【ツアー報告】キクイタダキに会いたい!富士山五合目 2020年7月30日
(写真:ルリビタキ 撮影:宅間保隆様)
毎年夏恒例の富士山五合目に向かう日帰りバスツアー。関東地方の梅雨明けに合わせる形で企画していますが、今年はなかなか梅雨明けとはならず、しかもずっと雨が降り続く毎日でした。例年であれば25日頃には梅雨が明け、厳しい暑さが続いている頃ではありますが、この日も早朝からどんよりしており、東京駅前は霧雨模様でした。
30日、予定よりもやや早い07:50にご集合が完了したことから東京駅前を出発して富士山に向かいました。どんよりとした空模様は変わらず、まずは途中のサービスエリアで休憩するもいつもならばズラッと並んでいるはずの観光バスの姿は全くなく異様な光景でした。その後、いよいよスバルラインを登り始めた頃には外はかなり激しい雨になり、霧も立ち込めてきました。ただバスはひたすらスバルラインを登り、目的地の五合目に到着すると幸いにも霧はなく、周辺からはルリビタキの元気なさえずりが聞こえていました。歩きはじめると針葉樹の中からキクイタダキ、ヒガラの声がするものの姿は見られず、その後はシャクナゲの花を見ながら歩き、後は水場で観察を開始しました。雨が続いたせいか水場に賑やかさはなく残念な印象ながら、周囲からはルリビタキ、メボソムシクイのさえずりが絶え間なく聞こえていました。気が付くと雨は止み空が明るくなってきたかと思うとすぐ横の針葉樹にウソが止まって鳴き、その後はようやくルリビタキが水場にやってきて可愛らしい姿を見せてくれました。その後は空が一気に青空に変わって蒸し暑くなってきました。いつの間にか周囲からはウグイスの声が聞こえだし午後になると今度はホシガラスがやってきて大きな声で鳴く姿を見ることができました。その後、さらに天気が回復したことから遊歩道を歩いてみると、足元にはコケモモやベニバナイチヤクソウの花が咲き、針葉樹のてっぺんに止まるホシガラス、さえずるルリビタキのオス、飛翔するアマツバメが見られ、展望台付近では珍しくハチクマが飛んでいました。その後、水場に戻るとようやく美しいオスのルリビタキを見ることができましたが、この日の水場は賑やかにはならないまま15:30に観察を終えました。
今年は梅雨明けが遅れ、その関係から長雨となってしまったことから富士山周辺も水が絶えることはなかったようで、この日は残念ながら小鳥たちのにぎやかさを感じることはできませんでした。ただルリビタキは幼鳥を含めて水場にやってきてくれ、ウソ、ホシガラス、そして涼しげなメボソムシクイのさえずりを聞くこともできました。暑い季節はなかなか出向く場所も見つからないですが、高山帯ではまだまだ美しい野鳥たちに出会うことができます。またの機会、ぜひお出かけください。この度はご参加いただきましてありがとうございました。
石田光史