【ツアー報告】沖縄やんばるの森の固有種と海アジサシ 2020年6月20日~22日

(写真:ヤンバルクイナの親子 撮影:中谷博之様)

20日、12:00那覇空港を出発。今年は梅雨が早く開けて、真夏の沖縄で皆さまをお迎えしようと思っていたのに戻り梅雨とかで毎日雨マークなのだ。本日も雨の予報だが、幸い今は降っていない。空港近くの公園でコロナ禍のためソーシャルディスタンスをとっての昼食とする。昼食後は北上し、昨年、エリグロアジサシ3ペアが繁殖していた岩礁へ行くが何もいない。今年はコロナの影響で休みが多かったので、釣り人が連日、この岩礁で釣りをしていてエリグロアジサシが繁殖をしなかったようなのだ。その後は奥の林道へ行く。今年は4月にやんばる3村が来村自粛を呼びかけたため、鳥たちの繁殖期に一度もやんばるへ来ていないという異例の事態だが、アカヒゲの亜種ホントウアカヒゲやアカショウビンの亜種リュウキュウアカショウビンがあちこちで鳴き、車の前を横切る。その後、3月にノグチゲラの雌雄が追いかけっこをしていたポイントで待つと、ノグチゲラの雌雄が鳴きながら飛来して餌を啄む。さらにヤンバルクイナのポイントでペアを観察。ちゃんと毎年、同じ場所で繁殖していることにほっとしながらやんばるの森の中のホテルに到着。19:00から夕食。ホテルの周りでリュウキュウコノハズクとヤンバルクイナが一晩中鳴いていた。

21日、夜中に台風のような大雨が降ったが、曇りの中を出発。遠くからリュウキュウアカショウビンの囀りが聞こえる。ヤンバルクイナはミミズやカタツムリを食べるので、雨の後は道路によく出て来る。あちこちでヤンバルクイナを見るが、いまひとつ写真にならない。色の濃いヒヨドリの亜種リュウキュウヒヨドリや腹部が灰色のメジロの亜種リュウキュウメジロなどが飛び回る。ナゼかこの時期にセイタカシギがこんなところをうろうろする。一旦、ホテルに戻って朝食。その後再度出発。奥の林道を車でゆっくりと走る。ホントウアカヒゲを何度が観察、サンコウチョウの亜種リュウキュウサンコウチョウがアップテンポで囀りながら近くまで来るが落ち着かない。シジュウカラの亜種オキナワシジュウカラやヤマガラの亜種アマミヤマガラなどを観察、撮影する。リュウキュウアカショウビンが真っ赤な弾丸のように飛んでいく。昼食は岩礁へ行く。ここのアジサシ類も今年は繁殖が芳しくなく、遠くをエリグロアジサシ4羽が飛んでいく。再びやんばるの森へ行き、ホントウアカヒゲを何度か見ながら林道を走る。夕方にヤンバルクイナのポイントで待つと、雌が出てきて川を渡る。すると、その先に雄もいて、さらに今年生まれの幼鳥2羽も草地から現れ、家族4羽で餌を食べたり、怒られたり、水浴びをしたりするので、みなさんでじっくりと観察、撮影する。そして、暫く堪能していると、親鳥が川を渡って対岸の藪に入ると、残された幼鳥2羽も勇気を振り絞るかのように川を泳ぎ出し、対岸の藪へと入って行ったのである。探鳥後にホテルに到着。19:00から夕食をいただく。

22日、晴れていて早朝から暑い中を出発。ホントウアカヒゲの雄が囀る姿をみなさんで観察、撮影。ノグチゲラが飛来して近くの木にとまるが、直ぐに飛び立ってしまう。そして、ヤンバルクイナも現れて、朝の1時間半でやんばる3点セットをコンプリートする。さらに、リュウキュウツバメを撮影し、ホテルに戻る途中でカラシラサギを発見。みなさんでじっくりと観察、撮影する。一旦ホテルに戻って朝食。再度出発した後、何度かノグチゲラが鳴くが近くに現れない。その後、農道を走っていると道路をヒクイナの亜種のリュウキュウヒクイナが歩いている姿を観察する。さらに南下して耕作地へ行き、アマサギ、チュウサギ、ダイサギ、コサギなどのサギ類、シロハラクイナ、シロガシラ、シマキンパラなどを観察、撮影する。昼食後、再び耕作地の農道を走っていると電線にとまっているズアカアオバトを発見。琉球列島の固有種なので皆さんが見たいというが、どこにでもいるがここへ行けば見られるという場所が無い鳥なので嬉しい。さらに岩礁へ行き、抱卵中のエリグロアジサシの数ペアやクロサギなどを観察、撮影して、那覇空港へと向かったのである。「やんばる3点セット」が何度も登場した3日間でした。みなさま、お疲れ様でした。

宮島 仁

エリグロアジサシ 撮影:中谷博之様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:宅間保隆様

 

ズアカアオバト 撮影:中谷博之様

 

カラシラサギ 撮影:宅間保隆様

 

クロサギ 撮影:中谷博之様

 

ノグチゲラ 撮影:宅間保隆様

 

ホントウアカヒゲ 撮影:中谷博之様

 

ヤンバルクイナの親子 撮影:宅間保隆様

 

ノグチゲラ 撮影:中谷博之様

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