒワ、イカル、ルリビタキ、ジョウビタキ、シメ、アオゲラ、アカゲラ、カシラダカ、シロハラといった冬の小鳥類を楽しむことができました。午後は寒くなりましたが好天に恵まれた1日でした。皆様お疲れ様でした。
石田光史