【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2020年8月26日
(写真:ホシガラス 撮影:鶴田美津子様)
遅れていた梅雨明けをようやく迎えることができ、いよいよ猛暑の季節がやってきました。今年は梅雨明けが8月にずれ込んだこともあってか梅雨明けしてからすぐに暑い日が続き、急な気温差のせいか体調管理が難しい印象があります。そしてこの日も天気予報では午後からは崩れてくるとはいうものの東京の最高気温は34℃とのことで、もう慣れたとはいえ厳しい暑さになるとのことでした。ただこのツアーはそもそも、なかなか行く場所が見当たらない真夏の時期に、涼しくて鳥が見られる場所がどこかにないかといったコンセプトで考えたツアーのため、下界の暑さは想定内でした。
26日、出発前にご参加の皆様の健康をチェックするシートを回収し、バス乗車前に検温、そして備え付けの消毒液で消毒していただいてからバスに乗車していただき、ほぼ予定通り08:00に早くも暑くなりつつある東京駅前を出発しました。バス移動中はこの日に見られる可能性が高い種の解説を行いながら進み、途中休憩を挟んでも2時間半ほどで現地に到着しました。途中、富士山がバッチリ見えていたので快晴かと思いましたが、そこはさすがに山の天気で、霧がでたり曇ったりと忙しかったですが到着地は晴れていて一安心でさすがに涼しく快適でした。準備を整えた後は少々歩いてポイントまで行き、後は水場の周辺に陣取って観察を開始しました。現地でも検温があるのですがそうこうしているうちにホシガラスが現れて飛び回り、その後は可愛らしいルリビタキの幼鳥がやってきてくれ、ほぼ時を同じくしてヒガラの幼鳥もやってきてくれました。どちらも珍しい鳥ではありませんが幼鳥個体をじっくり観察する機会はほぼないため、それぞれの特徴を見ることができました。その後は立て続けにウソのつがいがやってきて仲良く水浴びをしてくれました。ウソは繁殖期が終わっているであろうこの時期でもつがいで行動しているようで一緒に見られるのが良い点で、この日は単独と思われるウソのメスもやってきたことから3個体を同時に見ることができました。お昼近くなると周囲の林からメボソムシクイの涼しげなさえずりが聞こえ、あまり水場にやってこないメボソムシクイがやってきてくれ、普通であればしっかり見ることが難しいその姿も見ることができました。その後は周辺からホシガラスの声が聞こえ、見上げてみると針葉樹に止まっている姿を見られたものの水場にはやってこず、少々鳥たちがやってこない時間帯もありましたが、その後はコガラがやってきて水浴びをしていました。その後は再び小鳥たちが頻繁に姿を見せるようになり、ルリビタキのメス、一瞬だけでしたが青いルリビタキのオス、そしてウソはつがいで頻繁に姿を見せてくれるようになりました。そして残り1時間ほどになった頃にようやくホシガラスが水場にやってきてくれ、少々せわしない感じではありましたが間近にその姿を見ることができ、飛翔時には尾の先端の白色がよく見られました。その後は今度はルリビタキの幼鳥2個体、青いオス、そしてメスの4個体が同時にやってきて盛り上げてくれ、時を同じくしてヒガラも3羽がやってきて忙しい状況になり、片付けを始める頃にはウソの別のつがいがやってきてしばらくの間、水浴びするシーンを楽しませてくれました。
さて、今回は主な目的であったキクイタダキに出会うことができず残念でしたが、ホシガラスがじっくり見られたほか、ウソのつがい、そしてルリビタキは美しい成鳥のオスをはじめ、幼鳥が2個体見られ、この時期だからこその個体が見られました。さらにメボソムシクイやコガラ、そしてヒガラは成鳥、幼鳥の両方を見ることができました。厳しい暑さが続く中ではありますが、僅かな時間であっても涼しい場所で過ごし、じっくりと野鳥たちを間近に見ることができました。ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
石田光史